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05
急な刺激に目の奥がチカチカとする
思わずいきそうになったけど必死に手を噛んで何とか耐えた
ナレーションが何やら穏やかな声で星の説明をしてくれている
映し出される映像が変わった
しかしそんなことよりも未だにシャツの上から乳首を触り続ける直輝に翻弄されて話が耳に入ってこない
「っん…な、おき…やだ…っ」
「祥静かにしないとまた見られちゃうよ?」
直輝が意地悪くそう囁いたときアナルがキュンっと締まるのがわかった
あ…ダメだ……このままじゃイっちゃう…
腰のあたりがじわじわと痺れ出して
カリカリと乳首を引っかかられる度に腰が浮く
嫌なのに胸を突き出してしまってまるで自分から直輝の手に擦りつけているようで恥ずかしく堪らない
イキそうになると直輝の指が一度離れてドクドクと全身に熱くかけめぐる血が頭に集まってボーッと頭を痺れさせると再び直輝が乳首を捏ねあげる
お陰でもうここが外で人がいる事も考えられないくらい意識が朦朧とする
「やぁ…なお、もっやだぁ…」
「……っ」
直輝の手を引き離したいのに力が入らないままで手に重ねるだけになってしまった
でも苦しくてたまらなくて直輝に嫌だと必死に懇願すると直輝が立ち上がり手を引かれた
足腰に力がうまく入らなくてただ直輝に引っ張られるまま歩いていく
ネオン街の方に歩いていくと飲み屋を抜けて何処かへと歩いていった
「……っ…ん…なおっ、どこ行くの…」
「…祥が素直になれるところ」
何を言ってるのかわからないけど今はもう体の熱が辛くて言い返す気にもなれなかった
外の夏の風が体を包み込む
お陰で少しだけ体の熱が冷めていく
だけどまだ腰のあたりがじんじんしていてもどかしい
俺の手を引いて歩いていた直輝が立ち止まり何だか煌びやかな佇まいのエントランスを抜けた
「……えっ…ここって…」
「そうラブホ」
パチクリと目を瞬かせて驚いていると直輝は手馴れた手つきで部屋を取ると引きずられるようにして部屋の中に入った
「なっ!直輝!」
「なに?」
「で、出ようよ!」
「……先にシャワー浴びる?後にする?」
「そんなことよりっ誰かに見られたら…」
「祥静かにして?」
直輝はそういうとキスをしてきた
ギリギリの理性で耐えていたのに弱いキスをされたらまともな事が考えられない
「……んっ…あ、…」
「ふっ残念そうな顔してる」
「し、してない…」
荒々しく掻き回された寸手に直輝が離れてしまって思わず切ない声が出た
そのことを直輝にスッパリ言い当てられてしまって恥ずかしい
「…祥先にシャワー浴びておいで」
「……」
「俺と一緒に入るか?」
「いっ、いい!」
「なら行っておいで」
「………直輝が先入って…」
「なんで?」
「い、いいから…入らないなら帰る…」
俺が意固地にそう言うと直輝は不思議そうな顔をして先にシャワーを浴びにいく
だって先にシャワー浴びて直輝を待ってる間にどうしたらいいとかわからないし
今まではいきなりいつでも襲ってきたけど
今日みたいなデートした後にエッチするとか無かったからいつもよりも意識して恥ずかしいんだ
だけどこんな事言えるわけないし
あーもー!何でこんなに緊張してんだよバカ!
布団にうつ伏せになってパタパタと足を動かして悶々と色々考えていたら直輝に笑われた
「なにしてんの?」
「………別に」
「待ってるから行っておいで」
「……」
バスローブ姿の直輝を直視出来なくて目を逸らし横を通ってお風呂に入った
シャワーの蛇口を捻って熱いシャワーを頭から浴びる
ドキドキとうるさい鼓動を無視して念入りに体を洗った
一応ちゃんと自分でも嫌だけどアナルも洗浄する
毎回自分で突っ込むのは何だか慣れないし本当情けない気持になるけど…
その後もう一度体を洗うとお風呂から上がって用意されていたバスローブに袖を通す
なし崩しに今までは襲われてエッチしてたけど、今日はお互いデートをしてその後に同意の上でするみたいな感じだし普通にどうしたらいいんだろ…
世の中のカップルは毎回こんな恥ずかしくて照れるような空気を味わってるのか…
そう思うと世間の恋人達が物凄くハードルが高く思えた
自分からこれも脱ぐのかな?
