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捕縛17

「今日はどこに行きたい?」 脱衣室の前で腕組みをした向田がニヤニヤしながら言う。 春はいつもの様に向田に渡された服に着替えさせられていた。 もう向田を前に春の人権なんてないに等しかったけれど、せめて着替えくらいは一人でしたくて、春は必ず脱衣室に入った。 そんな春をまるで監視するかの様に、向田は様子を見に来る。 ドアを閉めることは許されないから、結局着替えさえも一人ではできないのだ。 「行きたい所なんてない」 どうせどこに行っても辱しめられるのだ。 恋人の振りなんていう馬鹿げた事を強制され、男としての尊厳も踏みにじられ、その末に愉悦の表情を見せる向田にひたすら嫌悪が募るだけだ。 「そうか。じゃあ今日は食事抜きでセックスするとしよう。これからだと5時間はある。春が何回イクか楽しみだな」 向田はそう言って脱衣室に入ると春の腕を強く掴んで引いた。そして、真っ直ぐ春の部屋へと向かう。 「いやだ!離して!」 「嫌?離せ?そうじゃないだろ春。何回言えば分かるんだ。お前は本当に生意気だな」 弱々しく抵抗を示す春を、向田は乱暴にベッドに押し倒して首筋に顔を埋めた。 「やだっ、やめて…やめてくださいっ」 春のしおらしい言葉を聞いて顔を上げた向田は、意地の悪い笑みを浮かべていた。 「何でやめるんだ?」 「……連れて行って…ください」 「どこに?」 「……食事に」 「春も俺とデートしたいの?」 「……はい」 「じゃあ俺に言わなきゃいけないことあるよね?」 「……生意気言って、ごめんなさい」 「あとは?」 「……デート、してください」 「全く春は素直じゃないんだから。初めからそう言ってればいいものを。で、どこに行きたいんだ?」 「……どこでも。孝市さんの、行きたい所で……」 「可愛い奴め。ほら、仲直りのキスをしよう」 向田の顔が降りてきて、本当は逃げたしたいし歯をくいしばっていたいけど、その気持ちを圧し殺して春は受け入れる様に口を緩めた。 「……ン…ん…」 もう何度もされ過ぎて、息継ぎの仕方とかも覚えさせられたけど、それでも全てを吸い尽くすような向田の激しく自己中心的な口づけに、いつも春は呼吸を乱されてしまう。 「…キスして勃っちゃった。やっぱりこのままセックスしようか」 唇を離した向田がそう言ったから、春は慌てて首を横に振った。 「春はそんなに俺とデートがしたいのか」 迷いなくこくんと頷く春を見て、向田は笑みを深くした。 向田は確信犯なのだ。 春が一番何を嫌がり、どう言えば従順にさせられるか、向田はよく分かっていた。 これで今日のデートはいつもより楽しめる筈だ。 ずっと従順ならさぞ可愛いかろうに、甘やかすとすぐ跳ね返る。 手綱をがっちり握られている事は百も承知だろうに、春は繊細そうな見た目に反して気が強いのだ。 まあ、今ではそれはそれで楽しませて貰ってはいるがな。 今日は……座敷の個室があるあの店に行こうか。 そこで、春の身体で楽しみながら食事するとしよう。 不気味な笑みを浮かべた向田は、春に腕を組んで歩く様に命じて、駐車場へと向かった。 * 「やっ……やめて…ッ」 「久々にここを直接触って貰えて気持ちいいだろう?」 「やだ……おねがいっ」 「春が食欲なさそうだから。気持ちよくなったら食欲も沸くんじゃないかと思ってね」 「ちゃんと食べるから、離して!」 春は小さな声で、それでも必死に懇願した。 いつ誰が入ってくるとも分からない店の個室で、向田の股の間に座らせられた春の股間を、向田が厭らしい手つきで撫で擦っているのだ。 「あはは、春エロいよ。硬くなってきたじゃないか」 「っ………」 「どれ、窮屈そうだ」 向田は慣れた手つきで春のズボンのベルトを外すと、ボタンとジッパーにも手をかけた。 「やだっ!やめて!」 春はいつになく必死に向田の手を押し退けようとした。 「大丈夫。テーブルの下だから、店員にはきっと見えないって」 「お願い……お願いします!もうやめてっ」 春の力は殆ど込められていないものの必死の抵抗と懇願を全て無視して、向田は春の勃ち上がりかけの性器を下ろしたチャックの部分から引き出した。 「すごい…。