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第3話

バイトが終わって颯斗とタイムカードを押した。 そして、いつも通り着替えながらの高校生トークが始まった。 「シュートは今日八神さんと会うのか?」 「別に…」 「別にって…。でもさ、なんだかんだ言いながら八神さんと会ってるみたいだし。マジ嫌な相手だったら普通会わなくね?」 「…」 まったくもって颯斗の言う通りだ。 なんだかんだで八神を拒めない。 図星すぎて黙るしかない。 「むふふふふ。そんなにイイのか、八神さんナカ。それとも意外に啼き方が可愛いとか?綺麗な顔が歪むのに興奮するとか?」 颯斗は完璧に勘違いしている。 確かに、八神は無駄な色気がだだ漏れしてるから颯斗が勘違いするのも分かる。 そもそも俺が突っ込む方ならこんなに腹も立たない。 むしろ、そっちなら大歓迎だ。 「お前だから言うが、笑うな、絶対に笑うな。あり得ない事に、俺が、…突っ込まれてる…」 「…!!!」 颯斗は口をあんぐり開けて目を見開いていた。 今更颯斗に隠し事をするつもりはない。 ぶっちゃけてはみたものの、颯斗の頭はオーバーヒートしたらしい。 「おい、しっかりしろ。」 颯斗の目の前で手を振ってみた。 「…え、あ、あぁ、悪い。ちょっと閻魔様に会ってきたわ。」 「閻魔様って…」 「シュート、今の…マジで?」 「…マジ。」 「待って、ちょっと落ち着く。」 颯斗が冷蔵庫を開けると例のアイスコーヒーを取り出して一気に喉に流し込んだ。

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