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独占欲
直輝に抱かれてから1ヶ月ほぼ毎晩と言っていいほどバイトが終わったあとは仕事終わりの直輝に抱かれていた。
もう本当に立派な性処理だ。
生きたダッチワイフになった気分だった。
直輝はモデルの仕事で終わる時間がいつもまばらだ
どれだけ疲れて眠っていても電話一つで起こされれば、夜中の二時でも待ち合わせの公園に行っては外で抱かれる
昼の時間だったら俺が授業の合間に抜け出しては口を使って直輝だけをイカせたりとにかく何でそんなに少ない時間でも俺のところに来るのか謎で仕方がなかった
だけど流石に体の疲労は限界を超えていたのか、学校の実習に俺の働いてる美容室の憧れている先輩が特別講師として講義に来てくれてる授業でとうとう倒れてしまった
倒れる寸前に誰かに抱き抱えられて胸の中で意識を手放した
ぼんやりする意識から目を覚ますとアルコールの消毒液の匂いが鼻につく
ここが保健室なんだとわかるとフラフラする頭で体を起こした。
「……先生?」
保健室の先生に今何時かと聞こうと声をかけたら想像と違う声が聞こえた
「おっ!祥起きた?」
「えっ……あれ?詩音先輩?」
「あらら〜ぼんやりしちゃって」
「……俺もしかして倒れました?」
「そりゃもうスパーン!とね、スパパパーンと倒れたところを俺がぎゅっぎゅって受け止めたのよ〜」
擬音が多くて子供っぽい喋り方で詩音先輩は説明をしてくれた
「ふふっ詩音先輩子供みたい」
「こ〜ら〜7つも上の俺にそんなこという?」
「あははっごめんなさいつい」
声を出して笑う俺に詩音先輩はほっとした顔をして俺の頭を撫でてくれる
「……詩音先輩?」
「ん〜、祥さーなんか悩み事あんだろ?」
「……ふふっ無いですよ〜」
「……目の下にクマあるし、オーナーも元気がないって心配してたぞ」
「すみません…迷惑かけて」
「本当だよ〜俺達の店の天使が元気ないと皆のボルテージが下がっちゃうぞ」
「天使って…俺男…」
「ああ悪い悪い!変な意味はねーから!」
詩音先輩はぺろっと舌を出すと大袈裟に謝ってくる。その仕草が本当に俺よりも7つ上に見えなくてまた笑みが溢れる。
「…オーナーには連絡しといたから一週間店休めって」
「え?!一週間も…?」
「短いってか〜?」
「違います…一週間も長過ぎる…」
「はあ〜お前はほんっとに自分にストイックだね〜綺麗な顔とは想像もつかないよ」
「…綺麗とか言わないでください、俺男です」
「あーわりー!わりー!」
「……はあ〜、一週間、無駄にしないように休ませてもらいます、ありがとうございます」
「おう!飯食ってちゃんと寝て少しはね伸ばしこいよ」
「はい」
「今日はもう早退するだろ?俺授業終わったからお前送ってくよ」
「いや俺一人で帰れますよ、詩音先輩このまま仕事戻るんですよね?」
「オーナーにも承認済みだからい〜んだよ、ほらいくぞ」
詩音先輩はウインクをすると俺の荷物を持って先に歩き出す。
俺も慌てて制服を正して歩き出すが想像以上に体が追いつかなくて転げ落ちそうになってしまった
「おうっと…!セーフ!」
「すっすみません…」
「いやいや俺こそ悪いな…俺の肩掴んどけ!」
「あ、はい、ありがとうございます」
俺は詩音先輩の肩に寄り添いながら廊下を歩き校門を出た。
幸いにも今は授業中で外には生徒がいない。
詩音先輩とゆっくり話をしながら車に向かう途中、後ろから誰かに名前を呼ばれた
「しょーちゃん!」
「え?」
