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暗雲 9

薬の作用はすぐに表れた。 春は目はトロンとさせて、仕切りにその重い瞼を擦っている。しばらくすると睡魔に抗えきれなくなって頭がコックリと揺れ始めたので、呼び掛ける。 「春、眠いならベッドに行きなさい」 「…はい」 座っていたのがソファだったなら、そのまま寝かせて後でベッドに運んだが、残念ながら肘掛けもないただの椅子だ。そのまま寝てしまっては危ない。 春はヨロヨロと立ち上がり、ベッドに横たわるとすぐに寝息を立て始めた。 向田はベッドの傍らに立って、春を見下ろした。規則正しい寝息が乱れる様子がないのを確認すると、ベッドに乗り上がった。 きちんと掛けられていた布団を剥ぐと、Tシャツと短パンに覆われた春の身体がある。 肩から始めて身体のラインをなぞるように手を滑らせ、腰をきゅっと掴む。 細いな…。 そのまま腰骨のあたりに手を這わせて骨の形と柔らかい肉の感触を楽しむ。 次に春の腰のあたりに体重を乗せないように跨がると、ウィッグを取り外しにかかる。 かなり頑丈にピンで固定されていたが、地毛をひっぱらないよう丁寧に一本一本外し、ついに春の柔らかな銀糸が顕になった。 美しい…。 人工毛とは比較にならない程に柔らかで滑らかで艶々だ。痛んでいる部分も全くなく、指を通すとスルンと滑り、パタパタと枕に舞い落ちる。 すぅすぅと安らかに寝息を立てる春の小さくて完璧に整った顔をこの銀髪が縁取ると、この世の物とは思えない。 天が遣わした使者の様ではないか。 想像通り、いや、想像以上の美しさに、向田は小さくため息をついた。 俺はこれからこの天使を、一方的に穢す事ができるのだ。 これまで感じた事のない程の興奮が腹の底から沸き起こる。 息を荒げた向田の手が、吸い寄せられる様に春の身体に張り付いた。 胸を通り、下へ下へと身体のラインをなぞった手が、Tシャツの裾を掴んで、ゆっくり捲り上げる。 白く滑らかな腹、少し骨張った肋骨、そしてきれいなピンク色をした2つの胸の突起が現れた。 薄く均等に筋肉のついた、スポーツマンというよりは、均整のとれたモデルの様な美しい身体だ。 自分を焦らす様に腹の方からそっと触れてみた。 ああ素晴らしい……。 手の平に吸い付いてくるようなしっとりとした感触に思わずため息する。 女のように肉の柔らかな感触はないが、健康的な筋肉の張りと、皮膚の滑らかさは、女のそれ以上に官能的だ。 徐々に上がってきた手が、胸まで到達した。 掌で小さな突起の周りをクルクルと円を描くように一頻り撫でたあと、親指と人差し指で、小さく埋まっている中心部分を起こすように摘まむ。そして捏ねるように動かすと、それが生理的に勃ち上がってきた。 あまりに健気で可愛らしいそれに、気づけばしゃぶりついていた。 舌でぴちゃぴちゃと丁寧に舐めて、突起をなぶる様につつく。 そして、痕がつかない程度に吸いつきながら口の中で転がした。 片方をそうしている間指で捏ねていたもう片方も同様に味わって、ようやく向田は顔を上げた。 春の薄ピンク色のそこが、弄られてほんのり赤みを帯びていて官能を刺激される。 もしも意識があったなら、感じてくれたのだろうか。この美しい顔を歪ませ、快楽の声をあげたのだろうか。 春の表情を確認したが、しっかりと眠剤が効いている様で、先程と変わらぬ安らかな寝顔だった。 今更ながら、乳首を弄る事に夢中になりすぎて、春の様子を確認していなかった事に気づく。 もっと思いっきりこの天使を穢してやりたいが、途中で起きられたら困るのだ。慎重に暴いていかなければなるまい。 少しだけ冷静さを取り戻した向田は、次のステップに移る事にした。 薬が効いている内に、目的を達しないといけない。 