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03
「――ッ!…っ…ぅ……っふ…ぁあっ」
「まだ、へばんなよ?」
「うっさ…いな…っ……ンーッ…!」
どうやら俺は本気で耀さんを怒らせたみたいだ
初めてのセックスの時とは180°違う今の状況に思わず失笑してしまう
後ろから腰を打ち付けてくる耀さんは本気で獣みたいだ
黒くウェーブパーマのかかった前髪を荒くかきあげて
それが合図だと言うかのように
その瞬間から耀さんは別人の様だった
「っ……ふ………ん…っ」
「声我慢すんな」
「い…っ!~~~っ…あ…あぁっ…!」
「いいな今の声、痛い方が好きだろ瑞生」
「ハッ…頭、湧いてんじゃ…っないの?」
「余裕だな」
パァン パァンと打ち付けられる度に
肌がぶつかり合う音が響く
必死に両手使って耐えてても
その強さと激しさに腕が震えてカクンッと力が抜けてしまって
起き上がろうとした時後ろから髪を掴まれて無理矢理胸を反り返す程に引っ張られて痛みが走った
「…っ……あ……、…ん…っ」
「声我慢するなって言っただろ?」
「うっさ、い…エロ親父っ」
「ふっ」
「――ッ!ふ…んぅ…っ!んんっ…!」
グチグチと中を抉るようにして腰をグラインドさせてくる
その度に前立腺をめちゃくちゃに押し潰されて目の奥がチカチカと光った
イキそうになって、でもそのままイクのは何故だか嫌で
グッ、と唇を噛み締めた時口の中に耀さんの指が滑り込んでくる
「ふ…、っんぅ…ああっ…や…ん~っ」
「急に可愛い声が増えたな」
「ンンッ!んぅっ!」
「悪いけど何言ってるか分からねえよ瑞生」
「ひゃ…っ!…んうっ…ん、ぅ…っ…ふぅ…っ」
四つん這いの姿勢から腕を引かれて膝立ちになる
後ろから抱きしめられるようにお腹に手を回されて未だ耀さんの指は俺の口の中を掻き回していた
「ふ、っん……かが、りさ…っ!」
「んー?」
「あ…っ?!…い、や…っだ!っく…そ」
「前も触ってやってるんだからくそはねえだろ」
「ああぁっ……い…っ……は、ああっ」
クチュクチュとペニスを扱くスピードが早くなる
頭の奥に光る白い光が段々止まらなくなってきて
それを表すみたく体がビクビクと痙攣を始めた
「イケ、瑞生」
「んーーーっ…!あ、ああーー…」
「いい子だな」
ビクンッビクンッと大きく体が波打って
後ろから抱きしめられたまま背中を反りあげて白濁液を吐き出す
全てが出きって腕を離された時には
絶頂の余韻に浸る体はそのまま前へと倒れ込んだ
「は…………っ……はぁ…っ」
「シャワー浴びてくる」
「っ、ちょっと待って!」
「んだよセックスは終わったろ?」
「終わってないだろ、耀さん一度もイッてない」
「だからなんだ?」
「だから…って………」
「瑞生が言うセックスは終わった、俺は瑞生が求めてるセックスをしたいとは思ってねえし、俺の中でセフレとセックスをしたんだとしても瑞生のやり方とは正反対だ」
「だから自分はイかないってこと?」
「………お前が求めてる分はやっただろ風呂行ってくる、少し休んでおけよ」
「ふっ耀さん俺の事どこまでバカにしてるの?」
「バカになんかしてない」
俺の言った言葉に
耀さんが意味わからないとでも言いたげに驚く
ハッ、本当、苛つく
「それがバカにしてるんだよ」
「あ?どこがだよ」
「あんたは俺の事どうしたいわけ?親の代わりにでもなりたい?ふらふら、ふらふらしてどう仕様もない俺を愛でて面倒みて楽しいか?」
「…………」
「耀さんの目がムカつく、俺の事可哀想だって思ってるだろ」
「ああ、思ってるよ、自分の感情一つも出そうとしない可哀想なやつだって、そう思ってる」
「…………ふっ笑える」
「……」
「本当とんだ時間の無駄にしたよ、今までどうも」
「おい、待て瑞生」
耀さんのふとした表情で分かってた
フラフラしてばっかで
愛されるから愛し返すだけの中身のないやり取りしかできない俺を耀さんは同情してた
だけどそんなの俺の事バカにしてる
俺は一度だって同情を欲しいだなんて、思ったこともないし
こうやってフラフラしてる事に後悔をした事だってない
色んな人と寝てることに罪悪感を持つことだってない
お互いその時満たし合ってるんだから守ること守れば寧ろ勝手がいいんだから
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