蹴人がこのような表情をして何人も抱いてきたのかと思うと嫉妬心が湧き上がた。 「蹴人、身体は大丈夫なのかい？」 そのような気持ちを隠すように蹴人の身体を気遣った。 「身体？」 「辛くはないかい？」 照れを隠す様に蹴人の髪を撫でた。 すると蹴人がキスをくれた。 俺がするように顔中に… その優しい唇の動きが堪らなく気持ちが良い。 十分満たされるような文句のないキス… 気付くと蹴人の唇を追い、捕まると噛み付くようにキスをした。 「んッ…ふ…」 蹴人の唇から息が漏れた。 薄く目を開くと蹴人はキスに夢中になっていた。 蹴人は俺の舌を追いかけ、粘着質な音が部屋中に響かせながら強請った。 お互いにキスを堪能し、唇が離された瞬間俺は蹴人を転がして組み敷いた。 いつもの景色だ。 「見上げた時の蹴人も可愛らしいけれど、こちらの方が見慣れているせいかしっくりするね…」 「可愛いとか、言うな…」 「仕方がないよ。本当の事なのだから。君はとても可愛らしいよ…」 「君はとても可愛らしいよ…」 可愛らしい… 可愛らしい… 可愛らしい… 可愛らしい… 蹴人は俺を可愛らしいとしか言えないと思っているかもしれない。 それくらいに繰り返してきた言葉だ。 「八神…」 トロトロに溶けた甘い声だ。 まるで誘われているような… 「どうしたのだい？蹴人…」 「なぁ…八神…」 甘く囁いた蹴人は、俺のモノをに蹴人のモノを擦り付けてきた。 その行動だけで蹴人が言わんとしている事の意味を理解出来た。 「うん？…セックス…したくなっちゃったのかい？」 「…」 「素直で、可愛らしいね…」 そして俺は、いつもの様に唇を啄ばみ、顔中にキスを降らせた。