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第53話
乗り込んで来たのは若夫婦だ。
たまにすれ違いざまに挨拶をする程度の顔見知りだ。
あまり他人に見せたくはないのだけれど、一度動き出した手はもう止まらない。
この位置からはきっと見えない。
それを分かっているからこうして触れているのだ。
「ッ…」
衣服の上から秘部を撫で上げる。
必死に声を堪える蹴人はなんとも可愛らしい。
その場所に指先を埋めていった。
衣服を食い込ませながら抜き差しを繰り返すと蹴人の足元がカタカタと震え出し前屈みになった。
「可愛らしい…」
耳元でささやいた。
この夫婦はこのような狭い場所でいやらしい行為が行われている事など気付いてはいないだろう。
なぜならば俺が何事もないように接しているのだから。
俺の行為は徐々にエスカレートしていった。
下着の中に手を入れ直接秘部に触れた。
まさかここまで…
思わず呆れてしまった。
「…ッン…」
今まで堪えていた蹴人の口元から息が漏れた。
「お連れの方、体調が悪いんですか?」
「少し熱があるようで…」
申し訳ないと思いながらも適当な嘘を付いた。
「お大事になさってね。お先に失礼します。」
有難い事に夫婦の家がある階に到達しエレベーターが止まり二人は降りて行った。
「…お前…ッ…ふざけるな…」
今にも崩れそうな蹴人を抱えるとエレベーターを降りた。
指先を挿入したまま…
浅い場所ではあるけれど、そこを擦り解した。
「怒っている?…こうしていれば部屋に入った瞬間から繋がれるからね。エレベーターに他の人が乗って来るというのは想定外だったけれど…」
「…お前、…俺のナカ、好きすぎるだろ…」
「そうだね。けれど、俺が本当に好きなものは君の全てなのだから少し違うかな。」
蹴人の身体が好きなわけではない。
あくまでもおれが愛しているのは蹴人だ。
例えそこにセックスがなかったとしても問題はない。
「ッ…う''、ぁ…バッカ…慣らしてないのにッ…奥…ッ…」
「昨日抱いたばかりなのに、もうキツくなっているね…」
「知ら…ッ…んン…奥、止め…」
「早く俺の形にしてあげたくて堪らなくなってしまうよ…」
「…ッ…こんの、変態っ!」
抵抗しているつもりなのだろうけれど、その弱々しい抵抗は何の意味も持たない。
「はは、痛いよ。」
家の鍵を開けドアを開いた。
それがまだ閉まりきらない内に玄関で蹴人を組み敷いた。
靴を脱ぐ余裕すらもない。
「…待て…このままじゃ痛いから…」
蹴人が上体を起こし、俺のベルトへ手を掛け外した。
蹴人は俺のボタンとチャックを外し、ズボンを下ろした。
そして下着の上から俺のモノを撫で上げた。
「ッ…蹴人、なにして…」
蹴人は一体何をするつもりなのだろうか。
「こんなデカイの、濡らさないと無理だろ…ガチガチだ」
「…君がそうしたいのなら構わないけれど、無理をしてはいけないよ?」
今日の蹴人はとても積極的だ。
蹴人の表情が前髪で隠れて見えづらい。
俺は蹴人の髪を撫でてから、その前髪を掻き上げた。
そして蹴人は自分のズボンと下着を下ろし、蹴人は自らのモノを握り込むと扱き出した。
そしてもう片方の手で俺の下着に手を掛け俺のモノを口に含んだ。
もう既にそれははち切れんばかりに質量を増していた。
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