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第18話

女性であったなら… そのように考えると恐ろしい。 男性だからという安易な考えでこのような事をしたわけではない。 けれど、精神的な満足感を得た事も確かだ。 マーキング行為。 決して他人に知られる事のない場所に印を残す事で優越感や支配感を得たのだ。 彼の身体に無数に散ったキスマークも同様だ。 それは、俺ではない他の誰かに身体を許すかもしれないという不安や恐怖心から付けたものだ。 どちらも非常に幼稚な行為である。 精神的満足感を得る為だけの幼稚な行為である事を理解していても、俺だけの物にしたいという気持ちばかりが先立って、止める事ができなかった。 罪悪感を押し殺すように、彼の奥を幾度となく攻め立てた。 そして、彼の快い場所を見つけた。 「ッン…は、ぁ…あっ…」 彼の口元から一際高い声が漏れた。 可愛らしい… その場所を何度も突くと、彼は可愛らしく乱れた。 「…くッ…」 ベッドがギシギシと軋む程激しく突き、部屋が卑猥な音と肌がぶつかり合う音で充満した頃に彼は達した。 それは、俺も同様だ。 抜く事もなく、俺の精液を受け入れた秘部からは、溢れ出た白濁が泡立っていた。 彼の長い睫毛が震えて、その目がゆっくりと開かれたのはその頃だった。 トロンとして、涙目の彼と目が合う。 「…ンん…ッ…はぁ…」 「…ッ…目が、覚めたかい?…」 あえて余裕があるように装う。 余裕などあるわけがない。 彼の視線が俺を更に欲情させた。 今自分の身に起こっている状況を整理しているのだろうか、瞳が忙しなく動く。 戸惑った姿も可愛らしい… 目を覚ました彼がどのように乱れるのか… 再度突き上げた。 「んン…は、ふッ…く…ぁあ…」 彼の唇からは甘い声が漏れた。 彼の瞳が俺が映している… 「…ふふ、…まだ足らないようだね、奥が…とても収縮しているよ…」 足らないのは俺の方だ。 このどうしようもない程にドロドロとした気持ちを…俺は隠し通す事ができるのだろうか。

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