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凌辱 2
「ああ、すごい締まる……愛由くんのここ、本当に処女みたいだ……」
今で何人目だったか。中には2回、3回と愛由を抱いている者もいるから、単純に人数で数える事はできないが、もう相当長いことこの宴は続いている。
初めのころ泣き喚いていた愛由は、「お友達がどうなってもいいのか」という魔法の言葉ひとつで泣き止んで、どんな命令でも聞いた。何本ものペニスに絶え間なく犯されながら、フェラチオをさせられ、アナルを舐めさせられ、何人もの唾液や精液を飲まされ、公開オナニーをさせられ、一通りの辱しめを受け続けた愛由は、もう無表情でただただ与えられる快感と痛みに喘ぐ人形の様になっている。
「天城さんはいいんですか?」
運転手の山辺が、愛由を興奮した目で眺めながら聞いていた。
いいも何も、今別の男に犯されてる愛由にしゃぶらせ奉仕させているところだが、山辺が聞きたいのは、下の穴を使わないのか、という事だろう。
「私は後でたっぷり楽しめるからね」
「やっぱり悔やまれますね。愛由くんの処女を天城さんが奪う所が見たかったなぁ」
山辺は媚びを売るようにそう言った。
「まさか息子に先を越されるとはな」
下の穴が気持ち良すぎるのか、上の口での奉仕がおろそかになってきたので、愛由の頭をグッと奥に押し込んだ。「ぐ」という苦しそうな声が漏れたけど、「ちゃんとやれ」と言いながら数秒間喉を塞ぐ。
「けど、息子さんいい具合に仕込んでますよ。愛由くんのアナル、最高に気持ちよかったなぁ……」
最高に気持ちよかったのは、穴の具合がいいだけでなく、山辺の愛由への執着の為だろうと思ったが、面倒だから黙っておいた。
ここに集まった紳士達は、みな名のある金持ちばかりだ。会社経営者、病院経営者、代々続く資産家、それに、警察組織や省庁等、国の組織のトップの地位にいる人間もいる。付き合いはかなり長い。金を持て余した者の娯楽として行きついた少年趣味を嗜む事で繋がった仲間で、口の堅いものたちばかりだ。山辺を含む、あの時逮捕された人間達はみな、取り調べでこの組織の事は喋らなかった。我々はそういう、同志たちだ。
──愛由との出会いは8年前に遡る。
たまたま立ち寄った飲み屋街で酔っぱらって絡んできた、やけに見た目のいい女。それが愛由の母親だった。自分を買って欲しいとねだられたが、いくら容姿が飛び抜けていても、わざわざ成人女を買うほど女には困っていない。適当にあしらって帰ろうとした時、女が勝手に話す自分の身の上話の中に「10才の息子」というワードがある事に気が付いて、俺は足を止めた。
男の子では身体も売れないし、ただの役立たずの穀潰し。あの子が女の子だったらよかったのに。女は仕切りにそう言った。この女は知らないのだ。男の子でも容姿次第では並の女の子以上の商品価値があることを。そう教えてやると、女は目を輝かせた。「息子を買ってくれるのか」と。
俺は女に「息子」の写真を要求したが、女は我が子の写真をデータひとつすら持っていなかった。自分の子供を何の躊躇もなく売ろうとする人間らしいと言えばそうだが、買おうとしている人間からすれば姿形がわからないのは困る。
そこで話を終わりにしなかったのは、俺の直感が働いたお陰だ。何としてもこの女の「息子」を見たくなった俺は、女に自宅に案内させた。
そこで、俺は初めて愛由と対面した。
愛由は劣悪な環境で育ったのが分かるガリガリのみすぼらしい形だったけど、母親同様、目鼻立ちはとても整っていて、磨けば光るだろうことはすぐに分かった。期待に胸を踊らせながら風呂を使わせ、髪を梳かしただけで、愛由は期待以上の美しさで輝き出した。俺は即答した。「この子を買う」と。
目の前で自身を売買された愛由は警戒心丸出しだったが、いたずらにチョコレートをプレゼントしてみたら、「ありがとうおじさん」と無邪気に喜んだ。愛由は、これまで出会った中でも断トツに初で無知で純粋な子供だった。
無知な愛由にいいものをあげると嘯いて、飴玉を交換し合う名目でその唇を奪うのは容易かった。愛由は「甘くて美味しい」とただの飴玉にやたらと感動した。だから、ご褒美の飴玉やチョコレートをちらつかせて裸にさせ、身体に触ることも容易かったし、甘いローションを塗り付けたペニスを舐めさせる事を覚えさせるのもすぐだった。
愛由は、顔も身体もこれまで抱いてきたどの少年よりも綺麗な造形をしていた。他の仲間たちに愛由の写真を見せて自慢すると、皆が皆「どこにこんな上玉が転がっていたのか」と驚いて、揃いも揃って愛由を共有したがった。
愛由の母親は、頭は悪かったが金の匂いをかぎ分ける嗅覚だけは鋭かった。毎日殺到する愛由を買いたいという依頼に、愛由の商品価値がとても高い事に漸く気づいた母親は、一晩の値段を当初の倍以上に釣り上げた。それでも客足は途絶えるどころか増える一方で、会う度に母親の持ち物が高級ブランド品へと変わっていく様が、その羽振りのよさを如実に表していた。
