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捕縛 11
「俺に逆らったらどうなるかわかったろう?」
ベッドの上で手足を抱えて小刻みに震える春に話し掛ける。
「春がちゃんと俺の妻として俺を愛して言うことを聞いていれば、こんな事はしないんだよ?」
春は抱えた膝の上に額を乗せて震えるばかりだ。
「春、顔をあげなさい」
声のトーンを低くさせてそう言うと、ピクリと肩を跳ね上げさせた春がそうっと頭をあげた。その瞳はゆらゆらと不安そうに向田の表情を窺っている。向田の存在に怯えきっているのだ。
今日の所はもう逆らわないだろう。
そう思った向田はニヤニヤした笑みを隠しもせずに春に命令した。
「股を開いて見せなさい」
案の定春は口答えせずに従った。
三角座りをしていた足を控え目に開き始める。
「それじゃあ見えないよ。もっとよく見せて。…足りないよ。こうだ」
恥じらいを忘れない春は好きだが、焦れったくてつい手が出てしまった。
縮こまった中心部分がよく見えるまで無理矢理股を抉じ開けると、春の震えが強くなった。
ついさっきまで虐められていたそこを、虐めていた張本人に開いて見せる事が怖くて堪らないのだろう。
だが向田は同情する処か気を良くした。
恐怖だろうと羞恥だろうと、春にその感情を生じさせたのが自分である事が嬉しいのだ。
春に触るのは勿論、春の感情を揺り動かすのだって、自分一人でありたい。
だから、春から向けられるものが例え嫌悪だろうと、それはそれでいい。
自分の事をどんなに嫌っていたとしても、春は逆らえないのだ。
そしていつか、自分を愛するしか道がない事に気が付くのだから、今は好きなだけ怖がればいい。
そう思いながら再び春の物に手を伸ばした。
「ひっ…」
春が身体を緊張させてひきつった声を上げたが、春の身体は全て自分の所有物なのだと言うことを解らせる様に好き勝手に扱いた。
「勃たないな」
途中でしゃぶってもみたが、それでも春のそこは柔らかいままだった。
まだ若過ぎて勃起が安定していないのと、怯えすぎているせいかもしれない。
向田は春の性器を弄る事は早々に諦め、自分のベルトに手をかけた。
春が息をのんだのが判り、わざと春の眼前で中身を取り出した。
「俺のはもうこんなにビンビンなのに」
春の鼻先に突き付けたそれがどれだけ春を欲しがり昂っているのかがよく分かる様に、自分の物を弾いて見せた。弾かれたそれは、バネの様に直ぐに宙を向く姿勢に戻って、ピシッと腹を叩く音が響いた。
「これが欲しい?」
「や…いや……やめて……」
「何をやめて欲しいんだ?」
「………れないで」
「ん?何だって?」
「いれないで…!」
「入れる?何を?どこに?」
「もうやめてっ!」
向田と春の表情は対照的だった。春が苦悶の表情を浮かべているのに対して、向田は実に愉しそうにしていた。
「おちんちんをお尻の穴に…だろう?言ってごらんよ」
向田はまだ下劣な言葉責めをやめない。春は泣きそうな顔でブンブン首を振った。
その言葉を嫌がる時点でそこを性的に使われた事を認めてる様なものなのに…。
向田は口元が緩むのを止められない。
「言ってごらんよ。言わないなら、お尻の穴でセックスしちゃうよ」
「やだ!だめっ!」
向田は春の身体に覆い被さって押し倒すフリをした。
春は向田が迫ってきた事で動揺して体勢を崩しかけたがそのまま仰向けにはならず、震えながらも抵抗してきた。
一昨日下の口を犯した時、相当痛かったのだろう。そして、まだその時の傷も治っていない筈だ。
春とセックスしたいのは山々だが、春の身体を壊してしまう訳にはいかない。この先ずっと本当の妻である春だけを抱くつもりなのだから。
だから、今日は別の方法で愉しませて貰わないと。
「だめだけじゃ分からないなぁ。何がだめなの?」
「入れないで…」
「どこに?」
「…………」
「分からないから、もうこれ入れちゃおうかな」
「ぉ、尻の…穴…」
「ん?お尻の穴?お尻の穴に、何をどうされたらだめなの?」
「入れないで!」
「そうじゃないだろう?『お尻の穴に孝市さんのおちんちん入れないで下さい』だろ?」
「そんな…こと、言えない!」
「ちゃんと言いなさい」
「…………」
「言わないってことは、お尻でセックスしちゃっていいんだね」
春はぎゅっと目を瞑り、唇を噛んでから、意を決した様に口にした。
「……孝市さんの……ぉちんちん……お尻に入れないでください……」
ああ…なんて愉しいんだろう。