身体を下方にずらし、今度は春の膝の辺りに跨がり、ハーフパンツのゴムに手を伸ばす。片腕を腰の下に入れて、そっと腰を浮かせてズボンと下着を一緒にずり下げ、足から抜いたそれをベッドの下に放り投げた。 ほう…と思わず感嘆の声が漏れる。 少年趣味の向田にとっては、正に理想通りの姿形だったのだ。 そこには、髪の毛と同じ銀の毛が本当にうっすら生えているだけで、成長途中の大人と子供の中間の青さがあった。 毛の色が銀色であることと、薄くしか生えていないことで、大事な部分が殆んど全部露出していて可愛らしい。 また吸い寄せられる様に柔らかなそれに手を伸ばし、自分にそうする時の様に上下に扱いてみた。 初めふにゃりと柔らかだったそこが徐々に固くなり、健気に勃ちあがる様子に、頭に血が上っていくのが分かる位興奮した。同時にドクドクと血管が脈打つ程に、下半身にも血が集まる。 堪らず、向田も自分のズボンと下着を脱ぎ捨てて、はち切れんばかりの自らの物を取り出すと、春の物と合わせて夢中になって扱き始めた。 気持ちいい……。 これ程までの性的な興奮と昂りは、これまで経験したことがなかった。 我慢できずにすぐに達してしまい、勢いよく飛び出した精液が、春の胸元近くまで飛んでいく。 白い欲望の塊に身体を汚された春を見ていると、達したばかりの自らが再びむくりと頭をもたげた。 春のものはまだ達した気配はなく、透明な先走りを少し溢して勃ち上がったままだった。 もっと汚してあげよう。 今度は自らを再び扱きながら、春の上半身に舌を這わせた。もう片方の手は、春の物を器用に掴んで擦った。 向田はまるでマーキングするかの様に、春の腹、脇、胸などあらゆる所を舐めて、その唾液を塗り込んでいった。胸の突起は、先程同様にしつこくしゃぶって嬲った。 もうすぐで限界だという所で、堪らず向田は春の唇に吸いついた。 力の抜けている春の口腔内に舌を挿入し、自分のそれと絡ませながら春の腹に白く熱い迸りをぶちまけた。 「んっ…ん…」 春の口から苦しげな吐息が漏れたが、達した後も、暫く口内を貪る事を止められなかった。 春の口から甘い蜜をすすり、代わりに自分の唾液を流し込む。 一刻も早く春を自分の物にしたい。この身体も心も征服してしまいたい。 再び勃ち上がった自身で、今すぐ春の身体の奥深くまで犯し尽くしたい。 そんな思いを籠めた深く濃厚なキスは、その思いの強さを現すように長かった。 激しく絡んだ唾液の糸を引かせながらようやく向田が身体を起こした時、春は少し眉根を寄せ、苦しそうな表情をしていた。 一瞬、起こしてしまったかもしれない…と焦りが生じたが、幸いにも春の瞼が開く気配はなかった。 本当は最後までやり尽くしたいのだが、さすがに尻の孔を弄れば目を覚ますだろう。 向田は必死に我慢と自分に言い聞かせ、代わりに春の身体を脳裏に焼き付ける様に観察した。 計画が成就するまでは、この春の姿、感触を思い出して、想像の中で春を犯すしかないのだ。 向田は携帯を取り出して春に向けると、色んなアングルで何枚も写真を撮った。 2回立て続けに出したのに大量に放出した精液に汚された春は、最高に官能的だ。 そう言えば……向田は気付いた。 春の身体には、向田がぶちまけた精液しか残っていないのだ。春の物も、扱いている内に、確かに向田の手の中で萎えていったのに。 もしかして…。 向田は不気味に口角を上げた。 くくく…と笑いが込み上げる。 春の精通はまだなのだ。 これから、始めての精通も、処女喪失も、俺が経験させてやれる。 春は何から何まで完璧だ。 まるで、俺の欲望を受け止める為に生まれてきたかの様に。 己の白濁に汚された、未だ穢れなき天使の姿を、向田は飽きる事なく眺め続けた。

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