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06
「祥……起きて」
「んっ」
「………起きないとまたセックスするぞ」
「……ん?!」
耳元で物凄いことを囁かれ心地いい何かの温もりから頭を離した
「なんだ、寝ててよかったのに」
「え、なんで…あっそうだ俺…」
「起きた?」
起きたばかりの頭を働かせて記憶を引っ張り出すとドンドン顔が赤くなるのがわかる
(俺さっき…!)
「顔真っ赤」
「うるさい…」
「エッチの時は素直で可愛いのに」
「〜〜〜っ!」
一番言われたくないことを直輝に言われてしまい顔が赤くなる
気持ちよくてぼんやりしちゃった俺は素直になんでも答えてた事を思い出して頭が痛くなった
ましてや最後自分から直輝のフェラしたような…?
そう思っていると俺の心が読めるのかニタニタと笑いながら直輝が口を開く
「祥に蕩けた顔でフェラしてもらったの最高だったな〜」
「とっ蕩けてなんかいないし…フェラなんてしてない!」
「素直じゃないな〜もう一回気持ちくしてやろうか?そしたらその口も少しは素直になるかも」
「うるさい変態野郎」
俺の反応をみて楽しんでる直輝のお腹に肘を突き刺した。
「暴力反対」
「直輝が減らず口だから」
「照れ屋さんだね〜」
「……っるさい……それより」
「ん?」
俺はドキドキ煩い心臓を落ち着かせるとここに来た目的である話をした
「……引っ越すって本当に?」
「ああ、なんだその話か」
「なんだって…俺はそのせいで昨日一日ずっと」
「ずっと…なに?」
「ずっと悩んでたのに…直輝が黙って遠くに行くって思って…なのにお前なんでそんな普通なんだよ…」
「祥…?」
直輝のあまりにもどうとも思ってないような話し方にチクチクと心が傷んだ
(俺は離れるのがこんなに嫌なのに直輝はなんでこんなに普通なんだよ…)
「…直輝は俺と離れるの平気なの?」
「え?」
「………俺の事好きなくせに」
「えっ、祥?!」
「俺は直輝が大阪に行っちゃうの寂しくて堪んないのになんで直輝はそんな普通なんだよ…!」
「………は?大阪?俺が?」
「今更とぼけんなバカ!」
「痛いってば祥!叩くな!」
「うー…行くなよ…」
「え?」
「………いつ大阪いくの…」
「…あ、いや祥俺の話を聞いて?」
「…なに」
「俺は大阪に行かない」
「え?!」
「大阪に戻るのは両親だけで、姉貴と俺はこっちに残って一人暮らしだから」
「はぁ?!えっ…じゃあ…え?!」
「…だから俺は大阪には行かないよ」
「うそ…」
「本当に……これで納得したか?天使様」
「煩い!……うわ…え、まじかぁ…そっかぁ…ふふっ、なんだそうなんだ…直輝は行かないんだね」
「………」
「よかった…もう本当に会えないと思ったから…」
俺は直輝が行かないと知って心底ほっとすると顔がにやけてしまう
(なんだ…直輝は行かないんだ…まだ一緒にいれるんだ…)
そう考えると緊張が解けたのか再び体から力が抜けて直輝の胸によりかかる
くったり直輝に寄りかかると直輝が俺の体を痛いほど抱きしめた
「んっ…直輝くるし」
「………俺が居なくなるの悲しい?」
「当たり前だろ…」
「俺がいなくならないって聞いて安心した?」
「…うん」
「そっか」
「………なに、いきなり」
「いや、別に」
「………あっそ」
「ただハッキリした」
「え?」
「…俺絶対、祥の事惚れさせるから」
「っ」
「祥のその素直じゃない口で俺の事異性として好きだって言わせるから覚悟しろよ」
「…バーカ、俺はそんな簡単に落ないからな」
「ふっそんな余裕持ってられるのも今だけだよ」
「なんでそんな自信満々なんだよ…」
「…………俺がそれだけお前のことが好きでたまらないからだよ」
耳元で直輝が囁くと、その告白に動きを停止した俺の顎を掴み後ろに振り向かせてキスをした
「だから祥も俺の事を好きになる」
「〜〜〜〜っ」
唇を離され俺の目に映ったのは意地悪な笑顔で優しい目をして見つめてそんな事を余裕そうに宣言する直輝だった
「ムカつく!絶対そんな簡単にいかないからな!」
「でも今ドキドキしただろ?」
「っ?!してない!」
「嘘つき、顔真っ赤」
「見るな変態」
「祥大好きだよ」
「〜〜〜っ」
「ふっちょろいな」
「レイプ魔のくせに!」
14年間幼馴染みだった俺達は、
「幼馴染み」の関係が終わって
名前のつけられない新しい関係が始まった
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