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「祥おはよー」 「おはよう」 いつも通りバイクで学校に登校して クラスに入ると友達に声をかけられる 俺も笑顔で挨拶して昨日のテレビの話とか授業の話とか何気ない話をしては笑っていた それから直ぐに実践授業で忙しく時間は過ぎて、あっという間にお昼の時間になる 友人達と食堂に行って適当な所に座ってお弁当を広げた時不意に横から名前を呼ばれた 「小日向ー!」 「あ、高田…」 「よー」 振り向くと昨日と変わらない笑顔の高田がいてこちらに手を振っている 俺も返事をして手を振り返すと高田が隣に座ってきた 「お!弁当じゃん」 「弟が作ってくれてるんだ」 「え?!これを?!」 「そうだよ」 「まじか…俺てっきり彼女か何かかと思った」 「あははっ違うよ」 「へえ〜でも付き合ってる奴はいるんだろ?」 「………あー、まあ……」 「なんだよその濁した感じは」 「別に深い意味はないよ!高田ご飯食べないの?」 「向こうにダチ居るからさ」 「そうなんだ、じゃあ早く戻りなよ」 俺が仲良くしてる友達とも仲のいい高田は後ちょっとだけここにいると言って皆と話し出した 直輝に高田と関わるなって言われたしやっぱりちょっとは気にする なんでそう言ったのか理由が分からないから自分で考えてみるしかないし でもやっぱり高田はいつも通りの高田だし 友達が多くて活発で8割がたエロい話しかしないけど悪い奴じゃない だったらやっぱり俺が触らせたから気に食わなかったのかな いやでもそんなわけ無いか 直輝全然ヤキモチとか妬かないし 俺とは違ってそういうの気にして無さそうだし グルグルと頭の中で考え事をしながら話していると高田に名前を呼ばれる 自分の世界に入り込んでいた意識を引き戻して高田の方を向くと口元を撫でられた キョトンとしていると米ついてたなんて言ってその米粒を口に運ぶから恥ずかしくなる 「高田そんなの食べるなよ」 「そんなのって小日向の口元についてた米粒だぞ?」 「そうだよ!だからそんなの食べるなって」 昨日の今日でこれじゃあ直輝に少し申し訳ないから高田に注意しても気にした様子もなくてわしゃわしゃと頭を撫でられた 何かやたらと俺の周りは頭撫でて来る人とか抱きついて来る人とかが多いから特に気にしてなかったけど直輝はコレが嫌なのかな 確かに俺も直輝の周りが直輝に抱きついてたら嫌かも…… 頭とかなんか触らせてたら嫌かもしれない…… そう考えたら確かに俺のしてることって良くないなって思うけどだからって関わるなは大袈裟だ また一人考え事をしていると高田の手がうなじを撫でてきて驚く 「――っ!」 「ぶはっ猫かよっ」 「昨日もそうだったけど高田急に触るなよな」 「なんで?別に男同士だしいいだろ?」 「そうだけどさ…」 「彼女に妬かれんの?アタシの祥の体に触れないでよねッ、みたいな?」 女の子の真似なのだろうか オカマみたいにしか見えない高田の物真似に思わず笑ってしまう 「高田それオカマみたい」 「なぁ〜によぉ〜」 「きもい」 益々オカマ臭くなる高田にそう言い切ると高田はちぇっなんて言っていた 「んじゃあ俺そろそろ戻るわ〜」 「長く居すぎ」 「いいじゃんかークラス違うんだしさ俺も小日向と同じクラスが良かった」 「来年は一緒かもね」 「だったらいいなぁ」 間延びした声で高田は頷くと立ち上がって皆に挨拶をして友達の元へと戻っていった 俺も残りのお弁当を食べながら皆と談笑してお昼時間は過ぎていく お昼の時間が終わって一度携帯を見たけど直輝からの連絡は来てなかった

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