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鳥籠 26

「笹原やるじゃん」 茶髪がニヤニヤと笑いながらベッドに近づいてくる。 春はベッド柵に固定されて身動きがとれず、ベッド脇に立ったままで笹原を見た。笹原はこちらに冷たい視線を寄越しながら、口許だけは不気味に笑っていた。 「笹原…」 自分は笹原に嵌められたのだ。この状況ではそれしか考えられない。 でも、どうして? 俺は笹原と話したことなんか一度もなかったし、恨みを買うような関わりもなかった筈なのに…。 「状況は察した?いい気味だね、向田」 「なんでこんなこと…」 「わからない?お前が邪魔でしょうがないからだよ。お前は僕と斗士くんの下僕になる筈だったのに、いつの間にか斗士くんの恋人気取り。そんなの許せない。下僕は下僕らしく汚れて這いつくばってろよ」 は…?どういう意味? 「笹原お前意外と喋るんだ。しかも毒舌。おもしれ。でも、俺達早くご馳走にありつきたいからさ…」 既に目前に迫っていた茶髪が、春の身体を抱きかかえる様に首と膝の裏に手を入れてきた。春が自由な左腕と両足を使って必死に抵抗すると、3人がかりで押さえられてしまう。 「やめろ!触んなよ!」 「威勢がいいのもモロ好みだわ」 「こいつ肌つるつるじゃん」 3人の男に上半身と下半身をそれぞれ抱えられ、乱暴にベッドに放られる。 慌てて身体を起こそうとしたが、ベッド柵に固定された右手がついてこずにすぐ仰向けに倒れてしまう。 身体の上には既に茶髪が跨がっていて、他の二人は春の両脇に立って、一様にニヤニヤと嫌な笑みを浮かべながら春を見下ろしている。 「こないだお預け喰わされた分もたっぷり可愛がってやんよ」 羽織っていただけのジャージを払われ、Tシャツの裾に手をかけられた時に、これから起こることが急に現実感を伴い、春は形振り構わず自由な左腕を振り回し、足を蹴り上げた。 「おっと…暴れるなよ!」 茶髪が一瞬よろけたが、すぐに両脇の二人に足も手もベッドに押さえつけられてしまい、今度はやめろだとか離せだとか、ともかく力の限り叫んで抵抗した。 「黙れよ、下僕」 笹原が春の顎を掴むと、口の中に小さく丸めた布を2つ押し込んできて、バンダナの様なもので猿ぐつわを噛まされる。声での抵抗も奪われ、春の口からはもうくぐもったうめき声しか出なくなった。 茶髪は笹原から受け取ったタオルで左腕もベッド柵に固定した。 「笹原気が利くじゃん。お前も混ざる?」 「…僕はいい。汚されて斗士くんに捨てられたら、その時遊ぶから」 「へぇ。ま、俺らも今回だけで済ませるつもりないけどね」 身体の上で物騒なことを言う茶髪と、枕元に立つ笹原をキッと睨み付けるも、手足は全く動かせないし、大声を出して助けを呼ぶこともできない。 それでもんーんーとくぐもった声を上げて抗議した。 「キツイ顔もかわいーねぇ。大丈夫だよ。言っただろ?俺上手いから、天国見せてやるよ」 *** 茶髪の手が再びTシャツの裾に伸びて、一気に胸まで捲り上げられた。 「!!」 その場にいる全員が息を飲んで一瞬静まり返り、誰かがゴクリと唾を飲む音まで聞こえた。 「これ、全部望月…?」 「すっげーな…」 「愛されすぎでしょ…」 茶髪達が興奮を抑えた様な声を出すなか、笹原だけはギリっと歯を噛んでいた。 「このアバズレ!!斗士くんじゃないよね?まだ抱いてないって聞いてるよ。許せない。斗士くんを弄んでたなんて!」 「相手望月じゃねぇのかよ。写真のスーツか?それにしてもこりゃそーとーヤってんな。遠慮はいらなそうだ」 茶髪の言葉を合図に、下のジャージにも手をかけられ、下着も一緒にずり下げられ、羞恥やら悔しさやら情けなさで涙目になる。 嫌だ! もうこれ以上紫音以外の男に触られたくない。 もう自分が足の先まで全部汚れきっているのは、言われなくても知っているが、それでも汚いなりにこれ以上穢されたくない! そんな春の思いとは裏腹に、3人の男達の手が縦横無尽に春の身体を這い回り、さも楽しげに会話が繰り広げられた。 「下の毛少ないから、なんか悪いことしてる気分だわー」 「でも見てみろよ。