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捕縛 6

春の力が抜けきっているのを良いことに、向田は春の足を高く掲げ、尻の蕾がよく見えるようになるまで足を向こう側に倒した。 「いやっ!」 春は顔を赤くして狂ったように頭を振って逃れようとしたが、力の入らない身体は向田の思うがままだ。 春の尻の、少しだけ他よりも色づいたその部分をまじまじと観察した。ワンダーランドでのあの夜も、ここをこんなに仔細には見れなかった。 どこに向田の視線が向いているのか春も気付いているのだろう。元より赤かった顔を真っ赤にして顔を引き攣らせている。 「や、やだ!そんなとこ見るな!」 「何で?春のここ、とっても綺麗だよ」 春の恥じらう態度が可愛くて辛抱ならず、指で円を描くようにそこをなぞると、くすぐったいのか春の腰が面白いくらいに跳ねた。 「いやっ!触るな!」 「ん?触っちゃダメか?なら、こうしてやろう」 春の尻の割れ目に顔を埋めて舌で孔の周りを舐めると、春がひっと息をのむのがわかった。そして一瞬遅れて足をじたばたさせて暴れだした。 「あー…美味しい」 暴れる足を難なく押さえてわざとジュルジュルと下品な音を立てながらそこに吸い付いたり舌で撫で回したりした。 「もうやだッ!お願い!」 これまで強気だった春がついに懇願する様な素振りを見せたが、必死な抵抗も涙混じりの懇願も、向田にとっては気分を盛り上げるBGMでしかない。 括約筋を解すように丁寧に舐め続けると、恐怖からかそれとも羞恥からか、春の尻の孔がヒクヒク動きだしたので、そこが緩んだ隙に尖らせた舌で内部にまで侵入した。 「ひゃ…っ」 これまで与えられたことのない刺激に、春の身体がピクリと震える。 舌先で内側をグルリと舐めて、舌を何回か抜き差しした。 舌なんてほんの先っちょだけしか入っていないが、それでも初めての春にとっては刺激が強い様で、抜き差しの度に歯をくいしばりながら身体を震わせていた。 なんと初で愛らしい反応だろうか。 俺が求めていたのはこれだ。 春は本当に、顔も身体も性格も反応も、何から何まで俺の理想通りだ。 向田は一人感極まっていたが、それでも春を凌辱する手を休ませたりはしない。 唾液の滑りと舌の挿入で少しだけ緩んだそこに、今度は指をあてがう。 「やだ…やめてっ!」 春の悲鳴を聞きながら、ツプ…ツプ…と自分の指が嫌がる春の中に埋め込まれていく光景に、向田の鼻息は荒くなる。ゆっくり慣らすのが焦れったくて、一気に人差し指の付け根まで潜り込ませた。 「ッ痛い!」 向田の性的興奮は、絶頂の直前と同じくらい……いや、それ以上に高まっていた。 「痛いか?そうだよな。春のお尻は、まだ誰も知らない、まっさらな処女だもんな」 「痛いっ…痛い!やめてっ!」 苦痛に歪む春の表情をニヤニヤと笑みを浮かべて眺めながら、向田は非情にも無遠慮に中をかき回し、抜き差しを繰り返した。 「はぁ…春のお尻に俺の指がズポズポ入ってるよ。凄くイヤらしい」 「イたっ…ぁ!」 「どうして欲しいの?」 「っ抜いて!抜いてよ…ッ!」 「ん?何だって?」 向田は楽しそうに言うと、春の願いとは逆に、挿入する指を増やした。 涙目の春が叫んだが、これは強姦プレイなのだから、時間をかけて解してあげる必要はない。春の願いを聞いてあげるつもりなど更々ないのだ。 もう夫婦になったというのに、夫である自分を拒絶して、さんざん抵抗して、悪い口をきいた春へのお仕置きだ。これは躾なのだ。 春の痛がる声をバックに、捩じ込んで掻き回していた指3本を抜いた。 痛みに硬直していた春の身体が一気に脱力したのが分かった。 「まだまだ終わりじゃないぞ」 肩で息をする春に告げると、向田は自分のズボンと下着を下ろした。姿を現したそこは、既に最大近くまで膨張して宙を向いている。 「見てよこれ。春がいやらしいせいでこんなにおっきくなっちゃったんだぞ。責任とってくれるだろう?」 「……!いやッ!!」 春は次に自分に襲い来る事を理解したのか、顔を青ざめさせながらも足をバタつかせて激しく暴れた。 死にもの狂いといった調子のその抵抗は少し厄介で、向田は、春の足を思いっきり向こう側に倒して、ベッドに押さえつけた。尻の孔が真上を見る姿勢だ。 あまりの格好に絶句する春に見せつける様に、向田は己の長大な凶器を春の双丘の間に擦り付けて腰を振った。 「春、よく見てなさい。これから俺たち一つになるから。