そして、もっともっと愛由で儲けようと企んだらしい母親は、アナルは一番需要の高まる年齢である14の誕生日に解禁して、その時のビデオを裏で売り捌くから、それまではそこに一切触らせないと言い始めた。もう少し身体が大きくなれば最後までできると踏んでいた俺たちは、「処女のフリをさせればいい」と反対したが、母親の意志は固かった。もし14になる前にそこに触ればもう愛由を売らないとまで強く出られたら、誰も文句を言えなかった。
愛由を買い始めて4年目のある日の事だった。
講演会のため地方に来ていた俺の元に、仲間の内の一人から驚くべき報告があったのだ。事の最中、愛由の家に警察が来て、同志が3人逮捕されたと。
あの時の絶望感と落胆は、今思い出しても腹立たしい。あの当時抱えていた数々の少年たちの中でも愛由を特別に気に入っていた俺は、数千万の大金をはたいて、愛由の14の誕生日に処女を貰うという約束を母親との間に成立させていたのだ。そう。愛由が児童相談所に保護されてしまったあの日は、愛由の誕生日の前日だった。明日になれば、4年越しに愛由を最後まで抱ける。そう楽しみにしていた矢先だったのだ。
「あーイキそう……。愛由くん、おじさんの精液いっぱい受け止めてねっ!」
「あ……ふぁ、あぁあっ……!」
愛由のアナルを堪能していた紳士が動きを止めたと同時に、愛由のピンク色のペニスから殆ど透明に近い精液がぴゅっと飛び出した。その光景に視覚から煽られて、肩で息をする愛由の頭を再び掴んだ。
「ふ……ん……んぐっ……」
愛由の頭を上下させてぐぽぐぽとペニスを出し入れする。苦しいせいで無意識にだろうが両手を突っ張る様に俺の膝に付いたから、強めにその手を叩いてやめさせる。
「ほーら愛由くん、手が開いてるならおじさんのおちんぽを握ってなさい」
愛由の下の穴はもう既に別のペニスに犯されていて、両手が塞がるのもすぐだった。
──初めは、「美味しい」とペニスに塗られたシロップを舐めていた少年の愛由は、最後には必ず苦い精液を飲まされる事になるのを知って、すぐにフェラチオを嫌う様になった。また少ししたら、成長と共に性に関する知識を得たのか、次第にフェラチオだけじゃなくキスや身体を触られるのも激しく嫌がる様になって、それからは飴玉やチョコレートでは効果がなくなり、殴る蹴るの暴力で言うことを聞かせなければならなくなった。痛い痛いと泣き叫ぶ愛由にもある意味そそられたが、今日みたく魔法の言葉があれば簡単に言うことを聞かせられていい。
「もうすぐ出るぞ……溢すなよ……っ」
愛由の喉の奥で精液を迸らせる。苦しそうな顔で目をぎゅっと瞑ってゴクンと喉を上下させた愛由に満足してその頭を解放すると、それはすぐに別の男に浚われて、すぐに別のペニスを出し入れされ始めた。
「ふ……」
あまりに可哀想で笑いが溢れる。下の口も上の口も、休まる暇もないじゃないか。あれは、昔から甘い物が好きな分、苦い物は大の苦手だった。それが、口の中も喉の奥も、そしてあの頃は知らなかった下の口までも、男の苦い欲望でいっぱいだ──。
ゴクリ……。
服を整える為に椅子から立ち上がると、ずっとすぐそこで呆然としていた刑事二人が唾を飲む音がした。
「諸君も加わってはどうか?」
二人の内、欲望に忠実そうな藤沢が、また唾を飲んで「いいんですか」と言った。
「それを期待してるから、まだそこに残っているんだろう?」
言うと、一人が吸い込まれる様に愛由に近づいていった。それは意外なことに藤沢ではなく、大人しそうだったもう一人の───。
「素質のあるいい部下を選んだじゃないか」
「お、お褒めに預り、光栄です」
藤沢に調達させた部下は、夢中で愛由の乳首にむしゃぶりついている。これは──いい駒になりそうだ。
「更なる働きを、期待しているよ」
藤沢の肩に手を置くと、藤沢は与えられたプレッシャーに暫く堅くなっていたが、やがて我慢ができなくなったのか、もう一人と同じ様に愛由の元へと吸い込まれていった。
──いかに警視総監である父親の力があるとは言え、言うことを聞くものばかりではない。権力や圧力に屈しず正義感を振りかざす輩も少なからずいて、愛由を保護された時の担当刑事もそうだった。すぐに揉み消せるものと踏んでいたが、当たりが悪かった。
上に立つ人間というのは、人を見極める力が何よりも大切だと言っても過言ではない。つまり、使える人間か、そうでないか。もっと言えば、駒になるのかそうでないのか。強い野心と、権力に靡く柔軟な頭を持つ者。そして、何より自分の欲望に忠実な者が相応しい。末端の手駒は数多くないが、その藤沢は、有望な奴を見つけてくれたものだ……。
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