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素直じゃない

「んっ…直輝…、これ取って……」 「素直になれたらな」 「もう言わないからッ」 「俺よりも玩具のが好きなんだろ?ならそこで一人で楽しみなよ」 「〜〜〜ッ!う、嘘だよ…ッそんなこと思ってないよ…」 「さ〜どうだか」 ソファから立ち上がりグズグズと泣き出しそうな祥の元にいく 「ふーん、その割には楽しんでんじゃん?何回イったんだよ?」 「んぁっ!ふま…っないで…!」 「祥の体ほんとにエッチだね、これなら俺なんかより玩具のが確かにいいかもな?」 「うぅっ…も…ごめんなさいッ……」 「いいよって言ってあげたいけど祥楽しそうだし、もうちょっとそこにいなよ」 ヘラっと笑って祥を見下ろすと たれ目に涙がみるみるうちに溜まってきた リビングと廊下を繋ぐドアの手すりに万歳の状態で手首をネクタイで縛られて拘束されている祥を見る 自分のアナルにささったバイブに何回もイカされたのかフローリングはベチョベチョだ 俺に制服全部脱がされたおかげで裸の祥は小さく丸まって外してと懇願していた ぶっちゃけ1ミリも怒ってないけど 祥をもっと泣かせたい加虐心が煽られて仕方ない 今日1日朝からずっと機嫌が悪かったのは知ってる 学校から帰ってきて珍しくバイトもない祥と俺も久しぶりにオフで長く居れると思ったのに祥は一向に機嫌が悪いままだった 「祥どうした?生理?」 「は?!俺は男だ!」 「…………」 そんなのは知ってるしわざと言っただけなのに今日は珍しく祥がスルーすることなく噛み付いてきた 大体いつもならため息こぼして俺の存在無視しようとするのに今日はかなり機嫌が悪いらしい 「ならどうしたんだよ、ほっぺた膨らませて」 「…………」 むっとふくれている真っ白の頬をプニプニとつつくともっと眉間にシワがよった それが可愛くて怒ってるのはわかってたがツンツンとしていたら祥に思い切り指を噛まれた 「痛ッ」 「うざい」 「………なーんでそんなご機嫌斜めなんだよ?」 「……別に」 「別にって顔してねーよ、俺に何か言いたいことあんだろ?」 「…………」 夏休みが終わって学校が始まってからうんと芸能の仕事が増えた モデルとして入った事務所もタレントとして変わり始めて、モデルをしながらメディアに出る仕事が多くなる そのおかげで最近まともに祥と顔を合わせることがなくて会ってもあんまり話す時間もなかった だから今日は尚更一緒にいれるこの時間が大切だったのに祥は俺に何か不満が溜まってるらしく目も合わそうとしない 「祥外でも散歩しに行くか?」 「行かない」 「じゃあなんか美味いもんでも食べに行く?」 「お腹すいてない」 「ならDVDでも見る?この前見たいって言ってたやつ借りてくるから」 「今は見たくない」 「………じゃあエッチする?」 「召されろ絶倫バカ!」 「…………」 何を聞いてもNOばっかりの祥に俺もお手上げになる こんなに拗ねた祥を見るのは付き合ってからもだけど幼馴染みとしても初めてだ 「んーなあ祥こっち向けよ」 「…………」 「祥、こっち来て寂しい」 「………ッ」 人一人分空けてソファに座っている祥にそう言うとクッションを抱きしめて祥が少しだけ悩み出した 本人はバレてないと思ってるだろうけどシルバーのピアスがついてる耳は真っ赤に染まっている 耳が赤くなると直ぐにうなじまで赤く染まって顔を見なくても何考えてるかわかった 「祥こっちおいで」 「………」 「ぎゅーしたくない?」 「〜〜〜〜ッ」 あ、後もうちょっとだな そう思ったとき祥が俺をチラッと見てきた だけど直ぐに目が合うとそらされてまたそっぽを向く 天使様今日はなかなか手ごわいな はぁとため息をこぼして無理矢理祥の肩を引っ張り腕の中に閉じ込めるとすぐ様祥がクッションで顔を隠した 多分これ放置したら放置したで怒るだろうし 構ったら構ったで今は意地張ってて素直になれないしで祥って本当に馬鹿だな〜 必死に顔だけは隠す天邪鬼な祥が可愛くてたまらない 後ろから抱きしめたままクッションを持っている手を掴んで、手の甲にキスをする バッと驚いた祥が俺を見上げた隙に口にキスをするとボンッと音がしそうなほど祥の顔が赤くなった 「ふはっ、かーわいっ」 「〜〜〜〜っ!」 「ねえ祥機嫌直してよ」 「………やだ今日は俺怒ってるんだからな」 「あははっ見たらわかるよ」 「………」 わざわざ口で言わなくてわかるのに言ってくる所も可愛い 怒ってるやつを相手するなんて御免だけど 祥となれば拗ねてようが怒ってようが好きで堪らない 「それで天使様はなんで怒ってんのか教えてはくれないの?」 「………」 「言わないならいいよ、でもキスさせてね」 「えっ?!だ、だから俺怒ってるんだってば!」 ジタバタと暴れる祥を押し倒して上に乗ると手首をソファにはりつけてキスをした バタバタと騒いでいたけど少しすると直ぐに舌を絡めてくる 「っん……っあ!…だめっ!今日はしたくない!」 「なんで?怒ってるから?」 「そ、そうだよ!だから今日はしない…」 「俺はしたいんだけどダメ?」 「〜〜〜っ…そんな顔しても…ダメ…」 「祥とエッチしたいー」 「わっ!こら!ダメだってば!」 ぷいっと横を見る祥の上にバフっと倒れ込むと首筋に顔をうずめた ペロッと舐めると祥の匂いと味がして一層ムラっとする エッチだって最近まともに出来てないせいで祥不足もいいとこだ 「……無理だわ、祥脱いで」 「なっ?!」 「ここ最近まともに祥に触れてなくて俺死にそう」 「ーーっ」 「祥は平気なの?」 「お…れはっ」 「……しょーちゃん」 「〜〜〜〜っ」 「しょーちゃん好き」 「〜〜っ!お、俺は!俺は玩具のが好きだ!!」 「………………は?」 「あっ……………」 顔を真っ赤にして叫んだ祥がしまったと言うような顔をした 「………は?玩具?」 「……っ」 「前迄俺じゃなきゃ嫌って言わなかった?」 「〜〜っ…い、今は直輝よりも玩具のがいい…!」 「…………ふーん」 「…………」 手首を離して祥の上から退くと 起き上がった祥が不安げに伺ってくる 急なその言葉に驚きはしたが 意地っ張りの祥のことだから本心じゃないのはわかる でも不安そうに見てくる祥をみていたら少しだけ意地悪してやりたくなった

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