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第33話
こんな事は初めてだ。
動悸が酷い…
身体が火照って、クラクラして、変な汗が出る…
「なぁ、八神…」
もう止められない。
服を脱ぎ散らかしてベッドに上がった。
「…悪いな、なんか…ちょっともう…抑えられそうにない…」
八神に掛けられた布団を剥いで、ズボンと下着を足の付け根辺りまで脱がし、サイドテーブルからローションを取り出した。
折戸さんより俺の方が詳しい事…
ローションの場所とか、八神のエロいイキ顔とか…
流石の折戸さんもそこまでは知らない筈だ。
ただ欲情しているだけなのか、折戸さんに対する嫉妬心からきているものなのか…
俺には分からない。
ただ、今はこの苦しさから解放されたい。
それだけだ…と言い聞かせた。
指にローションを絡めて、八神のチンコを握って扱いた。
俺の動悸は治まりそうにない。
むしろ更に荒くなった気がする。
八神のチンコはすぐに甘勃ちした。
ざまぁみろ…と思って、口元が緩んだ。
暫くすると、ローションと先走りでヌチヌチと卑猥な音が部屋に響いた。
「…んン…ッ…」
八神の睫毛が揺れて、その口元からくぐもった声が漏れた。
それが、嬉しいとか可愛いとか…
いつもなら、執拗な前戯でこれでもかというくらいに解される。
でも、どれだけ解されても挿入れてから暫くは痛む。
何度経験しても慣れない。
痛いままだ。
それを気にしてか、最近の八神は挿入れてから暫くは動かない。
馴染むまでずっと待っていてくれる。
その代わり散々唇を貪られて、乳首を捏ねくり回されて、チンコを擦られて…
俺は情けないやら悔しいやら気持ちいいやらでわけが分からなくなる。
わけ分からなくなったところで大人しくしていた筈の八神のチンコが中を緩く擦りだす。
段々激しくなって、奥を抉るように暴れだしたらもう俺はバカになっていくしかない。
でも今は違う。
ローションと八神の先走りでドロドロになった手をケツに持っていく。
自らバカになろうとしている。
穴に中指を挿入れるが、俺の身体は当然それを押し戻そうとする。
それに逆らいながら指を進める。
二本目を挿入れる勇気はない。
それなのにビンビンになった八神のチンコを受け入れようと思っているんだからどうかしている。
きっと指を二本挿入れるよりも痛む筈だ。
ケツの穴に先端をあてがって、ゆっくり腰を沈めた。
「…ッ…、ぐぅぁ…ッ!」
分かってはいたが、想像以上の痛みに息が詰まって、顔が歪んだ。
ゆっくり息を吐き出して、できるだけ力を抜いてから、勢いに任せて一気に奥まで受け入れた。
あまりの圧迫感と痛みに背を反らした。
痛みで萎えないようにチンコを扱きながら、ゆっくり馴染ませるように腰を動かした。
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