詩音先輩も俺に釣られて後ろを振り返ると、珍しく変装も何もせず白髪を風になびかせて爽やかな笑顔を浮かべ直輝が立っていた
キラキラと青空の下が似合う笑顔の裏にユラユラと怒りの気配を感じては俺は息を潜んだ
しかし直輝は俺に手を振りながら近寄ってきて、詩音先輩に笑顔で挨拶をすると俺の腰を引き寄せる
「しょーちゃん、迎えきたよ〜」
「えっ?」
「ええ!もしかして噂の幼馴染みであり人気モデルの直輝くん?!」
「あはは、そんな事無いです、でもしょーちゃんの幼馴染みの直輝は間違ってないです」
「いや〜有名人に会っちゃったわ〜」
「……詩音先輩、業界に沢山知り合いいるじゃないですか」
「いや、それとこれとは別なのよ!」
「…そうなんですかね?」
詩音先輩とだらだらと直輝の存在を忘れくだらない話をしていると腰に回された手のひらが俺のアナルを服の上から刺激し出す
「アッ……ん」
「え、祥?」
「しょーちゃん大丈夫?具合悪いの?」
直輝は心配するふりをしながらぐりぐりと刺激を強めてくる
「ッ…大丈夫、です…!」
「お前顔真っ赤だぞ…早く帰ろ、送る」
「あっ、それなら俺が送っていきます。今日しょーちゃんと約束してたんで予定あけてたんですよね…久々の二人きりなんで」
「そうだったのか?!なんだよ祥〜早く言えよな、じゃあ俺は帰るから気をつけろよ!」
「んっ…はい……ありがとうございました詩音先輩…ぅ…」
ぺこりとお辞儀をすると先輩は俺の頭をくしゃくしゃと撫で回して駐車場へと向かい消えていった
「…しょーちゃん」
「…触ら、ないで…」
「あの人と仲いいんだな?」
「んっ…それ、は…」
「まあいいや今日は学校早退させる気だったし好都合か」
直輝は一人納得すると俺の腕を掴みスタスタと歩き出す。
学校のすぐそばに止めてある車の扉を開けて俺を押し込むと直輝も乗り込んできた
「マネ、俺の家よろしく」
「はーい、その子が噂の祥君?」
「そう、俺の幼馴染み…しょーちゃん自己紹介しなよ?」
「え?…んんっ」
体がびくりと震え上がる。
直輝の右手がマネージャーさんに見えないようにして俺のチンコを揉み始めた
「…はっじめまして…ぁっ……小日向…、祥ッ…です」
「はじめましてー、俺は直輝くんのマネージャーをしてる篠田だよ」
「ッ…篠田ッさん…よろしく、お願いします…ンッ」
「………なっなんだか祥君は話以上に色気のある子だね……」
「ふふっだよね、俺もそう思う」
「直輝くんから聞いてた以上だよ〜」
「…ッ…そ、んな…事無いですよ…」
「……うーん、ていうより俺達の事務所入って欲しい程の逸材なんだな〜祥君!」
「それはダメだって言っただろマネ」
「あははっ本当に祥君となると直輝くんは騎士になるね〜…そうだね確かに祥君はこの業界はきついかもね」
「誰にでも食われちゃ困るから俺も、幼馴染みとして」
そう言って直輝と篠田さんは何やら業界の話をしていたが俺はただ声を我慢するのに必死でほとんどが耳を通り過ぎていった
やっとついた直輝の家に着く頃にはもうすっかり足腰が立たないほどに体が快楽に染まって篠田さんに心配されながら直輝に抱き抱えられて家へと運ばれた
そのまま靴を脱ぎ、俺を抱いたまま2階に上ると久しぶりの直輝の部屋に入った。
懐かしい大好きな直輝の香水の匂いが鼻をかすめて心臓がギュッと締め付けられる
ぼんやりとしてる俺をベットの上に寝かせると直輝は棚から何かを取り出してベットの上に乗り上がる
力が入らず震える俺の手首を簡単に片手で纏めると何か冷たいものが手首に嵌められた