春はたったこれだけの事で目を潤ませている。
恥ずかしがったり嫌がったりする事が向田をより悦ばせている事に、春は気づいていないのだ。
「完璧じゃないけど、まあいい。春がちゃんと言えたから、今日はお尻の穴でセックスはしないであげるよ」
春は心底安堵の表情を見せた。今日はこれで解放されると思っているのかもしれない。
向田はそんな気持ちを踏みにじる様に加えて言った。
「でも、お尻の穴に入れられないなら、このビンビンのおちんちん困っちゃったなぁ」
少し和らいでいた春の表情はまた固くなった。警戒心が伝わってくる。
「どうしたらいいかなぁ?」
わざとらしく春の口元にモノを持っていく。
春は顔色を悪くさせて、顔を背けたから、追いかけて口の回りにしつこく擦り付けた。
「や…やめてっ!!」
春は本気で気持ち悪いと言わんばかりに鳥肌を立てて嫌がった。
純粋無垢な春にとっては、向田のさせようとすることは何から何まで信じられない程非常識な事で、春からすれば、あり得ない事ばかりだった。
向田はクククと笑った。
本当に春は………俺を愉しませてくれる。
向田は春の髪の毛を掴んで逃げる春の頭を固定すると、ぬるぬるの先走りを春の唇に塗りつけた。
「口を開けなさい」
春は僅かに動く首を横に振った。
「春、俺に逆らっていいと思っているのか?」
そう言うと、すぐに春の瞳に怯えの色が戻ってきた。
「お口で気持ちよくしてくれないなら、お尻で一緒に気持ちよくなってもいいんだよ」
「……………」
春は視線を落として黙った。
……これは向田にとって予想外だった。春は尻の傷を開かれるのと同じくらいフェラチオをするのが嫌らしい。
「お尻に入れる時は、さっきの棒でおちんちんの孔も一緒に可愛がってあげるからね。きっと最高に気持ちいいよ」
そう言った途端、春の顔色がみるみる内に青くなった。
今の春にとって生々しい痛みである尿道責めが、脅しには一番効く様だ。
「尿道で気持ちよくなりたくないなら、口を開けなさい」
春は青い顔で震えながらおずおず口を開いた。
「もっと大きく開けないと、このおっきいのは入らないよ」
春の口がまた少しだけ開いた所に、向田は自分の物を捩じ込んだ。
春が苦しそうに呻いて咽せかけたが、喉の奥を一気に突いた。
向田も春の尿道を虐めていた時からずっと昂っていたのだ。もう我慢なんてしていられない。解放したくて堪らなかった。
「春、歯をたてるんじゃないぞ。そんな事したら、どうなるか分かるよね?」
春が目をぎゅっと瞑って口を大きく開いたので、向田は腰を振って喉奥を突きまくった。
「フェラチオの仕方は今度仕込まないとな」
春は舌を這わせるでもなく、ともかく歯を当てまいと口を開いているだけだ。それでも狭い口内だから出し入れの度に舌にも触れるし、喉の奥を突くときゅっと絞まってとても気持ちがいい。
今日は一方的なイラマチオの状態だが、この可愛い口にしゃぶって貰う事だって、向田が命じれば簡単にできる。
何も知らない純白の存在を自分の色に染めていく作業を想像するだけで、向田の性的興奮は高まった。
春の目はからは再び涙が溢れ、何度も咽せそうになっていた。
その潤んだ瞳が、苦悶の表情が、向田を更に昂らせた。
春のはじめてを次々と奪っていく事が愉しくて、気持ちがよくて仕方がない。
向田は春の頭を掴んだまま腰を振り続け、春の喉元奥深くに精を放つまで一度も口を解放してはやらなかった。
「げほっ…げほっ…」
向田の物が出ていった途端、春は蹲り苦しそうに咳き込んだ。布団の上には、向田の放った精液が唾液と共に溢れている。
「おい春、この間言った事覚えてる?」
春は肩で息をしながら、未だ塗れている瞳をこちらに向けた。
「俺が出した精液は全部飲みなさいって言ったよね?」
春の顔は再び青くなった。またお仕置きをされるのだと思っている様だ。
「舐めなさい」
「……え」
「春が溢した精液、全部舐めて綺麗にしなさい」
「そんな……」
唾液と混ざって空気に触れて冷たくなったそれは、とても喜んで舐める代物ではない。
それでも向田は、どうかもう許してという春の懇願の視線に、真顔で無言の圧力をかけ続けた。
そして、先に諦めた春の顔がゆっくりシーツに伏せられた。
赤い舌が覗いて、ペロリと向田の精液を舐め取る姿を見ながら、向田はうっとりと優越感に酔った。
どんな事でもさせられる。
まるで自分が春を操る神にでもなった気分だった。
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