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ガヤガヤと活気溢れる校舎の中を歩きながら身体の異変に気づく 何だかさっきから気分が悪い 「高田ごめん、少し休んでいい?」 「ん?どうした?」 「昨日寝てないから体が少しだるいのかも」 気まずくしたくなくて笑いながら高田にそう言うけど歩く度に目眩が酷くなる 保健室行って休む方がいいかもしれないと思ったとき高田に手を掴まれた 「すぐそこに連れがいるんだ!兎に角そっちまで頑張れるか?」 「あ、そうなんだ…大丈夫だよ挨拶したら俺保健室行くね」 「悪いな」 グイッと半ば引っ張られながらその教室へと向かう さっき迄普通に高田と出店回りながら食べたり飲んだりできてたのにどうしたんだろう だんだん息も上がってくるし高田の友達が待つ教室につく頃にはゼーゼーと肩を上下して息をしていた 「着いたぞ大丈夫か?」 「うん…っ、平気だよ」 「………」 顔にかかった髪を耳にかけて頷き笑うと高田の表情がほんの少し固まった どうたのかと思ったけど直ぐに高田もいつもと変わらない笑顔でそうかと言って扉を開けるから勘違いかななんて思う 「悪い待たせたな」 「高ちゃん遅い〜」 「悪かったな」 教室の中には二人居てどっちも高田をタカちゃんと呼んでは嬉しそうに笑っていて仲良さそうで自然と笑が溢れる 「あ!噂の小日向くん?」 「そうそう、噂のな」 「……噂?」 「俺が良く小日向の話してたからさ」 悪い悪いと言いながら高田がへらっと謝ってくる 変なことばっか言ってないだろうなー!なんて俺も冗談言い合って高田の友達とは直ぐに打ち解けられた 俺と同じくらいの背丈で人懐っこい可愛らしい高田の友達に手を引っ張られて椅子に座るけど頭の奥がぼんやりして上の空だ 「祥君どうかした?」 「へ…?」 「お顔真っ赤!」 「だいじょ、ぶだよ」 「そう?」 ずいっと顔を寄せてきた友達から少し距離を取りながら答える 「…俺少し保健室行ってくるね」 隣に座る高田にそう言って立ち上がろうとしたけど 横から伸びてきた高田の手に捕まって立ち上がることができなかった 「高田…?」 「なあ小日向」 「……な、に」 「身体、辛いか?」 「え…?」 「どんな感じか教えてくれよ」 「…………」 心臓がどくんと嫌な音を立てた ぞくっと高田の笑顔を見た途端に悪寒がして何度も経験したこの重い空気に覚えがある 「………もしかして高田のせい?」 「正解っ」 「――ッ!」 いつもと変わらない笑顔で 初めて見るぐらい嫌な笑顔を向けて高田が拍手をする 途端に立ち上がり教室を飛び出そうとしたとき不意に掴まれた手によって床へと投げ飛ばされた 「いっ…!」 「祥くんダメだろ〜?今日はタカちゃんと俺らと遊んでくれる約束じゃん?」 「高田…っ!」 「小日向悪いな、これ仕掛けたの俺なんだわ」 「え……」 「前々からヤリてえとは思ってたんだけど流石に男はどうよって思ってたわけ」 「だったらなんでっ」 「なんでだろうな?俺も分かんねえけど最近の小日向何かすげーエロいんだよ」 「……頭おかしいんじゃないの高田」 「強気なところも好きだぜ小日向」 そう言って笑う高田の表情にぞくぞくと嫌なものが背中をかけ走った

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