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第38話

乳輪をなぞると焦らせているせいか切ない声を上げた。 「…そのような顔をして、本当に可愛らしいね。焦らされるのが、好きなのかい?」 「ん…、やめッ…そんなところで喋るな…ッ…」 我慢ができないのか、蹴人が自ら胸を突き出した。 俺は堪らず突起を口に含ませた。 「…ッ……」 「は、ッ…ンん…」 舌先を小刻みに動かすと、蹴人は必死で声を隠そうとした。 「こーら、隠しては駄目だよ。君の可愛らしい声を聞かせて…」 「だからッ…そこで喋るなって…ンん…ッ…」 何度もしつこい位に音を立てながら乳首を吸い上げると、もう片方を指の腹で捏ねた。 「…ふふ、何故だい?…」 「…ッン、だから、…やめッ…ろ…って…んぅ…」 止められる筈がない。 俺は乳首から唇を離し、蹴人を見上げた。 そして、それ以上は聞きたくないと人差し指で蹴人の唇に触れた。 「止めないよ。…男に二言は、ないのでしょう?」 「…ッ…」 「嘘はいけないよ、蹴人。止められて困るのは、君の方ではないのかい?」 やはり蹴人は可愛らしい… その様な台詞は反則だ。 嬉しくて堪らない。 「…黙れッ…」 「本当に、君は可愛らしいね…」 蹴人の頬に触れて、額にキスを落とした。 そして、ベルトを外し蹴人のホックに手を伸ばし、チャックを下ろした。 ジーンズと下着を付け根辺りまで下ろすと勢い良く蹴人のモノが飛び出し、はち切れんばかりのそれを握った。 「苦しかったのでしょう?…」 「ハァ、…ンん…っ…」 「もうトロトロにとろけているね。君の先走りでとてもよく滑るよ…」 強弱をつけながらソレを扱いた。 感じてくれているのか、徐々蹴人の表情がトロンとなった。 この反応は嬉しいけれど心配だ。 快感に流されるタイプ… 俺以外にこうして触れられたら許してしまうのだろうか… 「ッふざけ…ンッ、ん…」 「蹴人はもう少し素直にならなければいけないね、この身体のように…」 「は、ぁ…だまッ…れ…」 扱きながら親指の腹で先端を擦れば蹴人の腰がビクビクと揺れた。 「八神…ッ…」 「一度、楽になろうね?」 「やめ…ッ、…イくッ…あぁッ!!」 それはこの場所でなければ良いという事だろうか。 そのような台詞は卑怯だ… このまま寝室に連れて行きたいところだけれど、今にも達しそうに手の中で震えている蹴人のモノの事を考えれば酷な話だ。 射精を促すように激しく扱いて、先端に軽く爪を立てると蹴人は全身を震わせて達した。 身体を痙攣させたまま数回に白濁を散らし、俺は最期の一滴まで搾り出した。 搾り出した分がドロドロと蹴人のモノを伝い、なんとも卑猥だ。 「蹴人の達した時の表情、とても可愛らしいよ…」 「はぁ、はぁ…はッ…ふざ、けんな…ッ…」 指に纏わりつく白濁を舐め取った。 「蹴人、おいで…」 「…は、はぁ…ッ馬鹿…やろッ…」 蹴人に手を差し伸べるとそれが気に入らなかったのか睨み付けられてしまった。 「…まったく、君って子は…。そういう顔が可愛らしいという事が全く分かっていないね。…本当に、困った子だよ…」 待ち切れなかった。 俺は半ば強引に蹴人を引き寄せた。 そして蹴人の腰に手を回して担いだ。 「…てめッ、…やめろ…おろせって…ッ…」 俺の肩の上でジタバタとする蹴人のお尻を軽く叩きながらあやし、寝室へと連れて行った。

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