幾ら前向きに考えてたって 一度脳裏に浮かんだ考えは消えることはなかった 直輝の事良く知ってるからこそ思うんだ 直輝は浮気とかするやつじゃない だからこそ、そんな直輝が嘘をついてまで隠してる相手が出来たってことはきっと本気なんだ でも直輝馬鹿みたいに責任感強いから俺の事簡単に切り離せなくて困ってる 昨日も待ち合わせに来なかったのもそれでなのかもしれない ただ連絡を見てなかっただけ大丈夫だなんて自分で励ましてたけど そんなこと今迄一度もなかった 直輝がそうやってすっぽかす事なんて一度だってしたことなかったんだ そうやって気づいてたのに別れ話とか聞きたくないって逃げ回ってたからきっとバチ当たったのかも どうせ別れるなら最後迄直輝しか知らないままで別れたかった どうしても直輝に会いたくて仕方ない こんな事絶対に知られたくなくて バレなかったらまだ直輝はキスぐらいしてくれるだろうかとか考えちゃって そんな縋るみたいな卑怯みたいな事ばっか考えてるのに気づいて苦しい 嘘をついて迄直輝のそばに居たいって思うなんて俺いつからこんな汚いやつになったんだろう それでも直輝に会って抱きしめて欲しくて仕方ないんだから情けなくて笑える でもきっともう出来ない 今日の事が終わったら何事も無いように隠して 俺はただの友達に戻るしかないんだから ｢おいコイツまぐろかよ｣ ｢小日向〜もうちと可愛い声出せよいつもみたいに｣ ｢……死ね｣ ｢ははっうぜえなお前｣ ｢オエッ！っ…ぐっ…！｣ ｢首絞めたらいいと思うんだけど、どう？｣ ｢――ッ！｣ 悪態をついた俺を見下ろして高田がお腹を殴りあげてくる 吐き気がこみ上げてきたのを耐えていると追い討ちを掛けるかのように首を締められて頭の奥がチカチカと光った ｢ところで小日向｣ ｢っ………カハッ｣ ｢お前の恋人ってあのモデルの天使直輝だろ｣ ｢――ッ？！｣ ｢えっ？！マジ？！｣ ｢ふーんやっぱりアイツか｣ ｢違っ！直輝じゃない！直輝はただの幼馴染みで…！｣ ｢嘘つかなくていいぜ｣ ｢ほんとに違う！｣ ｢小日向はずーっと気づいて無かったけどアイツはあの日映画館で会った時から俺の考えてること気づいてたみてえだけどな｣ ｢え…？｣ ｢馬鹿な小日向は俺を友達って信じ込んでたみてえだけどアイツは違ったなそういや｣ ｢どういう…こと…｣ ｢威嚇されたって話だよ、俺もアイツと会う迄は小日向は彼女が出来たって思ってたけどまさか彼氏だとはな｣ ｢だからっ直輝は違うって言ってるだろ！｣ ｢あっそ、なら小日向の写真沢山送ってみるか｣ ｢え…｣ ｢ムービーの方がいいか？｣ ｢や…めて｣ ｢いっそのこと電話で実況もいいよな｣ ｢やめろ…っ！｣ ｢残念！もう決まり！じゃあ早速撮影会でもしようか｣ パンっと手のひらを合わせてにっこり微笑む高田を見て頭が真っ白になる 嫌だそんなことしたら本当に嫌われちゃう 友達にも戻れなくなったら俺…っ ｢はい小日向足開いて？｣ ｢やっ…やだ……やめて高田っお願い嫌だ…！｣ ｢あははっそんなに直輝君が好きか？｣ ｢…っ｣ ｢俺も今迄の付き合いもあるし？少しは優しくしてやりたいけどさ…今の小日向すっげー興奮するからダーメ｣ ｢ヤダ……嫌…やめてっ｣ ゆるゆると頭を振って懇願してもただ楽しませるだけで高田達の手は止まらない 両足を担がれて膝頭を掴まれると簡単に広げられた ｢こっちもめちゃくちゃキスマーク残ってんじゃん｣ ｢あのモデルのチンコってどんな感じ？｣ ｢お願いだからっ撮らないで｣ ｢それは無理だわ悪いな！｣ 携帯のカメラがこっちに向いてぴろんと軽い音がする 撮ってるそいつはそのまま近づく事がなくて本気で全部携帯に収めるつもりなのか高田達に何か色々指示をしていた ｢ほんじゃ早速やりますか｣ ｢へ…？！｣ ｢はい舐めて｣ ｢嫌だ…｣ ｢俺達の要求断るごとに１枚ずつ写真送るからな｣ ｢なっ！そんなの卑怯だろ！｣ ｢じゃあ早速１枚送ろうか｣ ｢ダメ！｣ 高田が俺の携帯を取り出すとＭ字に足を開いたまま抑え込まれている俺を撮って直輝とのトーク画面へと送り付ける 送信完了となったその画面を見て怖くて堪らなくなった ｢既読がつくまで一体何枚写真たまるんだろうな？｣ ｢…聞く……言う事、聞くから…やめて｣ ｢だったら舐めろ、後自分で解せよ後ろ｣ ｢っ……｣ ｢返事は？｣ ｢…わかっ、た｣