カチャンッ カチャンッ
両手首に万歳をした状態でベットヘッドに繋いだ状態で手錠をかけられたのに気づくと、ガシャガシャと手を揺すり逃れようと力を入れる
しかしそんなのはただ虚しい音を響かせるだけで微動だにもせずただすり減った精神と体力を奪っていくだけだった
「…直…これ…嫌だ…」
「今日は久しぶりにちゃんと抱いてやるよ」
「いや…要ら、ない…」
「1ヶ月まともに仕事で時間取れなかったからな…久しぶりに半日オフ貰ったんだ」
「直輝…もう…辞めよう…」
「やめて?好きにしろっていったのはしょーちゃんだろ?」
「…そうじゃ、ない…直輝から離れる為に…直輝と関わらない為に…だから」
「…………俺から離れてどうすんの?」
「え?」
「俺から離れてあの男の所行く?」
「ど、言う意味…だよ…!」
「1ヶ月俺に抱かれ続けてどうだった?」
「………」
「お前も分かってんだろ?」
「………直輝…なんでこうなったの…」
「全部俺の気まぐれだって言っただろ可愛いしょーちゃん」
直輝は口の端を器用に釣り上げて悠々に笑い見下ろすと俺の唇にキスを落としたのが合図かと言うように激しく直輝に求められる
それからはただただ酷かった。
何度も何度もイっても止まることなく直輝に攻められ、気絶をしても、叫びあげても直輝は俺の体に快楽を与え続ける
声がガラガラになり喉がヒリヒリと痛む頃にやっと直輝のモノがアナルの中に突き刺さり再び快楽を与えられとろとろと精液をペニスから垂れ流したままイカされ続けた
「…も…やぁ…やら…」
「……好きだ」
「ふぇ?」
クラクラと目が回っている。
自分が何を話してるのかも、どうなっているのかもわからないけど直輝が何かを囁いた気がした
だけど体は重くて動かなくて沈むように瞼を閉じると俺は再び意識を手放していた。
眠る俺の泣き腫らした瞼に直輝が優しく何度も何度もキスの雨を降らし痛いほどに力が抜けた体を抱きしめて「好きだ」と囁いていてくれたことを、深く眠る俺は何一つ知らなかった
ズキズキとあちこちが痛む、
目を覚ますと直輝の眠る顔があった
眉間に皺を寄せて何か嫌な夢でも見てるのか苦しそうだ
鉛のように思い腕を伸ばして何度も何度も直輝の髪を撫でる
「…俺…直輝と友達になれてよかった」
眠っている直輝の表情が少しずつ柔らかくなっていく
「………直輝は嫌いでも…俺は好きだよ」
ずっと言いたくて言えなかったこの1ヶ月押し込んで隠した言葉を眠っている直輝に告白する
(また幼馴染みに戻りたいよ、直)
ぼんやりと直輝の眠っている顔を見つめているとピリリと携帯の着信が鳴る
「…はい」
「あ、兄貴?」
「陽?どうしたの?」
「…今日、ハルも俺の家でご飯食べてい?」
「ふふっわざわざ聞かなくていいのに」
「…………最近疲れてたみたいだから」
「……陽、大丈夫!課題に追われてただけ…今すぐ帰るね」
「…うん、今どこなの?」
「直輝の家だよ」
「直輝くん!仲いいね本当」
ズキっズキっ、陽の何気ない言葉が胸に突き刺さる
「…ッ…うん、幼馴染みだから…じゃあね陽」
「気をつけろよ!待ってるから!」
陽の言葉を聞くと通話終了ボタンをおす
直輝のベットから抜け出すと
あちらこちらに付けられたキスマークにギョッとしながらも制服に着替えた。よくよく見ると足のつま先にまでキスマークが落とされている。いつ付けたんだ…
驚きながらもネクタイもしっかり締めて、鞄を持って出ようとした時後ろから声が掛かる
「…帰るのか?」
「帰るよ、陽が待ってる」
「…体調悪いんじゃないのか?」
