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「……ッは……ぁ、……耀さ……もっと……」
「良いのか?」
「……ん」
唇の温度が離れて行くのがこんなにも切ないと思うなんて考えてもみなかった
俺の頬に手を添えて、髪に指を絡めて
耀さんが真っ直ぐに見つめてくる
その問いかけに静かに頷くと
貪りつくように再び唇を塞がれた
「ふぅ……っんう……ああっ!」
「ほんと妬けちゃうわ〜耀とキスした途端感じやすくなるなんて」
「お前はいつまでココに居るんだ」
「あらやだ良いじゃないのよ、ねぇ瑞生くん?」
「は……っあ!……居て……怜さんも」
「瑞生……?」
耀さんが信じられないと言いだけに俺を見ている
そりゃ俺だって3人でだなんて考えても見なかったしそんな趣味があるわけでもない
だけどこのまま耀さんと2人きりになって
セックスをする事を考えたらゾッとしたんだ
こんな、キスだけで頭がイカれたみたいに心臓が脈打つのに2人になったら一体どうなるのか自分じゃなくなるんじゃないかって……
「らしいわよ、残念ね耀」
「……だったらせめてオカマ口調は辞めろ」
「それもお断り!馴染みすぎて簡単に切り替えらんないの」
「ならもう息を吸うな」
「何それ首でも締めてくれるの?興奮しちゃう」
「お前な……はぁ……」
また俺を挟んで2人が喧嘩を始める
それは別に口を挟むつもりはないけど
その間も2人の手は俺の体を弄っていてどうにもいい気分じゃない
イライラして眉間に皺を寄せて怜さんばかりを見ている耀さんを見上げてふと思いつく
考えついた事を実行する為に耀さんに背を向けると怜さんの首元に抱きついた
「瑞生?」
「怜さん、キスして」
「ふふっ可愛いお強請りできるじゃない」
「……」
妖しく笑い俺の頬を撫でるその手つきに誘われるまま目を閉じた時、後ろから伸びてきた耀さんの手に阻まれた
「だ、駄目だ!」
「……ッ?」
「キスはさせねぇ」
「瑞生くんがしてくれってお強請りしたんだけど?」
「駄目だ、どうしてもしてぇなら俺がする」
「……やだ」
「瑞生ッ?!」
「……耀さんキス下手だし、怜さんのが上手い」
「なっ……!怜とキスしたのか……?」
「したけど」
「ええ、したわよ」
「だとしても!駄目だ!分かったな?」
俺の口を両手で塞いだまま耀さんが断固として譲る気はないと宣言する
キスだけでこんなに反応示してくれるとは思わなかったけど、ムッとして嫉妬してくれる耀さんが可愛くて思わず笑みが零れた
「何笑ってんだよ」
「……ふふっ、ううん妬かせたかったから成功したなって」
「なっ!お前またそうやって!」
「なに、お仕置きしてくれるの?」
「……コイツが居なくなったらな」
「え……冗談なんだけど……」
「大人を手のひらで弄ぶんじゃねぇって出会った頃に教えたよな?」
「……」
その言葉と同時に視界がグルッと反転する
さっきまで後ろにいた耀さんにベッドへと押し倒されていた
「いや、やっぱり辞めだ」
「……」
「お仕置きは今からする」
「えっ?!」
「息つく暇もやらねぇから覚悟しとけよ」
「〜〜ッ」
ホッとしたのも束の間、ニヤリと意地悪な笑みを浮かべては色っぽく囁く耀さんに心臓を締め付けられる
ドクドクと駆け巡る血があつく燃えだした体は耀さんに触れられた途端にもっと熱を帯びた
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