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「なっなっなんでキスするんだよ!」 「俺らしくなんだろ?」 「言ったけど……!」 「これからは本当の俺で行くから」 「おう、かかってこい」 「喧嘩でもするつもりなの? 祥ちゃん」 そう言ってクスクスと笑う直輝を見た時心が物凄く安らいだんだ これからは優しい直輝とかじゃなくて 成長したありのままの直輝と向き合いたい。 もう無理させた繕った直輝じゃなくて 意地悪でもド変態でも絶倫でもサド野郎でも 直輝が言うみたいに冷めているって思う考えだとしても それが 天使 直輝 だっていうなら、どんなんでも真っ直ぐに受け入れたい 「……祥ちゃん」 「なに?」 「俺達めちゃくちゃ噂になってるの気づいてる?」 「えっ」 直輝のニヤケ顔を見つめたあとに後ろを振り返ると物凄い数の人達が俺たちの行く末を見守っていた え、どうしよ……俺凄いこと言ったよね……? 直輝はモデルだし人の目があるしどうしよどうしよとぐるぐる目を回していると再び直輝が俺を抱きしめて外行きのお面をつけて口を開いた 「俺の幼馴染の祥ちゃんからのサプライズでした。 で、ここからは俺達2人だけだから御免ね?」 「え?」 いやいやサプライズとか意味わからないしそんなんじゃキスしたのなんて誤魔化せないだろ…!て思ってたのに 「凄かったー!何かの撮影が始まったのかと思ったよ!」 「本当本当!見惚れちゃった…祥ちゃん?可愛いね」 「直輝くんのキス顔ヤバすぎる〜」 なんて直輝の雑すぎる言い訳を鵜呑みにしてくれる直輝ファンの皆 「……信じちゃうんだ」 「俺の顔しか見えてないんだろ」 ボソッと耳元で話す直輝は完璧裏モードだ ………直輝って実は腹黒だよな 14年間ずっとただの優しくて変態で少しボディタッチの激しいやつだと思ってたのにここ1ヶ月で本当に尽くひっくり返された でもそれでも好きなのは変わらないんだから、俺は直輝がどんなやつでも本当に好きなんだ 「……ところで祥ちゃんちょっと俺と来てくれる?」 「え?」 後ろを振り返るとふわっと体が浮かぶ 「なっ……!なんで抱っこ……?おろせバカ!」 「暴れないの。 じゃあ皆、俺はこのお転婆祥ちゃんと少し用事があるから今日は此処までね」 直輝はニコニコと笑顔で話すと踵を返して学校へと戻っていく 「な、直輝……俺歩けるから」 「黙ってろって」 「……はぁ。 どうせ暴れたって離す気ないんだろ?」 「当たり前だ、もう俺からは二度と離してやらない」 「………約束だよ」 「せっかく俺から身を引いたのに追いかけて来たのは祥ちゃんだからな」 「わかってる」 「……泣いたって離さないから覚悟しとけよ天使様」 「はあ?! 天使様?!」 「うん、俺の天使様」 「天使って直輝こそ苗字……いや実際は悪魔だけど」 「ふっ、その悪魔にこれから食べられちゃう天使様はどこまでそんな口聞いてられるか楽しみだね」 「えっ?!」 「着いた」 直輝は一つの空き教室に着くと鍵を取り出し勝手に部屋に入る そして中から鍵をかけると机の上に俺をおろした 「確認するけどさ、祥本当に後悔しないか?」 「……なんの後悔だよ今更」 「今日言ったことだよ」 「しないよ」 「俺の事嫌いになるかも」 「ならない」 「なんで言い切れる?」 「直輝がどんなんでも俺は嫌いになる事はない」 「それは勘?」 「なんか文句あるのか」 「ねーよ」 「よしよし、なら精一杯俺が惚れるように頑張ってね」 そう言ってニコニコ俺は笑いながら直輝の頭を撫でていた すると机の上に座らされてぶらぶらと足を揺らしてた俺の肩をがしっと掴んで直輝が顔を近づけてくる 「ところでさっきから思ってたんだけど」 「なに?」 「シャツが張り付いて乳首も俺が付けたキスマークも全部見えてるけどそれも無自覚?」 「えっ?!」 直輝に言われてガバッと下を見れば汗で張り付いたワイシャツが俺の体にぴったり張り付いて乳首の形も色も透けている それに気づくと顔が赤くなるのが自分でもわかった 「〜〜〜っ! みっ見るなぁ!」 「無理無理あざといなぁ、祥ちゃんは」 「えっちょ、やめてっ」 「乳首勃ってるんじゃない?」 「勃って…ない…んぅっ」 「本当に?コリコリしてるけど」 「それは直輝が触るからっ」 「でも俺は勃っちゃった」 「?!」 「だから可愛く泣いてもらっていい?」 「むっ無理!学校だし、絶対無理!」 今すぐにでも食いかかってきそうな直輝の体を押し返そうとするけど 腕を簡単に一つに纏められて気づいた時には机の上に押し倒されていた 「…えっ…嘘…」 「嘘じゃないよ」 「待って待って…ここ学校だよ?」 「だから?」 「人が来たらどうするの…っ」 「見せつけてやればいい」 「なっ!」 そうだ、こいつ電車の中でも人前で俺の事堂々と痴漢したんだ まずいこのままじゃ本当にヤられてしまう 「俺のになって祥ちゃん」 「〜〜っ」 「顔真っ赤、やらしぃ〜」 余りにも色っぽく直輝がそんなことを言うから言い返すこともできなかった 悔しくてただ睨み返していたら俺を見下ろす直輝は余裕な笑みを浮かべると有無をいわさずにキスをしてきた

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