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第32話
衣類を散らかして、愛おしい顔も身体もトロトロになるまでしつこく何度も全身へのキスを繰り返した。
「…ッおい、それ…やめッ…痛…」
蹴人の片足を持ち上げ、足の先から太腿まで舐め上げた。
ビクビクと震えながら切なげに眉を寄せる蹴人がとても可愛らしい。
その表情を見た俺は、興奮に駆られて内腿に少し乱暴に歯を立てた。
「駄目…今日の俺は、少し意地悪だから。」
「なんだ…ッそれ…んン…」
「君が悪いよ、散々に意地悪をしたのは君の方なのだからね…今日は俺の番…」
蹴人の足先に舌を這わせた。
あの言葉一つを言う為に、俺を散々に待たせた罪は重い…
だから、今日の俺は少し意地が悪い…
それくらいは許してもらわなければて
蹴人のモノに目をやると、その先端はトロトロと先走りを垂らし、擡げていた。
しかしまだ触れはしない。
ただその身体を唇と舌先で堪能するだけだ。
「…ッ…も、いいから…触れって…」
どんなに強請っても無駄だ。
いつもならば蹴人を快くする為だけに全神経を集中させている。
しかし、今日ばかりは俺の好きにさせてもらうつもりだ。
「そんなに触れて欲しいのなら、自分で弄ってはどうだい?」
期待だけを持たせるように足の付け根を吸い、痕を残した。
その場所は俺のみが見る事の出来る場所だ。
その痕は俺を満足させると共に激しい興奮を与えた。
蹴人はもどかしげに身体を捩らせた。
「…は、ぁ…八神ッ…イきたい…」
俺もとてももどかしい…
意地が悪いなどと言っておきながら、早く触れてあげたくて仕方がない。
俺は蹴人を快くさせると為のセックスしか知らないのだ。
ふと蹴人を見るともう我慢も限界だと言うかのように自身を握り扱いていた。
たかだか俺の台詞一つで、このような事を蹴人がするだなんて思っていなかった。
早く俺が欲しいといった意味合いのものなのか、それともただ快楽に流されているだけなのか…
どちらにせよ、俺の前で自慰をして気持ちよさげにしている蹴人は可愛らしく、目が離せなかった。
「ん、…ふッ…ぁ…」
「気持ちがよいかい、蹴人…」
「…はぁ…んン…ッ…分か…見ん…なぁ…」
「そろそろかな…凄く震えているよ?…」
口元から漏れる声…
切なげな表情…
掴んでいた蹴人の足首から快感に震えている事が感じられる。
「イッ…く…ッ…」
その言葉と共に蹴人は達した。
その白濁としたモノは濃く、俺と会っていない間に悪戯をしていないという事がよく分かった。
そして、その飛距離は相変わらずだ。
「相変わらずの飛距離だね。ほら、胸まで飛んでいるよ…」
「…はぁ、…見んな…」
「駄目…今日の俺は意地悪だと言っているでしょう?」
蹴人の足首を掴んでいた手を離し、白濁が飛び散った胸の突起を口に含んだ。
「う、ぁあッ…」
強く吸い上げ、軽く歯を立てると蹴人はいつも以上に激しく乱れた。
そして俺は、その場所が真っ赤に熟れるまで可愛がった。
「蹴人…君があまりに可愛らしいから、もう限界だよ…」
「…来いよ…もう、十分濡れてる…」
「お誘いかな?…嬉しいけれど、今日の俺は意地悪だと言っているでしょう?…どうしても欲しいと言うのならば、自分で挿入してはどうだい?」
先程の行為で俺は少し調子に乗っていた。
今ならば俺の発言を全て受け入れてくれるような気さえもする。
「バカッ、ふざけるな!」
そのように口にし、睨み付ける蹴人はとても可愛らしかった。
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