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昔何かで知ったこの言葉の意味
夏目漱石が「I LOVE YOU」を「月が綺麗ですね」に例えだとかなんとか
それの返事が「死んでもいいわ」なら両想いだとかなんとか……
そんな使う事なんて一生来ないと思っていた言葉で伝える日が来るなんて考えても見なかった
馬鹿みたいに恥ずかしくて何かいざ使うと俺みたいなやつじゃ間抜けにしか聞こえないけど、でも直輝が嬉しそうに笑うから俺まで嬉しくて笑顔になる
クスクスと見つめあい笑いながら俺達はどちらからともなくキスをしていた
直輝の瞳に吸い寄せられるみたいに意識しないで自然と唇を重ねていた
「祥可愛い、大好き」
「ばーか」
「なんかさ、夏目漱石にとって月が綺麗ですねが愛を言い換えた言葉だったら祥の馬鹿はそれと同じみたいだな」
「なっ?!や、やめろよ…馬鹿って言えなくなるじゃん…」
「あははっなんで?意識しちゃうから?」
「………うん」
「あー可愛いなほんと…照れ屋な所も天邪鬼な所もたまに馬鹿みたいに素直な所も全部全部可愛くてどうしたらいいのかわかんない」
「……何それ…そんなこと思ってるの直輝くらいだよ」
「俺もう祥の事好きすぎて監禁しちゃうかも」
「いやそれは嫌だ……」
「ふっなら監禁されないように気をつけろよ」
「………が、頑張る…」
意地悪な笑顔で問いかける直輝に頷く
直輝なら本当に監禁しかねない…なんて思ってしまった
でも一番ギョッとしたのは俺も少しだけずっと一緒にいれるなら悪くないかもなんて思ったことだ
俺も言わないだけで直輝に負けないくらい直輝の事好きなんだよ…
そんなこと直輝は1ミリも思ってもないだろうけど
「……直輝」
「ん?」
海を見ていた直輝がこっちを向く
ドキドキと痛いほどに鳴り響く心臓の音を聞きながらギュッと服の裾を引っ張り寄せて直輝の唇にキスをした
触れるか触れないかのささやかなキス
それでもキスした途端に顔が熱くなって思わず直輝から視線をそらす
だけど直ぐに直輝の腕に抱き寄せられた俺は熱を含んだ瞳に見つめられた後直輝に口を塞がれた
「ンッ……ふぁっ……んぅ……ん……ぁ」
「祥そういうの可愛すぎるから外ですんな」
「な…んで…」
「……俺が我慢出来なくなる」
「…………」
唇が離れた後直ぐに直輝が余裕が無さそうにそう言ってくる
…………我慢なんてしなくていいのに
「……いいよ」
「え?」
「……ここで…していいよ………エッチ…したい」
「祥…?」
「俺だって…直輝といつでもくっついてたいよ……人前でキスしてるカップル見るとたまに…いいなって……」
「………」
「……お祭りの時俺が無理したって思ってるんでしょ?」
「…無理してただろ」
「さ、最初は…っ…確かに人来たらどうしよとか思ったけど…でも直輝とキスできるのもエッチできるのも嬉しいから」
「…………」
「おっ俺だって直輝の事死ぬほど好きだから!……っ…だから…エッチしたい…っ」
ギュッと目をつぶって思っていたことを言いきった
緊張で心臓が止まってしまうんじゃないかってくらい体が震えてる
恐る恐る目を開けると直輝が嬉しそうな驚いたような表情で俺を見ていて胸がキュンっと締め付けられた
「祥〜〜〜!」
「うわっ…な、なに…」
「好きだよ本当に好きだ!可愛すぎで食べたいくらい」
「……バカ」
思い切り抱きついてきた直輝がそんなことを言う
屈託なく嬉しそうに笑いかけてくる直輝の顔を見ていたら幸せだと思った
「祥青姦ハマっちゃった?」
「っ?!なんでそうなるんだよ!」
「あははっ嘘だよ、すぐ本気にするんだから」
「だって…っ…ん…ッ…ふぁ………ん…」
冗談にムッとしていたら直輝の唇に塞がれる
そのまま何度も何度も角度を変えて重なりあうキスに段々と息が上がってきた
キスをされながら耳を押さえ込まれるとクチュクチュとイヤらしい音が頭の中に響いてくる
それが身体中を直輝に征服されているみたいで胸が煩いくらいに高鳴った
「ふぁっ…んっ……や、なお……もっとチューして…」
「淫乱スイッチ入っちゃったね」
「ん〜っ…ダメ……離れないでっ」
「わかったわかった、その前に服脱ごうね濡れちゃうから」
「…うん」
熱に浮かされた余韻で頭がぼーとする
惚けたまま直輝に服を全部脱がされた
一人だけ外で布一枚も纏っていないと気づいて羞恥に体が熱くなる
恥ずかしくて嫌なくせに
でも凄くドキドキと興奮している俺がいて涙が滲んできた
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