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第17話

早々に朝飯を済ませて、服を着替えて部屋を出た。 アパートから駅まで徒歩20分。 いつもならチャリで10分だが、今日は颯斗が居るから徒歩だ。 最寄り駅から大学まで1駅。 駅から大学まで徒歩6分。 大学までは大体2、30分程度だ。 歩きながら、颯斗の壱矢話は永遠と続いた。 デカい声でセックスの話を聞かされても困る。 周りからの視線が痛い。 「でな、壱矢さんがな…」 「お前黙れ。」 「えー、聞いてくれよ~。」 「こっちの身にもなれ。いい加減胃もたれしそうだ。」 「ひでぇ~ッ!」 颯斗のアホな会話に付き合っていたらあっと言う間に大学に着いた。 「颯斗、講義終わったらまたココな?」 「ん、りょーかーい。」 颯斗とは専攻が違うから途中で別れた。 講義は真面目に受ける方だ。 奨学金制度を利用して通っているから、真面目にもなる。 ちゃんと学ばないと金がもったいない。 集中している分、講義が終わってからの疲労感は半端ない。 おまけに、教授からはレポートの課題が出された。 頭の中で提出までのスケジュールを立てた。 明日出せというものでもないから、毎日コツコツやれば終わるだろうが、性格上ギリギリになって余裕がなくなるのは嫌だ。 だからなるべく早く片付けたいところだ。 俺はノートを鞄に入れて、颯斗との待ち合わせ場所に向かった。 颯斗は時間にルーズだ。 だからいつも俺が待たされる。 なのに、今日は珍しく颯斗が先に来ていた。 俺を見つけた颯斗が、ガキみたいに手を振った。 「シュートー。」 「落ち着け。そして黙れ。…つか、お前が先に居るとか珍しいな。」 「なんかさ、壱矢さんに会えると思ったらついな!まぁ、この顔見られんのは恥ずかしいけど…」 「あー…マジで壱矢話は勘弁してくれ。」 「ひっでぇ~!!つか、壱矢とか呼び捨てすんなよなぁ。壱矢さんと呼べ、壱矢さんと!」 「…つか、腹減った。」 「じゃぁ久しぶりに店で食おう。たまには店に貢献しないとな!」 「そうだな。」 大学を出て、バイト先に向かった。 図体がデカい颯斗は、バイト先まで腹が保たないらしく、途中のコンビニでチョコを買った。

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