焦らせて焦らせて、蹴人の反応を楽しむ。 拒否をするのか、受け入れるのか… どちらに転んでも、最終的にはこれでもかと甘やかすつもりだ。 答えを出すまでにそう時間はかからないだろう。 突然ネクタイを強く引かれたかと思った時には唇が塞がれていた。 これは驚いたものだ。 蹴人の導き出した答えは、俺の選択肢の中にはなかったものであった。 受け入れ難いが、かといって欲しくないわけではない… 察するにそういう事ではないだろうか。 少し強引に舌が入ってきた。 俺は迷う事もなくそれを絡め取る。 「…ん…ッン…ふ…っ…ハァ…」 あまりに可愛らしくて息が詰まった。 俺の言葉に蹴人の頬が赤く染まった。 本当に… 俺を蹴人は煽るのが上手い… 「…ッ…ハァ………困ったな…。君は本当に、可愛らしいね。」 「ッ…」 甘めの声で囁き、熱い視線で見つめれば、それだけで蹴人は俺に流されるという自信があった。 予想よりも早く蹴人の舌が伸びた。 嬉しさに顔が緩んでいくのを感じた。 顔をゆっくり近づけて、唇と唇が触れる位の距離で囁く。 「…蹴人、君のその可愛らしい姿をもっと俺に見せて…」 「ッ…」 「…いい子………」 そして舌を絡め取って再度唇を塞いだ。 「…っン、ん…」 隙間から漏れた声が可愛らしい… いや、可愛らしいとはまた違うものかもしれない。 俺の理性を一瞬にして奪い去っていくような… そんな声だ。 次の瞬間、蹴人が俺の舌を吸い上げた。 たったそれだけの事が、蹴人から求められているような気がして嬉しかった。 再度唇を重ねて蹴人の口内を味わった。 蹴人の口内の熱が俺を壊していく… 混ざり合った唾液が卑猥な水音を立てて聴覚を麻痺させた。 「……ンッ…」 「は、…んン…ッ…」 俺のキスで蹴人が興奮してくれているのか、足に硬いモノがあたった。 「…ハァ…ッ…」 「ん…ン…ッ…ハァ…も、…止め…ッふ…」 ゆっくり唇を離し、蹴人と俺を繋ぐ唾液を舐め取った。 「………蹴人、俺とのキスは…気持ちが良かったかい？…」 「…ッハァ、…気持ちいいわけ、ないだろ…ッ…」 「嘘はいけないよ、蹴人…」 「…ッ、黙れ…」 「君にさえも見せたくない程に、可愛らしい顔をしているよ。」 余程苦しかったのか、蹴人の息はまだ息が上がっていた。 蹴人は唇を手の甲で拭いながら俺を睨みつけた。 どうやら蹴人はその顔が俺を興奮させるのだという事を分かっていないらしい。 「黙れ…」 「その証拠に、もう反応を示しているよ…」 俺は指先で服の上から蹴人のモノをなぞった。 「…あッ…」 蹴人の口元から引き攣った様な声が漏れて、その声に蹴人自身も驚いたらしく慌てて口を塞いだ。 「君のモノは、可愛らしい顔に似合わず、随分と立派だよね。…一体どれ程の人と経験を積んだのだろう…そのように考えただけでも妬けてしまうよ…」 遊んでいましたと言わんばかりの立派なモノの形をなぞれば、ビクビクと身体を震わせた。 何人を悦ばせてきたのだろうか… 考える度に俺を腹立たせるこの感情は嫉妬にも似ていた。 「そんな言い方…するな…ッ…んン…」 「俺よりも先にこの身体を知っている人間が居るのかと思うと…気が狂ってしまいそうだよ…」 俺はまるでおしおきでもするかの様に蹴人のモノをキツく握った。 「…痛っ…」 蹴人な目に薄っすらと涙が浮かんだ。 「ふふ、痛むかい？」 「…当たり前だ、ふざけるな…ッ…」 蹴人の後頭部に手を回しそっと撫でなら、舌先で涙を掬った。 「ねぇ、蹴人…」 「…」 「君を、抱きたい…」 蹴人の肩口に顔を埋めて、拒否などできなくなるくらいに甘い声で囁いた。