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第15話
胸の突起を捏ねると身体が跳ねた。
突起は赤く腫れ上がり、熟れている。
舌先で転がし、それを押したり吸ったりする動作を繰り返す度に彼の口元からお酒混じりの熱い息が漏れた。
無意識に求めた胸の膨らみは有る筈もなく、触れたのは薄い胸だった。
一瞬我に返り、苦笑する。
行く宛を失った手で、突起を弄んだ。
彼は男性であり、その彼に今まで湧いた事のない程の激しい興奮を覚えている。
「……んン…ッ…」
彼の唇から漏れた声は、女性の甲高くわざとらしい猫なで声とは別のものだ。
彼の体温を感じたくなり、緩んだネクタイを解き、シャツを脱ぐと、それらを床に落とした。
普段ならばこのような事はしない。
こんなにも余裕のない自分に呆れてしまう。
自分を煽るように音を立てながら再度突起に吸い付いた。
「…んッ…ン…」
キツく吸うと、身体が覚えているかのように、首を反らせて胸を突き出し強請る。
モヤモヤとしたものが沸き上がった。
このような反応…
何処の誰に仕込まれたのだろうか…
その見えない影に芽生えた感情は、紛れもなく嫉妬だ。
彼は恋人ではない。
それなのにも関わらず、このような感情を抱くなど間違っている。
理解しながらも、一度芽生えた気持ちは簡単には抑える事ができない。
痕を残しながら執拗に愛撫をした。
このようにしつこく愛でるような愛撫はした事がない。
醜く自分勝手な嫉妬心を抱いた事も初めてだ。
ゆっくりと顔が近づく…
唇が触れ合う少し手前で踏みとどまった。
せめてキスくらいは意識のある彼としたかったのだ。
俺のモノは、まるで解放の時を待ちわびているかのように下着の中で育っている。
そっと触れた彼のモノも同様である事に安堵した。
自分以外のモノに触れるなど、初めての事だ。
浮き上がった血管が波打ち、熱を持ったソレは先走りを漏らしながら張り詰めて震えていた。
例え眠っていたとしても、人は感じるものなのだという事を知った。
軽く包み込み、強弱をつけながら扱くと、彼は身体を震わせて達した。
「凄い飛距離…」
勢いよく飛び散った白濁を見て苦笑した。
若さ故なのだろうか。
サイドテーブルの引き出しからローションを取り出した。
女性の性器を舐める事に抵抗がある為、挿入の際はローションを使用していた。
まさか、男性相手に使用する日が来るとは思ってもみなかった。
男性同士の行為の知識はある。
知識があるからこそ、触れた事は間違いだったのかもしれない。
彼を目の前に、理性など保てる筈がない…
俺は彼の足を開かせて、指にローションを絡めた。
その粘着質な音は、いつも以上に卑猥に聞こえる。
その姿に本当に堪らなく唆られて、もう引き戻せないのだという事を理解した。
彼の蕾に指を這わせ、ゆっくりと彼のナカに指を進ませた。
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