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第14話

服脱いでふと鏡を見たら鎖骨下に赤い痕を見つけた。 やられた… 颯斗とはもう何回もヤってるけど、こんな事をされたのは初めてだった。 痕に触れながら溜息を吐いた。 そして、軽くシャワーを浴びた後、タオルで適当に身体を拭いて、真っ裸のまま頭ガシガシ拭きながら部屋に戻った。 「なぁ、シュート。目の前真っ裸でウロウロすんなよな。」 「今更だろ。」 「せめてタオル巻くとかさ。」 「面倒だ。」 取り込んだままになっている服の山から適当に下着と服を抜き取った。 「ホント、面倒くさがりだなぁ…。つーか、せめて畳めよな。虫湧くぞ。」 「お前は母ちゃんか。とりあえず、腹減ったから飯買ってくる。」 「もー、無視すんなぁ~!」 怒っている颯斗を横目に、パーカーを羽織って、財布と携帯をポケットに突っ込んで、徒歩3分のコンビニへ行った。 オムライスとおにぎりをカゴに入れた。 颯斗はいつもオムライスだ。 基本、颯斗が来る時は手料理を食わせてもらう事が多いが、今それを要求するのはあまりにも酷だ。 ちなみにウチにはレンジがない。 コンビニが近いと、その場で温めてもらっても冷めないのが有り難い。 温めるのを待っているとスマホが震えた。 着信の相手は八神だった。 当然、それに出るつもりはない。 俺は温まったオムライスを受け取り、コンビニを出た。 コンビニからアパートに帰るまでに三回… 今更謝罪の電話だろうか… 謝罪なんていいから、もう構わないでほしい。 それが本音だ。 アパートに着いて、扉を開けた瞬間、颯斗が飛び付いてきた。 俺よりデカい颯斗に飛び付かれたところで、俺に受け止められるわけもなく、案の定尻餅をついた。 「あ、ごめん、シュート。」 颯斗が俺から退くと、その顔はさっきとは打って変わってバカみたいに嬉しそうだった。 「危ないだろ。」 「それより、それよりな、シュート!!壱矢さんから連絡きたッ!!」 多分、今颯斗の頭の中は壱矢さんとやらでいっぱいだ。 むしろ色々お花畑だ。 「…分かった、分かったから取り敢えず中に入れ。そして黙れ。迷惑になる。」 壁の薄い古ぼけた安アパートだ。 これ以上、廊下で騒がれるのは困る。 俺は颯斗を部屋に押し入れた。

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