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第14話

誰かと浴室に入るだなんて何年ぶりだろう。 多分、高校の修学旅行ぶりだ。 家族は俺以外女だし、アパートはユニットバスで一人でも狭く感じるくらいだ。 それに比べてココの浴室は、一人で使うには広すぎるし、二人で入っても狭さを感じない。 そもそも、家の風呂に大の大人が一緒に入る事自体がおかしい。 俺は妙な緊張感を覚えた。 そんな気持ちを誤魔化すようにシャワーを浴び続けていると、八神がシャワーを止めた。 抗議しようと振り返って睨みつけた。 「おい。」 「シャワーの音は、邪魔だからね。」 「は?」 八神が詰め寄ってきて、壁際に追いやられた。 足の間に八神の足が割り込んで身動きがとれない。 その足でグリグリとチンコを刺激された。 この間勃たなかった筈のチンコが甘勃ちする。 「…んン…ッ…止め…」 「…蹴人の声は全て聞いておきたいからね、シャワーの音は邪魔だよ…」 「朝っぱらから盛…るな…ッん…」 抗議の声は聞き入れられる筈もなく、唇が塞がれた。 足でチンコを弄られながら口内を貪られた。 口の中に歯磨き粉の独特な味が広がる。 浴室の熱気と身体に篭った熱で頭が麻痺してくる。 口元からはくぐもった声が漏れた。 ゆっくり唇が離れて、八神が顔中にキスを落とした。 「蹴人、君は本当に可愛らしいね…」 「可愛いわけないだろっ、止めろ…」 「素直じゃないね…」 八神が苦笑しながら俺の頬を撫でた。 癇に障る触り方だ。 またグリグリと膝で押される。 「お前、仕事…ッ…だろ…」 「そうだね。仕事はあるけれど、少しでも休むようにと、折戸が色々と気を回してくれてね。午後からの会議に間に合えばよいと、半休を貰っているから…」 「知るか…ッん…はぁ…止め…ろ…」 「蹴人、集中して…」 「…んッ…黙れ…っ…」 「…今日はいつもよりも強情なのだね。」 「…んン…黙れって…ッ…」 「…早く流されて…」 足で擦るような中途半端な刺激が焦れったい。 それに、強情にもなる。 所詮、俺はあの男の身代わりだ。 「…なら…流して、…みせろよ…」 「言われなくてもそのつもりだけれどね…」 八神はそう言って小さく笑った。

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