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第24話
ソファーが音を立てて倒れていった。
どうやらこのソファーはリクライニングソファーだったらしい。
八神がソファーに這い上がって、気づいた時には組み敷かれていた。
「おい、降りろ…ソファーが壊れる…」
「構わないよ。買い直せばよい事だからね…」
「ふざけるなッ!また強引にあんな事する気か!!」
「…そうだよ。嫌かい?」
「当たり前だろ!!離れろ!!」
「少し考えれば分かる事だとは思うけれどね。…いや、君の頭には過っていた筈だよ。俺に着いてくるという事はまたあの日のような事になるかもしれないという事が。」
顔が更に近づいて、俺の唇を噛み付くように塞いだ。
俺になにも言わせないくらい強引なキスだ。
「…んンッ…やめ…ッ…」
「…ッ…」
呼吸が奪われて、鼻にかかった声が漏れた。
息が出来ない…
苦しい…
顔の角度を変えながら何度も…
目をキツく閉じる。
目尻に涙が溜まる。
あまりの苦しさに、八神のシャツをキツく握った。
「んッ…ん…ン…ッ…」
もう限界だというところで唇が離れて、呼吸を荒あげながら八神を睨んだ。
「…そのような表情は俺を煽るだけだよ、蹴人。」
「…ハァ、は…ぁ…煽ってなんか…っ…」
「…蹴人。ほら、口開けて舌を見せてごらん?…」
やっぱり八神は変態野郎だ。
こんな事を要求してくるヤツが変態じゃないわけがない。
「誰が…するか…ッ……」
「ふふ、強情なのだね。」
できるわけがない。
こんな事を言われるなんて、屈辱だ…
グイッと顎を上げられて、熱い視線を向けられた。
激しいキスに身体はすっかり熱くなっていた。
そして、俺は確信した。
もう、逃げられない事を…
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