これからずっと、ずーっと春は俺の物だよ」 言い終わると、春の殆ど湿っていない蕾の中に、猛りきった凶器を遠慮も気遣いも何もなく思いっきり埋め込んでいく。 「いっ、いたイッ…あ、あぁぁああ!」 春が一際大きな声で叫んだ時、中々先に進まなかった向田の物が、急にぬるりと中に収まった。無理な挿入で裂けたそこからの出血で、滑りが良くなった様だ。 「ああ……狭くて温かい。これが春の味なんだ。やっと春とひとつになれた…。これからずっと、毎日俺が、春をこうして愛してあげるから」 向田は、春の内部に自身を全て納めた体勢で暫く悦に入った。 1年以上も焦がれ、毎晩の様ににこうすることを妄想していた春を、今実際に組伏せ、貫き、遂に自分の物にしたのだ。 向田にとっては、これまで春を手に入れる為に奔走したご褒美を、やっと与えられた様なものだ。 もう指を咥えて見ている必要はない。 好きな時に、好きなだけ春を抱ける。自分の思うがままに操れる。どんな卑猥な命令だって聞かせられる。 なんて…なんて幸せなのだろう……。 向田が多幸感に酔っている傍らで、春は気絶しそうな程の痛みに思考も停止し、向田に言われた事も殆ど理解出来なかった。 ただただ痛みに耐える様に身体を硬直させて、はあはあと浅く短い呼吸を繰り返した。 向田は、春が抵抗出来ない状況である事が分かると、押さえつけていた足を解放し、代わりに両手で春の頬を挟んで唇に吸い付いた。 「ふ…っん……」 薄く開いていた春の口の中まで犯し、その舌を唾液まで全部啜る様に吸った。 春にとってはファーストキスだったが、甘酸っぱい思い出なんかには到底なり得ない卑猥なキスで、あまりの痛みに忘れかけていた向田に対する嫌悪感が甦ってくる。 気持ち悪い――。 しかし、頭を振って逃げたくても、頬をがっちり掴まれていて逃れられない。 無理矢理舌を吸い出され、絡ませられて、口の中の至るところを舐めつくされる。口付けの角度を変えては再び同じ様に犯され翻弄されて、呼吸すら自分の思い通りにできない。 しかも、貫かれている下半身からは鋭い痛みと異物感が継続して襲ってくる。 春は、自分はこのまま死んでしまうのではないかとすら感じた。 それなのに―――。 「動くよ」 数分間もの間春の唇を堪能していた向田が顔を離してそう宣言してからが、春にとって更に酷い地獄の始まりだった。 「…っ…ああぁぁッ!!」 向田は己がつけた春の傷を気遣う事もいたわることもなく、春の中を激しく突き始めたのだ。 「あぁ…春。痛いね。痛いね。春の中、すごくきつくて俺も痛いよ。でも、春が悪い子だったせいだよ。春が最初から素直でいい子だったら、こんな酷いやり方しなかったのに。今日は春がちゃんといい子になるまで、ここを躾けてあげるからね」 「ッ…やだ!もうやめて!いやだあっ!」 「春の中、ちょっと狭すぎるから、拡げてあげるからね」 向田はそう言うと、ただでさえ激しいピストンに加えて円を描くように腰を動かし始めた。 「ッイたいっ!痛いもうお願いっ!あぁぁぁッ!!」 「まだ。一回俺がイクまでは許してあげない。悪い子だった春へのお仕置きなんだから。俺が痛いことするのも、気持ちいい事だけしてあげるのも、どっちも春次第なんだよ。これからどうすればいいか分かるよな?」 向田はそう言うと、腰を大きくグラインドさせた。 春は、目の前で火花が散った様に錯覚した。向田の物に抉られた傷口がグチグチと開いて、例えようもない程の強い痛みが春を襲う。 「あぁ…少し拡がってきた。気持ちいい。気持ちいいよ、春」 ガクガク無遠慮に揺さぶられながら、春は深く絶望していた。 力づくで逃げることは不可能。やめてと懇願しても聞き入れて貰えない。 まるでキチガイの様な向田が満足するまではこの苦痛から逃れる事はできないのだ。 春の目からは涙が止めどなく零れ落ち、向田の動きに合わせて悲鳴を上げ続けた。 春が苦痛と絶望に苛まれている中、向田の興奮は最高潮だった。 挿入する前から爆発寸前だった物が、無理矢理自分の形に拡げて塩梅がよくなった春の身体を堪能して、自分の物で春に苦痛の声を上げさせて…そんな姿を見せられて長くもつ筈はなかった。 「ああっ、春…出すよっ!春の中にいっぱい出すよ!」 吼える様に言った向田が、腰の動きを早め、挿入をより深くした。 傷口を抉る鋭い痛みと、身体の奥深くを激しく突かれる鈍い痛み、それに内臓を押し上げられる様な酷い吐き気。春は自分の身体が壊されていくのをその身で嫌と言う程感じながら、それでも為す術はなかった。

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