「……気づいてんなら手加減しろよな」
直輝に文句を垂れると手首にくっきりついた擦り傷を撫でて一度睨んでやった
「…はぁ……直輝もゆっくり休みなよ、久しぶりのオフなんでしょ」
「……」
「俺帰るから、お休み」
それだけ残して俺はフラフラする体を動かし直輝の家を出た。
直輝の家から俺の家までは歩いてたったの15分ほどで着くし、いつも夜待ち合わせをして抱かれてる公園からは数分だから大丈夫だろう
そう思って帰ったのが馬鹿だった
一歩一歩進む度に腰の痛みは酷くて、呼吸をしている筈なのにうまく頭に酸素が回らない
いつもの倍の時間を掛けてやっと公園の近くまで来ると家の塀に寄りかかり胸を上下させ必死に息を吸い込む
(きっつ……俺も年なのかな)
ぼんやりとそんなことを考えるくらいには余裕ができて再び歩きだそうとした時に後ろから声をかけられた
「大丈夫?!」
「え?」
「…体調悪そうだけど、大丈夫?」
「………大丈夫です、家すぐなんで」
「そうは見えないなぁ…ちょっとこっち来てよ」
そういうなり眼鏡の男は俺の手を引いて無理矢理公園へと入る
ズンズンと歩いて行くのはいつも直輝に抱かれていた公園の茂みで、もうとっくに21時を過ぎた公園には人の影は愚か住宅街から少し離れているためかなり暗くて怖い
ましてやその茂みはどこからも視覚になっていて、そこに連れ込まれたら危ない気がして腕を振り解こうとするが全く敵わない
(いつもならこんなやつ直ぐに叩きのめすのに…!)
悔しさで意地になり男の手をひっかくと驚き振り向いた男が俺の頬を平手打ちしてきた
いきなりの衝撃に息をするのを忘れる間に茂みに突き飛ばされて俺の上に跨った男が何度も平手で俺の頬を殴りあげる
顔中が痛くて、なんでこんな目に合ってるのか殴られてる間遠くを見ながら考えた
(…俺だけ事故の時皆と居れなかった罰なのかな)
心の中にドロドロと黒いものが湧きだったとき頬を伝い頭にまで響いていた痛みが止んだ
「ふ〜………君、小日向祥くんだよね?」
「…な、んれ…」
「くくっ殴りすぎちゃったかな?呂律回ってないよ?」
「…うるせえ…よ…この根暗…」
悪態をついて睨みあげると眼鏡の男は目の奥に嫌な光を放ち今度は俺のみぞおちに思い切りパンチをおろす
「オエッ…げほっげほっ…はーっ…はーっ」
胃の中のものがせり上がるのを必死に食い止め生理的な涙が溢れてくるのがわかったけど、絶対にこんなやつの前で泣きたくない俺は必死に堪える
「俺さ、祥君のファンなんだよね」
「ゲホッ……はっ…ファン?」
「ここら辺で君のこと知らない人はいないだろ?」
「気持ちわ、るいんだよ…」
「ちっ可愛くないな」
「離せよ…離れろ」
「嫌だね…ねえここ1ヶ月、祥君ここで青姦してたろ?」
「…えっ?!」
「相手は誰?写真もムービーも撮らせて貰ったけど…どこかで見たことある気がして」
「かえっせ!」
「返して欲しいよねえ?」
「………」
「俺の言いたいこと分かるみたいだね?」
「……どうすればそれ消してくれる?」
「とりあえず高嶺の祥くんがお強請りしてるところみたいなぁ」
「はあ?お強請り?」
「俺を誘ってよ」
「な、に言ってんの…?」
「…返して欲しくない?」
「………本当にそれしたら消してくれるんだな?」
「勿論!約束は守るよ!」
「わかった」
男は俺の返事を聞くと、俺の上から退いてこちらを見下ろす。
そして俺は男の要望を通りに強請った。
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