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噂 1

「宗、ちゃん……、も、ゆるして……っ」 散々犯されてグズグズになっているアナルをディルドで更に犯す。このお仕置きの時間は、無駄な暴力を振るわないと決めた俺の凶暴性を鎮める為の重要な儀式だ。大人しくさせる為と、視覚からも興奮するために手足は縛ってある。成す術なく無抵抗状態の愛由を気を失うまで追い込んで犯し尽くすこの「お仕置き」は、もう「お仕置き」の体をなしていない。愛由は夜のセックスで何ら悪い所はなかった。従順に抱かれ、だからと言ってマグロでいるでもなく俺の思いのままに動き、丁寧に奉仕してくれた。非の打ち所もなかった。けど、それでも数日おきに「お仕置き」をしないと俺の暴力的な衝動が治まらない。愛由への所有欲が満たされない。愛由は初め「どうして」って顔をしていたけど、流石に賢い子だ。俺の気分次第で自分の立ち居振舞い等関係なしにこの「お仕置き」は強行されてしまうのだと、今は理解している様だ。 「や……めて……、も、……おかしく、なる……」 悲鳴を上げる体力もなくなった愛由が、途切れ途切れにそう訴える。そろそろ気を失う頃かと思うと、まだ虐め足りない俺の手は、さっきよりももっと激しくディルドを出し入れした。 「あ、あああ……やぁぁあ……っ」 やはり力の失った悲鳴からは余裕などひと欠片も感じない。俺の与える刺激に身も心も奪われて、いっぱいいっぱいになっている愛由の可愛さは何にも代えがたい。愛由の笑顔も泣き顔も苦痛に歪んだ顔も、全て欲しい。全て俺のものにしたい。 項垂れる様にくたりとした愛由の可愛らしいペニスからは、少し粘性のある透明な液体が垂れるのみだけど、さっきから何度も身体を痙攣させている。顎をガクガクさせて涙と涎を垂れ流して肩で息をする愛由は本当に辛そうだ。その顔を見るだけで頭が沸騰しそうなくらい興奮して、ついさっき枯れるまで愛由の中を荒らしていたペニスが再び頭をもたげてきた。 「愛由。次は俺のを入れてあげる」 「っあ……!」 ディルドを完全に抜き去って、自身を柔らかく馴染んだ穴へ一気に挿入させると、愛由はその刺激だけで身体をビクンと一際大きく痙攣させて絶頂を極めた。 「やっぱり愛由は俺のが一番、好きなんだから」 容赦なく腰を使いながら言う俺の言葉は愛由の耳に届いているのかいないのか。愛由の目線は宙を彷徨い、だんだん虚ろになってきている。 「愛由、俺がイクまで起きていてよ」 愛由は時折身体を跳ねさせ絶頂を繰り返してはいるが、俺の言葉への反応はない。聞こえてくるのはか細い喘ぎ声だけ。その喘ぎ声も段々聞こえなくなってきて、強張っていた身体が徐々に弛緩する。 「ねえ。愛由の反応がないとつまらないよ」 軽く頬を叩いてみても、閉ざされた愛由の瞼はピクリともしない。人形とヤル趣味はないんだがな……。そうは思っても愛由の美しさは気を失っていてもそのままで、ダランと力の抜けきった身体を犯すのもまた一興ではあった。 射精を済ませ愛由の拘束を解いていると、電話が鳴った。画面に表示された名前は父のもの。 『宗佑、いい加減にしなさい』 部屋を出て電話に出ると、途端に叱られた。 「何ですか突然」 『言わなくても分かるだろう!愛由の事だ!』 「愛由がどうかしましたか?」 『しらばっくれるな!耳に入ってないとは言わせないぞ』 「あのおかしな噂の事ですか」 『そうだ。あんな噂を流されて、病院の評判にも関わってくるじゃないか!どうしてくれる!』 「どうしてくれると言われましても……」 『何だその態度は!だからいい加減にしなさいと言ってるんだ!愛由を捨てなさい!今すぐにだ!』 「嫌です」 『何だと?』 「嫌ですと言ったんです。僕はお父様とは違うんです。大切なものをみすみす逃したりなんかしない」 『何の事を言っている……』 「ともかく、愛由だけは、お父様に何と言われようと手放しません」 『宗佑……。私はお前の心配をしてるんだ。行く行くはうちの病院を継いで貰いたいと思ってるのに……警察にも何件も問い合わせが来ているそうだ。いくら何でもこれ以上抑え込む事は、』 「お父様は『天城』の名前が汚れてもいいんですか?」 『何を言っている。それが困るから愛由を今すぐ捨てなさいと、』 「だったら、全力で抑え込んでください」 『なに……?』 「噂の首謀者を吊し上げれば、簡単に火消し出来るじゃないですか。ちょうどいいのがいますよ、あの土佐です。あいつが首謀者に違いありませんが、もしそうでなくてもそうだという事にすればいいのです。あいつなら周囲への影響力も高いから、ちょうどいいスケープゴートになりますよ」 『生意気な事を言うんじゃない!宗佑、お前は何か勘違いをしているな。人を裁くことはそんなに簡単な事じゃない。愛由の時ですらどれだけ大変だったか……』 「けど、やれたでしょう?」 『愛由と土佐は違う!愛由は天涯孤独だったから、操り易かっただけだ。土佐には身内がいる。仲間がいる。バックが、逮捕すれば騒ぐ奴がわんさかいるだろう。その全ての口をどうやって塞ぐ?全員殺すのか?無理なんだよ。普通の人間をでっち上げで裁くなんてことは』 「でっち上げじゃないでしょう。俺へのつきまとい、そして噂だって十中八九あいつの仕業です。名誉毀損ですよ」 『噂がまるっきり嘘ならそれでいい。だが、無理矢理逮捕して裁判になって、あいつがお前と愛由の事を語ったら、全てが公に晒されるんだぞ。お前に男の恋人がいることも、その恋人を殴っていたことも、今監禁している事も。それが一番の名誉毀損だ。そう思わないか?』 「思いませんね。愛由さえ傍にいれば、僕は誰にどう思われようと一向に構わない。お父様が裁判で公になることを怖れるのなら、何もなさらなくて結構です。そもそも僕は噂なんてどうでもいいんです。お父様が困るとおっしゃるから逮捕しては如何ですかと提案したまでで」 『宗佑……お前、随分変わってしまったな……』 「愛由のお陰です。……多分、煩いハエはもうすぐ消えると思いますので、あまりご心配なさらなくて大丈夫だと思いますよ」 『何を言ってる。さっきも言ったが、ただの噂だけじゃない。警察にも問い合わせが凄いんだ。このままではお前が逮捕される事にもなりかねんのだぞ!』 「そんな事にはなりませんよね?」 『なりかねんと言ってるんだ!』 「けどお父様。僕が逮捕されては天城の名誉は地に落ちますよ。そんな事、お父様が許す筈ありません。きっと全力で抑え込んでくださると信じています」 『宗佑……!』 ピンポーン…… お父様の声にこれまでで一番の怒声が含まれたこのタイミングで、チャイムが鳴り響いた。受話器の向こう側にも聞こえた筈だ。 「すみません、来客です。忙しいのでもう切ります。あ、今月分の振り込み、宜しくお願いしますね。男の恋人と二人で路頭に迷う息子の姿は誰にも見せたくないでしょう?」 お父様がまた何か怒鳴った気配があったけど、そのまま電話を切った。またかかってきたら面倒なので、電源もオフにする。

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