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りんご飴と花火と君と
今日は土曜日、
直輝と地元の花火大会に行くはずだったんだけど…
「ちょっ…!直輝…!」
「んー」
「やめ…っ…もっ…なんっ……ぁあっ」
「ちょっとだけ、まだ時間あるだろ?」
「せっかく着たのにっ」
二回目のデートだし夏休み初めての二人で出かける日だし朝からワクワクしてたら、それに気づいた直輝が早めに出ようって言ってくれた
まだお昼の三時だけど花火大会はでかくて
お祭りの出店とかも沢山あるから
夕方には出ようってなって折角浴衣に着替えた途端これだ
「浴衣ってエロいよね」
なんてエロ魔人はニヤニヤしながら言って押し倒してきて今に至る
ほんとに……頭の中エロしか詰まってないんだ……
「ンッ」
「祥腰細すぎ」
「うる、さ…い……アアッ」
「いやいや言っててもココは勃ってるね」
「んぅっ……や、め…っ」
「嘘だ〜ほんとにやめていいの?」
「…………っ…も…焦らすなよ…」
「…じゃあ言って?」
「…………したい」
「何を?」
「…直輝と…エッチしたい…っ」
「ふふっ可愛いよ祥」
色っぽく直輝が笑いながら俺の前髪を耳にかけてくれる
そのまま首筋に顔を埋めてちゅっと音を立てて吸い上げた
ピリッとした痛みが走る
「直輝…そこ、見えるっ」
「うん」
「うんって……バイトでいつもいつもからかわれるんだからな!」
「へ〜尚更いいじゃん?俺が彼氏って自慢しなよ」
「馬鹿!…んっ…も…ほんとに直輝って…」
簡単に言う直輝にむかっとするけど
でも正直それよりもそれが救われたりする
「俺は祥が恋人なの自慢したいけどな」
「ダメだよ」
「はいはい、祥がいいっていうまでは我慢するよ」
「そうしてください」
「手厳しいな祥は」
「直輝が緩すぎんの」
「……祥好きだよ」
「ばーか」
「ふふっ」
直輝が優しく笑ってオデコにキスをしてくれる
ほんとにいつか…いつか俺も胸張って言えたらいいな…
そんな事を思いながら直輝の背中に手を回してギュッと抱きついた
「祥いれるよ?」
「うん、いれて…っ」
優しく直輝が頬を撫でてくれる
恥部に熱いものが触れてゆっくり入ってきた
ジワジワと熱が広がって体が甘く痺れる
抱き合った肌から直輝の少し速い鼓動が聞こえてきて思う
でもこうやって二人だけが知ってるのも何だか悪くない
手の届く場所に直輝の笑顔と少し熱い体温に触れられる今は物凄く幸せだった
◇◇◇◇◇
「祥ちゃん、そろそろ行く?」
「腰…痛すぎ…」
「ごめんごめん〜浴衣ってなんか燃えるからさ」
「…………」
「祥エロいのにもっとエロく見えるし」
「……………」
「怒んなって」
「……りんご飴」
「ん?」
「…りんご飴買ってくれたら許す」
「ふふっもういくらでも買ってやる!」
「一つで十分だよアホ」
直輝が勢いよく抱きついてきて腰が少しだけ痛んだ
でも嬉しそうにニコニコ笑ってる直輝が可愛くてサラサラな白髪を撫でてると直輝がキスしてくる
「んっ……ふ……んぅ」
「………っ…、…はぁ…祥好き」
「……直輝今日なんか甘えん坊じゃない?」
「…俺もそれくらい今日楽しみにしてたんだよ」
「え?」
「楽しみにしてたのは祥だけじゃなくて俺もってこと、だから今日はうんと祥といちゃいちゃするって決めてんだから覚悟しろよ」
「……あははっ!可愛い直輝」
「うるせーな」
くしゃくしゃと直輝の頭を撫でてギュッと包み込むと直輝が俺の胸の中でムッとした
「可愛いのは祥だろ?」
「ふふっ」
「笑ってんな」
「いやなんかたまには可愛い直輝もいいなって」
「……笑うほど元気あんならもう一回するか?しょーちゃんっ」
「馬鹿もう無理っ!腰痛いってば」
「ならあんまり煽る事言うんじゃねーよ、ほら用意するぞ」
「うん」
起き上がり浴衣をもう一度着直す
美容学校で習ってたお陰でパパっときおわり今度は直輝に着付けた
着せてやって直輝がどう?なんて聞いてくる
ムカつくけど似合ってる
黒地のみのシンプルな大人っぽい浴衣なのに直輝が着ると地味になるどころかいかされてた
「……似合ってる」
ボソッて答えたら嬉しそうに直輝が笑う
サラサラと白髪が揺れて綺麗だった
「祥も白っぽい灰色の浴衣なのに良く似合ってる、流石俺の天使だな」
「その天使ってやめろよな」
父さんが昔に何やら嬉しそうにして俺と陽の浴衣を買ってきてくれた
陽は紺色の濃い落ち着いた浴衣で、俺には白っぽい灰色の浴衣
ニコニコしながら「三人でお祭りでも行こうね」なんて酔いながら言ってた事を思い出してクスリと笑みが溢れる
「…うーん」
「直輝?」
「やっぱりムラムラするから脱がせようかな…」
「………直輝ってほんと……もう先行くからな」
「ごめんってしょーちゃん、可愛い似合ってるよ」
「可愛いって嬉しくない」
「かっこいいよ」
「直輝に言われてもムカつく」
「じゃあちゅーしてあげる」
「〜〜〜っ!ばか!」
先に歩き出す俺の手をとり直輝が口に軽くキスをしてきた
かぁっと顔が熱くなる
「あははっ祥りんご飴みたいに顔真っ赤だぞ」
「…やっぱりあんず飴も追加」
「ふっなんでもいいよ、ほら行こう」
相変わらず喧嘩しながらも笑いあって夏の匂いを運ぶ優しい風にさわさわと撫でられながら直輝とお祭りへと向かった
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