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第27話
八神が唇に飛んだ精液を舐め取った。
大人の色気を無駄に漂わせて俺を興奮させて、思わず締め付ける。
「…ッ…それ、止めろ…」
「ふふ、何故だい?…締め付けてしまうからかい?…可愛らしいね、君の全てが可愛らしい…」
「ッ…言うな…バカ…」
「本当の事だけれど?…」
「そんなわけ…あるか…」
顔を反らすと、八神の指が頬に触れて、汗ばんだ前髪を流した。
「…もう、動いてもよいかい?…」
八神は待てが出来る律儀な男だ。
余裕がない時以外は挿入れてから暫くは待ってくれている。
繋がったまま、俺の背中に手を回し、上体を起こした。
「…ん"ン…ッ…ま、まだ、動くなッ…」
更に深い場所にハマる。
ゾクゾクして、肩を揺らした。
密着して、八神の心音が肌を通じて伝わる。
「君を抱きしめたかった…。もう動かないのでね、馴染んできたら、その時は、君から動いて…」
「…はっ!?ふざけるな…ッ…」
「できるよね…蹴人…」
「…ッ…お前は、意地悪だ…」
俺の奥で八神のが脈打てるのが分かる。
もっと奥に欲しい…
八神しか知らない…
八神だけに踏み込む事を許した場所…
そこで頭がバカになるくらい感じたい…
結局、八神に甘い俺には、自分で腰を振る選択肢しかないらしい。
「蹴人…俺はね、とても君の事が好きだよ…。いや、好きだと言う言葉ではとても語り尽くせない…。そうだな…愛している。…いや、それでもまだ足らないくらいだ…。だからこうして、俺は君と身体を繋げているのだよ…」
「…だ、黙れ…」
俺も同じだ…
言葉に出来ないから、こうして身体に頼っている…
「ふふ、また締まった…」
「バッカ…いちいち言うな…」
「なぜ?…蹴人よりも身体の方が素直だからかい?」
小馬鹿にされた気分だ。
俺は、こんなに必死なのに…
腹立つ…
「…ったな…ッ…」
「え?」
「悪かったな、素直じゃなくてッ!…俺だって必死なんだ!…これでも必死なんだ!!…なのに、…ふざけるなッ!!」
「…今日の君は、可愛らしい事ばかりしてくれるのだね。俺の為にこんなにも取り乱して…あまり可愛らしい事ばかりするのは止めてよ、蹴人…」
「知るか…俺より、身体が好きみたいな言い方するな…腹立つ…」
「ねぇ蹴人、わざとなのかい?…あまり煽らないでよ。君が動いてくれるまで、待つつもりなのだから…」
「…待たないでいい…だから、早く来いよ…」
「…困ったな。…ねぇ、蹴人…」
「なんだ…」
「奥へ、行ってもいいかな?…俺も、君すらも知らない…もっと奥へ…」
耳元にバカみたいに甘ったるい声…
八神はズルい…
「もっとって…」
「ん?…もっと…いい?…」
「…お前の、好きにしろ…」
「言って、蹴人…」
「…ッ…く、来ればいいだろ…」
「本当に君は、素直でなくて、可愛いらしいね…。きちんと俺に掴まっていて…」
八神の言う通り首に腕を回して抱きついた。
それだけでナカが擦れて身体が震えた。
目が合うと顔中にキスされた。
これでもかってくらいに…
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