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「祥顔真っ赤な」 「直輝っ」 「よしよし」 勢い良く首に抱きついてくる祥を抱きしめ返す 祥は本当は凄く寂しがり屋だ 小さい時の幼稚園で一人迎えに来るのを待っていた祥を思い出した ルームに一人で体育座りをしてションボリと待っている祥 だけど誰かが通ったり 誰かに声をかけられると必ず祥は笑顔だった それでまた一人になると悲しそうな顔 誰かの前じゃ弱い顔を笑顔で隠す男の子 だからきっと俺は祥が放っておけなかったんだと思う 同じ年なのに全然強くて だけど本当は寂しがり屋な男の子 人に弱味を全く見せないで いつだって真っ直ぐで凛としてて 大事な事をわかっている だからだったのか、 綺麗過ぎて昔は隣に居るのが苦痛だった 純粋な祥の横に、下心を持った俺が並ぶのが 祥の気持ちを踏みにじっているようで嫌だったんだ だけど離れられなかった 自分が苦しいから祥の横から消えた後 きっと祥が本当は寂しがり屋だってこと わかっている人が居ないんじゃないかって もし俺以外に気づいてるやつがいたなら 俺はきっと今祥の横には居なかったと思う そう考えるとこんなにも近くで祥を抱きしめることが出来る今が奇跡の様だ 祥はいつだって強い だけど強い人だって弱い顔はある だから祥が俺と居る時だけは甘えられる場所だったらいいのになぁなんておこがましいけどずっと思ってた 祥を悲しませないくらい俺も強い男でいたいって思ってたんだ 「……直輝?」 「ん?」 「どうしたの…?」 「ふふっなんもないよ、幼稚園の頃の祥を思い返してた」 「幼稚園の頃…?」 「……小さい時から祥は祥だなって」 「なんだよそれ」 「天邪鬼だってことだよ!」 「わっ」 ポカーンとしてる祥を押し倒してベットの上に寝転がる 「祥好きだよ〜」 「ふふっもう沢山聞いたよバカ」 「でもまだ言いたんない」 腕の中でクスクスと祥が笑う そのたんびふわふわな黒い髪が揺れてくすぐったい 祥に好きって言われる事は確かに幸せで好きだけど でも何でなんだろうか 祥へ好きって言う方が好きだなんて思った 天邪鬼で素直じゃないこいつに 馬鹿みたいに好きだって死ぬほど言ってやりたいって そしたら少しは祥に伝わるかなって 「どうしようかな」 「なにが?」 「なあ祥、毎日寝る前に100回好きって言ってから寝る?」 「なんだよそれ、気持ち悪い」 「やってみる?」 「勿体無いからやだ」 「勿体無い?」 「うん、勿体無い」 「………」 「そんなに好きって言われたら勿体無いからやだ」 にぃっと笑って祥がそういう 祥はいつも好きって言うとたまにこうして 好きって言葉が勿体無いって言う 理由はまあ何となくわかるし 俺もそう思う事もある時はある だけど祥に関しては違った どれだけ好きって繰り返しても 何度好きって伝えても きっと同じ色の好きはない 一つ一つが色も形も気持ちも想いも 何もかもが違うんだ 「祥に言う言葉で勿体無い言葉なんてない」 「あははっ直輝って本当に俺の事好きだね」 「…ああ、大好きだ…本当に好き」 「ちょっ今のは冗談なんだからツッコミ入れろよ」 「冗談なんかじゃねーよ、祥が一番好きだ本当に…本当に祥が大好き」 「んっ…直輝、もう恥ずかしいってば」 「………祥俺もっと幸せに出来るくらい頑張るから」 「へ?」 「……祥が一人で悲しまなくていいように俺もっと強くなるから」 「…直輝」 「もっともっとうざったいくらい甘やかして幸せにするから、俺から離れんなよ」 「……バーカ、違うだろ?」 「違う?」 「俺だけが幸せにされてどうすんだよバカ直輝!……直輝と俺で幸せになんの…っ」 「………」 「わ、わかったらこれからは二人で幸せになるって言えよな!」 真っ赤な顔した祥が視線をそらしながらそう呟く 恥ずかしいくせに必死に伝えてくれる祥に心が暖かくなってギュッと締め付けられた ――本当、好きだ こんなにも人を愛しいと思う事があるんだろうか こんなにも人を好きになったらもうきっと俺は祥以外の誰かとなんて生きていけないと思った 「なら俺の嫁になれよ?」 「はぁ?!なんで俺が女なんだよ!」 「だって祥女役じゃん?」 「なっ!それは直輝が…!」 「ふーん、じゃあ俺に突っ込む?」 「…………」 「祥が男側やる?」 「………いい」 「なんで?」 「〜〜〜っ……も、もう…直輝に抱かれるの好きになっちゃったから……無理っ」 「ふはっ俺に抱かれるの好きなんだ?」 「う、うるさい!」 「ごめんごめん殴るなって」 「もう…直輝意地悪だよ」 「意地悪なのはどっちだよ」 「へ?」 「俺もうさ、きっと祥以外の誰かなんて好きになれないと思う。祥以外の誰かと生きたいなんて思えないしなそのつもりも毛頭ない」 「………」 「だから俺が他のやつとだなんて思うんじゃねーよ泣き虫しょーちゃん」 「………うん」 「…俺は、祥しか好きじゃねえから」 「…うん」 「それに祥にしかこんなに馬鹿みたいに好きだって言いたくなんかならねーよ」 「…っ…うん……俺も…俺も好き…」 「………だから一生俺の横居ろよ」 「っ…!うん…っ…ごめ…」 「ほーんとに祥泣き虫だな〜」 「ちがっ…!直輝が…俺を泣き虫にしてるんだ」 「ふーん?だったらもう俺の前でしか泣くなよ」 「…うん」 「俺の前では我慢なんかすんじゃねーぞ、したら今度は縛って玄関に放置するからな」 「……………」 「わかったか?」 「………はい」 「分かればよろしい」 泣いたり笑ったり怒ったり喜んだり ころころと沢山の表情を見せてくれる祥が愛しい 天邪鬼で素直じゃない馬鹿だけど それなら俺が祥の代わりに伝えるから 祥が口に出来ないなら 俺が二人分愛すから。 どうかずっとこの愛しい人が笑って居られますように 腕の中でふわふわと笑っている大切な人を抱きしめてそんなことを思った夜だった

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