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04
俺の上に耀さんが乗っかった状態のまま何度も触れるだけのキスをしてくる
さっき迄の激しさなんかなくて俺がいつでも逃げれるようなキスの仕方
ハッキリ言ってずるいと思った
こうやって逃げ道を作らせて
この先の選択は俺に任せてる
このまま俺がこの人から退かなければ
肯定したことになって
俺が一瞬でも否定したらこの人は直ぐにでも退くと思う
逃げ道を与えたまま攻めてくるなんてずるいよな
でもそれが何だか俺達の歳にはない余裕で大人だとも思った
耀さんの肩を軽く押し返すとやっぱり簡単に俺から離れて熱く色っぽい視線で見下ろしてくる
「…耀さん」
「なんだ?」
「溜まってんの?」
「………はぁ…お前ねぇ…」
にっこりと笑顔を浮かべてそう聞くと耀さんは俺から退いてソファの背もたれに寄りかかり座り直した
俺も起き上がって耀さんへと顔を向けたまま座る
「耀さん溜まってるならいいよ」
「………冷めたからしねえよ」
「嘘だ、勃ってるままだけど」
「ほっときゃ治る」
「ふーん………俺さ、下になるの初めてなんだよね」
「………」
「…今のって完璧俺が女側ってことでしょ?」
「…………」
「俺、初めてだからそれでもいいかって確かめたかっただけなんだけど」
「…瑞生、俺から襲っといて何だけどもうちと大事にしろよ」
「してるよ、別に俺相手がいないわけじゃない」
「だったら尚更だ」
「うん、だから耀さんならいいよって思ったからなんだけど…今迄だって女側はしたことないし」
「今だけの勢いなら辞めておけ」
「そうじゃないよ、ご飯のお礼ってところ」
「あのなぁ、瑞生ほんとによ…っ!」
長くため息をついて緩くウェーブのかかった前髪を掻き揚げながら耀さんが俺の方へと顔を向ける
きっと俺の言ったことに説教でもするんだろうな〜なんて思いながら、耀さんの薄く形のいい唇にキスをした
「俺じゃ嫌だ?」
「ーーっ!…瑞生大人を手のひらで転がすだなんて100年はえーぞ」
「じゃあ転がすのは辞めるから教えてよ、する?しない?」
「はぁ…」
「俺はしたいんだけど、耀さんは?」
「………とんでもねえ奴に手出しちまったな」
「それって褒め言葉?」
俺の顎に軽く指を添えて見つめてくる耀さんが薄く笑う
静かに目を閉じると唇にアルコールの匂いが混じった熱い温度が触れた
「…後で後悔すんなよ?」
「しないよ、今迄もした事無いし」
「………」
一瞬だけ、ほんとに少しの時間耀さんが何となく悲しそうな目をしたけど
瞬きをして開いた視界には変わらず男の顔をしている耀さんしかいなかった
寝室に移動して俺がベットに座る
耀さんがドアを締めて中に入るなり着ていた黒のシャツを脱いで驚いた
「…へー凄いね、これいついれたの?」
「学生の時だな」
「俺もいれてみたいかも」
「一生消えないのにか?」
「それはちょっと考える〜」
俺の言葉に耀さんはクスクス笑っていた
耀さんの体には左側の肩から肩甲骨、そのまましたへと続いて腰まで刺青が彫ってあった
何かの柄で刺青も黒でオシャレに彫られていた
「でも耀さんの刺青は嫌いじゃない」
「瑞生って俺じゃなくて俺の何かばっか褒めるよな」
「そう?」
「もうちとオジサンにも優しくしてくれよ」
クスクス笑ってる俺に耀さんは少しだけふくれながらベットに乗り上がってくる
「耀さんが俺のこと脱がす?それとも俺が脱いだ方が興奮する?」
「お前な〜!」
わざとおちょくる俺に耀さんが冗談で首に腕を回して軽く締めてくる
「ギブギブ〜!」
「ったく色気ねえことばっか言いやがって」
「だって俺ただ大人しく抱かれるとか嫌だし」
「大人しくしてくれなくていいから少しだけ黙れ」
耀さんをからかうのが楽しくてついついおちょくったが耀さんを馬鹿にしてるわけじゃない
「はーい、じゃあ脱がしてよ」
「ふっ、瑞生って大人に見えて子供っぽいな」
「それは耀さんもだよ、子供っぽいのか本当は違うのかわからない」
「俺はそのままだよ」
「なら俺もそのままだね」
「お前は本当生意気なやつだなぁ」
「そう?でも嫌いじゃないでしょ耀さん」
「…ああ、嫌いじゃないな瑞生みたいなタイプは」
低く心地良い声で耀さんが呟く
さっきまでの緩い空気はどこかに消えて
今はただ色気のある耀さんが俺を押し倒しながら上に乗っかってきた
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