こんな所にも痕つけられてるぜ」 「うっわ、エロ…」 「やべー俺もうびんびん…」 春の足は2人の男達によって左右に割られて、その中心部分を覗き込まれていた。 足をどうにか閉じようにも、1本ずつ2人の男に掴まれていてはどうにもならない。 「ちょ…俺舐めていい?」 「お前男初なんじゃねーの?大胆だな」 「こいつのなら、全然気になんねー」 言うなり、まだ何の反応も示していなかった春の物を一人の男が銜えて扱き始めた。 もう一人の男は掴んだ太股を舐めていて、茶髪は春の胸の突起を舐め回した。 気持ち悪い! なのに…。 こんな知らない男にこんなことをされるのは嫌なのに、心とは裏腹に快楽に弱く従順な身体は少しずつ反応を示してしまう。 「フェラ気持ち良さそう…。目がトロンとしてきたぜ」 茶髪が興奮しきった声で言う。 密着した茶髪の中心が大きさも増して硬くなっていることは嫌と言うほど思い知らされていて、それがまた一際大きくなったのがわかった。 「後ろも慣らしといて。俺もう入れたい」 茶髪が言うと、ヒヤリと冷たい物を後ろの孔に塗られ、直後に何かがそこに挿入される。動きですぐにそれが指だとわかった。 「やば締まる。絶対気持ちいいよこれ」 男の指が増やされ、孔の中を動き回ると、すぐに敏感な所を発見されてしまう。 「…ち○ぽびくびくしてる…」 春の物を銜えながら男が喋る。 「おっ、前立腺発見か?」 「ほらまた…」 嫌だ…。 気持ちよくなんかなりたくないのに、身体が言うことを聞かない。 男の指がそこを刺激する度に腰が揺れてしまうのを止められない。 悔しい、恥ずかしい、消えてしまいたい…。 「泣いちゃった。まじでかわいー…」 茶髪は何が楽しいのかだらしなく口元を弛めて春の顔を真正面で覗き混みながら指で乳首を弄った。 *** 「そろそろ入るんじゃね?」 男の指が抜かれ、性器も解放される。 茶髪が頬にキスをして春の髪に手を差し入れ頭を撫でた。 「お前ほんとかわいーな。奥手な望月なんかやめて、俺にしろよ。あんなオヤジに慰めて貰わなくても、俺が可愛がってやるぜ?」 「ちょお、金子。早く突っ込めよ。俺たち待ってやってんだから…」 「わーってるよ!…今最高に気持ちよくしてやるからな…」 茶髪が春の足の間に移動してすぐにカチャカチャとベルトを外す音が聞こえた。 このままじゃ犯られる…! どうにかしないと…! 春はこの状況から逃れられる方法を探すため唯一自由な首を左右に動かし視線を彷徨わせた。 そして、春の身体には一切触らず、ただ冷たい目で視るだけだった一人の男に目が止まった。 笹原…! 助けてと必死に目で訴えるが、笹原の目付きは変わらない。それどころか面白そうに口元を歪ませ、饒舌に語った。 「ほんとにいい気味。アバズレにはちょうどいい卑猥な格好だね。…お前さ、斗士くんに愛されてるって勘違いしてるかもしれないけど、斗士くんだってお前を下僕にしようとしか考えてないからね?…例の写真、撮ったのは僕だけど、指示したのは斗士くんなんだよ。お前を傷つけて孤立させて、下僕に仕立てやすくしようとしてたのに、お前って神経図太すぎてさぁ…」 あははと楽しそうに笑う笹原の声が口の動きとずれて聞こえる気がする。 そのくらいの衝撃だった。 斗士が、俺を…? 嘘だろ…。なんで?なんで…? 「春くーん。こっちこっち。入れるから戻ってきて」 茶髪の呼び掛けに反射的に足元を見ると、両足をそれぞれ抱えられて、その真ん中に陣取った茶髪が自分の物を握って狙いを定めていた。 斗士の事を考えていた頭が一瞬でまた現実に戻り、犯られまいと必死に身を捩った。 「ほら、ケツ動かすなよ。入んないじゃん」 掴まれた足がどんどん上に上げられて、腰を宙に浮かされた。 最高に恥ずかしい格好だし、無理に伸ばされた筋が痛んで思わずあげた悲鳴は、全部布に吸収されて、意味を成さない小さな音にしかならなかった。 茶髪に腰を固定され、もう最後の抵抗すら奪われた。 もうだめだ…。犯られる…!

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