この光景すごく卑猥だよ」 「失礼します」 向田が感嘆の声を漏らしたその時、襖が開いて給仕が料理を持って入ってきた。 春は咄嗟に両手でそこを覆ったが、あまりの羞恥に身体を震わせた。そして表情を探られないよう給仕が部屋を出ていくまでずっと不自然に真下を向いていた。 「そんなに隠さなくても見えてないって。春のここは俺だけのなんだから、他の奴に見せるような事しないよ。あ、ほら萎えちゃったから、また気持ちよくしてあげないとね」 向田は必死な春を嘲笑うかのように愉しそうにそう言って春の両手を払い除けるとまた性器を弄り始めた。 「もう…やめて……」 涙声の春を見て、向田は更に興奮した。触られてもいないのに、その性器は硬くなって春の尾てい骨あたりに当たっている。 「春の可愛いここ弄りながら食べると格別にうまいよ」 向田は左手で春を弄りながら右手ですき焼きの肉を食べていた。 春にとって、食事の光景がこんなにおぞましく見えた事はない。 「春も食べなさい。ほら、あーん」 生卵に浸した肉を、向田が口元に運ぶ。 春は吐き気がする程だったが、義務的に口を開いて咀嚼した。 「美味しいね。ああ、でも俺は目の前の春の方が美味しそうで、早く食べたいよ。春のここも、早くイきたそうだ」 向田は追い上げる様に指で輪を作って扱いた。 「…っ…ん……ッ」 「気持ちいい?気持ちいいよね。でもこっちだけではイかせてあげない。春は俺のおちんちんで気持ちよくならないと」 「や……ぁッ」 向田はその言葉の通り、春が絶頂を迎えそうになると刺激をやめて、また少ししてから弄るという寸止めを繰り返した。 そうしながらついには箸もおいて、カットソーの裾から手を忍ばせると春の乳首を転がした。 「こっちも調教しないとね」 「っや…ぁ……だ、め…」 解放する事を許されない快楽の波が春を襲い、普段擽ったさしか感じない胸の尖りからもジンジンといつもとは違う感覚が伝わって、絶頂感が高まってゆく。 「すごい。乳首もビンビンになった。春は本当にいやらしいね」 向田は、力が抜けてぐったりともたれ掛かっていた春の顔を上に向かせてキスをした。その間も絶頂に至らない程度にやわやわと性器と乳首を弄っていたので、春の口ははあはあとひっきりなしに漏れる吐息の為にいつもよりも更にされるがままで、まるでアナルを穿っている最中にキスをしている時と同じだった。 もう我慢できない……。 まだコース料理の途中であったが、向田は店員を呼びつけ会計を済ませると、ぐったりとした春の手を引いて車に乗り込んだ。 運転席についた向田は、エンジンをかけるとシートを後ろに引いた。そして、おもむろにズボンの前を寛げ始める。 「春があんまりいやらしいから、家まで我慢できないよ」 向田はそう言うと勃起したペニスを先程春にしていた様にジッパー部分から取り出した。 「咥えて」 こんな所で……。 「早く」 嫌がり躊躇する春の頭を捕まえ無理矢理屈ませて、春の口の中に長大なペニスを捩じ込むと、下から自らも腰を使いながら春の頭をまるで物の様に乱暴に上下させた。 「あー…いい……」 「うっ…ん…っ……うぅ…」 春の苦悶の声を心地よく聞きながら数分そのまま春の口を犯し続けた向田は、すぐに絶頂を迎えた。 精液を吐き出す度に、春の喉が苦しそうに締まる。その感触まで充分に愉しんてから、向田はようやく春の頭から手を退けた。 「溢すんじゃないぞ」 春は言われた通り、口の中に放たれた精液を溢さぬよう口を窄めたままゆっくりと頭を上げた。そして……。 「美味しかった?」 ゴクンと春の喉が上下したのを見て、向田がにやつきながらそう言った。 こんな汚いもの、美味しい訳ないじゃないか。 それでも睨み付ける事も反発する事も出来なくて、春は唇を噛んで向田の方を見ないように俯いた。それが、今春ができる精一杯の抵抗と拒絶だった。 「今夜はね、ちょっと特別な物を用意してあるんだ。楽しみにしていなさい」 そう言って、向田は機嫌よく車を走らせた。 春にとっては、向田が傍にいる以上どこにいても地獄だった。店の中も、車の中も。どこにも春の安息の場所なんてない。

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