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終わりと始まり

そう話す直輝は何度も何度も謝っては苦しそうに全てを打ち明けてくれた ……俺は……ずっと 自分を責めていると後ろから一つ落ち着くように直輝が息を吐いたのがわかる 「……しょーちゃん、今まで散々酷くして悪かった」 「………直輝?」 「もう明日からは連絡しないから」 「え?」 「……悪いけどしょーちゃんとこのまま関わるのはきつい」 「ど、うして……だよ……俺なら別に」 「………好きだからだよ」 「っ!」 「しょーちゃんは俺の事友達として見てるのはいやってほど分かってるから」 「……俺は」 「………本当悪かった」 「直輝、話聞けよ」 「お人好しだな、しょーちゃんは」 直輝はクスリと笑みを零すと 俺の話を打ち切って湯船から立ち上がる 「のぼせるから出よう」 直輝に抱き抱えられてお風呂を上がると抜けたままの腰では立てないのに気づいてくれて、直輝が体を拭いてくれて服まで着せてくれる そしてリビングに移動すると俺をソファへと座らせてくれた 「……とにかく話は一度しょーちゃんが寝て起きてからにしよう」 「……うん」 「いい子だね、しょーちゃんっ」 ニヤニヤといつもと変わらない余裕そうな笑みを浮かべて俺を馬鹿にしてくる さっきまでのシリアスな雰囲気とは一変した空気に俺もふと笑みが溢れて 悪態をつくと、疲れた体が沈んでいく感覚に身を任せ意識を手放していった 「お休み、しょーちゃん」 離れ行く意識の中で確かに直輝がそう呟いた気がした 髪に触れる暖かな手の温もりに安心して顔が綻ぶ その手が余りにも優しく撫でてくるから気持ちよくて俺は直ぐに眠りについた それから、次の日起きた時には俺は自分の部屋にいつの間にか帰っていて 酷く混乱してる頭を落ち着かせるように携帯を開く なんでだ、直輝の家で確か…… そう思いながら着信履歴の一番上にある直輝の名前を見つけ通話ボタンを押した 「……え」 しかし聞こえてくる音は淡々とした機械の音声で「この電話番号は使われておりません」なんて嘘みたいな言葉だった 嘘だろ……? そう思ってメールを送っても直ぐにエラーメールが帰ってくる アプリを開いて確かめるが直輝のものだけ消えていて 直輝と連絡を取るための手段が全てなくなった事にひどく胸が痛みだす 「………俺の気持ちはまだ何も話してないだろ……」 奥歯を噛み締めて痛む体を動かし玄関を飛び出すとバイクに跨り直輝の家に向かった 直輝の家に着いてピンポンを押しても中からは誰も出てこない 待っていたら来るかもしれないと思ってそのまま玄関の横に腰を下ろして暫くすると直輝のご近所で俺も知り合いのおばちゃんが声をかけてきた 「祥くん?ここでどうしたのよ〜」 「あっ……直輝待ってて」 「直輝くんを?」 「はい……」 「ありゃ……直輝くんはもうこの家戻って来ないって話してたけど聞いてないのかい?」 「えっ? 帰ってこない?!」 「家族で大阪に引っ越すって前から話してたけど……本当に何も聞かされてなかったの?」 「……そんな事……聞いてないです……」 「あらあら、まあまあ〜……兎に角外にいても帰ってこないと思うから、1度家に帰りなさい」 「………はい」 おばちゃんから聞いた言葉にショックを受けて頭がぼんやりとする 後ろから前向いて歩きなさいねなんておばちゃんから心配されて無理に笑顔を作ると歩き出した バイクに跨って家まで帰ると頭が混乱してて上手く考えがまとまらない 大阪? 大阪に行くって……じゃあモデルの仕事は? 俺とは、どうなる? ぐるぐると俺の知らないところで進んでいた話に頭が追いつかない 「……陽はしってたのかな」 弟は知ってたのかと思って昨日から顔を合わせないまま学校に行ってしまった陽に電話をかけた 授業中だから出ないかもしれない…… もうとっくに学校始まってる時間だしな…… 頭の隅でそんなことを考えながら耳に携帯を当てると何コールかめで陽がでた 「……もしもし、どうしたの?」 いきなりの俺からの電話に何かあったのかと不安そうな声色で訪ねてくる陽の声を聞いてしっかりしなきゃと思う 「あ、陽。 今大丈夫?」 「少しなら平気」 「あのさ、直輝が引っ越すこと知ってた?」 「え? 直輝君が引っ越すこと?」 「うん」 「知ってたよ? だから俺この前直輝君の家に挨拶しに行ったよ」 「え?」 陽の答えに思わず動きが停止して 手のひらから携帯を落としてしまう ――俺だけが知らなかった? 床に落ちた携帯をぼんやりと見つめたまま動けない 電話口で陽が心配して声をかけてくれている その声に無理矢理体を動かすと 再び携帯を耳に当てた 「兄貴?!どうした?!」 「……ううん、何もない……学校なのにごめん。 お兄ちゃん今日は家に居るから夕飯作っとくね」 「……う、うん……兄貴……?無理しないでね」 「……大丈夫だよ、ありがとう。 じゃあ学校頑張って」 俺はそう言うと電話を切ってベットに倒れ込んだ 体も心臓も痛い 頭の中がモヤモヤして上手く考えがまとまらない。 ぐるぐると考えているうちに体はまだ疲れているのか少しもしないうちに睡魔が襲ってきた ……寝て起きたら全部夢になってればいいのに そんな子供じみた現実逃避を頭の隅で期待しながらゆっくりと瞼を閉じた

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