いやでも恥ずかしいし…
直輝の事だからまた意地悪ばっかしてくるよな…
ドキドキと緊張が高まってまるで初めて直輝とするみたいな気持になる
一度深呼吸をして部屋に戻ると直輝がベットの上に横になっていたから俺もベットに乗り上がって顔をのぞきこんだ
直輝はまぶたを閉じてぐっすりと眠っている
手にはスマホを握っていて携帯を触りながら寝てしまったらしい
スヤスヤと眠る直輝を見てガクッと肩の力が抜けた
はぁ……なんだよ、寝てるのかよ…
緊張してたせいもあるし…それに…少し期待をしてなくもなかったから!
なんて自分に言い訳をするけど何だか少しだけ残念な気持になる
このままじゃ暇だし、寝ている直輝の真っ白なほっぺたをツンツンとつついてみた
いつもよりも幼く見える直輝の寝顔が可愛い
スマホを握り締めている右手の横に俺の手を置いてみたら俺よりも大きくて胸がギュッとなる
バスローブから除く鎖骨も鍛えられている筋肉も綺麗に無駄がない均等な体でどこを見ても完璧な直輝に比べて自分を見て何だかいたたまれなくなった
直輝も女の子に好かれそうなスマートな体型なのに俺と違って男らしい
俺だって空手もバスケもやってきたのにあんまり筋肉がつかなかった
筋トレをしても全くつかなくて本当に貧相だ
悔しくなって直輝のはだけてる肩に噛み付く
「んっ」と声が上がったのを聞いて痛いのかなって思った俺は噛んだところをペロペロと舐めてみた
そしたらまた「んー」なんて直輝が言うから胸がキュンっと高鳴る
いつもいつも俺ばっか泣かされてるから直輝のこんな隙のある姿を見るのは初めてだった
俺と違ってストレートの短くも長くもない爽やかな印象を与える長さの白髪に指を通す
髪の毛が細くて俺の好きな髪質だ
サラサラと撫でると直輝の匂いがして同じシャンプーでいま洗ったばかりなのになんで直輝の匂いは消えないんだろうって不思議に思ってスンスンと匂いを嗅いでいたらじわじわと胸が熱くなってきた
もっと直輝に触りたい…
いつも直輝のことを跳ね除けてばっかりで俺から直輝に好きって伝えたり甘えたりすることなかったな…
そう思う前に直輝に押し倒されるか抱きしめられるか犯されるか…………
ほとんど直輝に攻められてそれどころじゃなかったのに気づく
でも陽にも昔もうちょっと直輝君に優しくしてあげないの?って言われたことを思い出した
……いつからだろ
直輝に対して素直になれなくなったの。
他の人に頭を撫でられるのも好きって伝えるのも特に何も思わず普通に受け入れてたし伝えてきた
なのに直輝になると頭を撫でられりたり話しかけられたりすると突っぱねてばかりだった
それでも今があるのは俺のそんな酷い態度にも直輝がめげないで傍に居てくれたから…
これから一緒に居る時間増えてこのこしょばゆい時間にも慣れたら直輝に好きって気持ちが溢れたときに天邪鬼にならないで伝えられるかな
ちゃんと本当は俺も直輝がくれた以上にお返しをしたい
寝てる今なら言えるかな…
そう思った俺はドキドキとした心を落ち着かせると横向きで寝ている直輝の背中側に座っておでこを直輝の肩に埋める
「…………好き」
小さくてかき消されるくらいこ細い声で言葉にした
……………直輝が好き
「……あのね、さっきお店の前で言いそびれちゃったんだけどね」
寝ている今なら素直に言える気がするから
「……直輝に好きになってもらえて俺すごく幸せだよ」
顔を見て言えるまでは起きてない直輝に伝えるので精一杯だけど
「……それでね…あの、ね…俺も」
いつかちゃんと直輝の綺麗な目を見ていいたいな
「………俺も直輝が大好き」
……言ってしまった………
聞こえてないことなんてわかってるけど顔が熱くなる
うー…慣れない事するのって本当に胸がいっぱいになる…
熱いし緊張したし水飲もう。
そう思い直輝の肩から頭をあげて
反対を向いてベットを降りようとした時腕を引かれて後ろにひっくり返った
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