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「んぁっ!……深っ……い……耀さんっ!」 「瑞生……っ」 「やぁ……ん……!あっん……!やぁ……!」 耀さんに抱きしめられて 俺も耀さんを抱きしめて 1ミリの隙もないほど体を密着させて お腹の中に耀さんの熱を感じる 体面座位のまま何度も耀さんにキスを強請ってその度に優しく触れるように唇を重ね合わせて どっちの唾液か分からないくらいグチャグチャに溶け合うような深いキスをした 「ふ……んぅっ、んーーっ……!」 「瑞生っ、辛くないか?」 「だい、じょ……ぶ……もっと欲しいっ……んぅ」 「言ったな」 「ヒャアッ?!あ、ああっ!」 気遣う耀さんに微笑んで平気だと笑う もっと欲しいって腰を揺らして煽れば 妖しく笑った耀さんに押し倒されて お尻を高く持ち上げられたまま上から振り落とすように腰がぶつかりあう 「ああっん!や……だ……っ!ひゃ……っん!」 「まだトブなよ」 「耀さ……っ!好き……っう……んぅ……好き……っ」 「瑞生……」 ボロボロと涙が止まらない 暖かい 心臓が体が暖かい なのにどうしてこんなに不安なんだ 耀さんに溶かされれば溶かされるほど 不安で悲しくて怖くて涙が零れる 耀さんを好きなのに好きでいるのが怖い 本当に取り返しのつかないほど好きになっちゃったら俺は一体どうなるのか想像が出来なくて怖い 「瑞生、泣くな。 俺も好きだ、瑞生だけじゃない」 「んぅっ……はぁ……ああっん……耀さん」 「大丈夫、瑞生を独りにしない」 「や……ぁあっ!んぅ……っくる、し……」 チクチクと痛み出す心臓に 暖かいとも感じる心臓 耀さんが好きだ もう誤魔化せない こんなに知ったら今更誤魔化せない 耀さんに愛されたい 「か、がりっさ……ああっん」 「ん……ッ?……どうした?」 「中、欲しい……耀さんの欲しい……」 「ふっ我が儘も可愛いな」 後から後から溢れ出す涙を 耀さんが拭き取ってはキスをしてくれる こんなに暖かいなら早く伝えたら良かった もっと早く勇気を出せば良かった だけどもしそうしてたら 俺はきっと耀さんに会えなかったかもしれない そう思ったら今迄のこと全てを受け入れられるような、そんな気がした 「……っ……瑞生、出すぞ」 「んぅっ!キス、して……っ!」 ガクガクと揺れる腕を必死に伸ばして耀さんに縋りつく もう何も考えられないぐらい グチャグチャな俺に耀さんが深くキスをしてくれて そのまま身を委ねた俺の中に ドクドクと熱い耀さんの精液を感じた 「は……っ……あ……」 「……はぁ……っ、瑞生平気か?」 「……だいじょうぶ」 「目真っ赤だぞ」 「……」 「何か冷やすか?」 「いい。 平気だから傍居て……」 「ん、いくらでも居てやるよ」 「……」 ぎゅうっと抱きしめてくれる耀さんの胸に顔をくっつける 乱れていた息もだんだんと収まってきて トクトクと規則正しい耀さんの心臓の音を聞いていた 「耀さん」 「ん?」 「……なんでもない」 「ふっなんだよ」 「……ううん。 なんでもない」 「そうか」 「ねえ、それよりさ」 「どうしたー」 「俺お風呂入りたいんだけど」 「でも今立てねーだろ」 「うん、そう、だからはい。 抱っこして?」 「〜〜ッ!」 ニヤリと笑ってバンザイをすれば 俺を見てくる耀さんの顔が赤くなる こういう甘え方が耀さん好きなんだなぁなんて思いながらクスクス笑っていたら ほっぺたをつねられた 「大人をからかうな」 「ふふっねえ、俺のこと好き?」 「はぁ……調子乗りやがって」 「ねえ、言って」 「好きだ、大好き。 嫉妬するほど大好きだ」 「ふふっありがと」 クシャクシャと前髪を触っては掻きあげる耀さんを見て笑みが零れた さっき言いかけて飲み込んだ言葉を少しむくれてそっぽを向いている耀さんに そっ、と耳元で囁く 「なっ……!」 「あははっ顔真っ赤だよ耀さん」 「お前な〜!この野郎!」 クスクス笑う俺に耀さんが覆いかぶさってきてくすぐってくる 2人でバタバタ暴れ回って 涙が出るほど笑いあげた この気持ちから逃げたくない、そう思った 耀さんと一緒に笑ってる時は本当に死んじゃうほど優しくて暖かいから 『俺もね大好きだよ耀さんっ』 囁いた言葉を疑いたくないから 俺はこの人に暫くのあいだは恋ってやつをしてみるのも悪くないかもしれない *** 『ライジングサン 〜恋の予感〜 』 完

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