249 / 270
第34話
蹴人は一生懸命俺を受け入れてくれてはいるけれど、まだ先端のみだ。
涙で濡れた目がとても色っぽく綺麗だ。
「…蹴人、もう少しだけ自分で頑張れるかい?…」
「…ん…ッ…」
蹴人は首を縦に振った。
拒否ではない。
本当に、今日の蹴人はどうしてしまったのだろうか…
「…よい子…。頑張れたなら、その時はご褒美に…俺も動いてあげるよ…」
俺の為に頑張ってくれている。
そのように思わずにはいられない。
例え、それが一時の快楽を得る為であったとしても…
「…ん"…ぐぁ…」
「…んッ…そう…上手だね?…」
蹴人の腰を撫でる。
ただそれだけで、蹴人の反応が変わる。
腰を撫でられる事が気持ちがよいだなんて、猫のようだ。
冷たい態度を取ったかと思えば、甘えてくる…
気まぐれな君が愛おしくて堪らない。
「…も、…動け…限界…」
「…そうだね。俺も…限界かも…ッ…」
抜けるギリギリまで腰を引いて、一気に最奥まで突き上げた。
「かはッ!…ひ、あ"ッ…あぁぁッ!!」
身体を仰け反らせて震える蹴人は、底無しに…
あぁ、ずっとそればかりだ。
けれど、それは仕方のない事…
可愛らしくて、愛おしくて堪らない存在なのだから…
「…ふふ、お尻で達したのかい?…初めてだね…可愛らしいよ…」
仰け反る蹴人を支えた。
そして、俺の胸に倒れ込んでくる蹴人を受け止めて労うように撫でる。
「…はぁ、は…ぁ…バカ…なんて事、してくれたんだ…お前…」
「…蹴人の奥…とても吸い付いてきて、可愛らしい…そんなにも、欲しかったのかい?…」
「…黙れ…急に…痛いだろ、バカッ…」
俺は今この上なく幸せな表情をしているに違いない。
「可愛らしい…本当に君は…どこまでも可愛らしいね…」
達してしまった事に戸惑っているのだろう。
蹴人は、とても困ったような表情をしていた。
ともだちにシェアしよう!