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初めての喧嘩

次の朝、 起きて一番に携帯を確認したけど直輝からの連絡は来てなかった 「そりゃそうだよね……」 ベットに腰掛けてため息をつく 俺が勢いで一方的に会わないとか言っちゃったわけだし… 直輝の返事も聞かないで飛び出しちゃったんだし…… でも直輝だってなんか引き止めたりとかあったじゃんか せめて連絡のひとつくらい……… そこまで考えて本当に馬鹿だと思った 引き止めて欲しかったとか 連絡くれなくて拗ねるとか そんな相手にばかり求めて何してんだろ俺 求めてばっかで何一つ返せてない上に 怒らせて逆ギレして今度は理不尽に拗ねてるだなんて情けない 前はこんな事無かったのになぁ 昔に誰かと付き合った時にこんな気持ちになんかなった事なかったのに 何でこんなにも直輝には我が儘ばかり言っちゃうんだろう ベットに置いてある直輝にとってもらったぬいぐるみを抱きしめて悶々としていると部屋に携帯の着信音が鳴り響いた バッと手に持っていた携帯を見ると 着信相手は直輝でドキドキと煩い心臓を落ち着かせるとひと呼吸置いて電話に出る 「もしもし…?」 「…俺だけど」 「うん…おはよ…」 「おはよう」 電話越しに聞こえるいつもより少し掠れた声に胸がぎゅうっと締め付けられる 時計を見るといつも直輝が起きる時間で きっと今起きたばかりなんだろうな いつもみたいに下着だけで寝てるのかな… 風邪引いちゃうよって怒っても絶対寝るときは服は着ないとか何とか言ってた事を思い出した ………………会いたい 直輝の声を聞いただけで会いたくて堪らない 昨日途中で帰った事を物凄く後悔してきて、直輝に謝ろうとした時それは遮られた 「祥」 「なっなに?」 「昨日の事だけど」 「え……あ、のね!俺も!」 「アイツには近寄んなよ」 「………え?」 「だから、高田とか言う奴と二人きりになんなよって言ってんの」 「……………」 電話の向こうで直輝がめんどくさそうに話している顔が浮かんできた それだけかよ……… 昨日の事って言う事それだけかよ 謝ろうなんて思っていた俺が馬鹿みたいだ 「…それだけ?」 「は?」 「……言いたいことってそれだけなの?」 「これ以外何があんだよ」 「…………だったらもういい仕度しなきゃならないから切る」 「おい祥俺の話」 電話口でまだ何か聞こえてきたけどそのまま耳から話すと通話終了ボタンを押す 「はぁー」 そのまま後ろに倒れ込んで手の甲を瞼の上に重ねると目を閉じた 「バカ直輝」 本当にバカなのは俺だけど 直輝の声聞いて真っ先に会いたいって俺は思ったのに直輝は違うのかな 直輝って本当に今も俺の事好きなんだろうか 沢山好きだって言ってくれるし 本当に優しい笑顔とかも前よりも見るようになったし 弄ばれてるとか 浮気だとかそう言う事疑ってるんじゃなくて 単純に今は俺の方が好きな気がする 一人で不安がって気にして妬いて 昔は確かに直輝が言うように俺の事好きだったんだとしても 今じゃ俺が一方的にどんどん好きになって直輝は冷めてるんじゃないかって、そんな気がしてならない 今だってただ昨日の話いきなり続けて ごめんねとか会いたいとかばっか思ってた俺ってなんなんだよ 「あー!モヤモヤするー!!」 悶々、悶々一人で考えて何してんだ俺 一人でイジイジしてたって意味ないんだしもう切り替えよ 起き上がったほっぺをぱしっと両手で挟むと部屋を出て学校へ行く仕度を始めた

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