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第29話 ふ
高宮が目を覚ますと、そこはあの多目的室だった、腕と脚の感覚がない。顔中に鈍痛がする。
ぼやけた視界の中に誰かの顔。
「高宮・・・・」
神津だ。悪魔のような笑み。
暴れた。腕が、脚が動かない。
「暴れてもムダだ。きつく縛り上げたからな」
視界から神津がいなくなる。腹部に冷たさが広がった。そして自分が全裸であることに気付く。
「放せよ…!」
「今から解してやる」
「神津く・・・・やめっ・・・放せっ・・・・・あぁっ!」
ぬるぬるとした冷たい液体が腹の上に溜まっている。そこから液体を指で掬いながら樋口は高宮の上半身を撫でていく。
「んっく・・・やだ・・・ぅん・・・やめぇ・・・・あぁっ」
乳首を摘ままれ、引っ張られる。
「神津さん、その乱れっぷり、薬でも使ったんですか?」
何回か見覚えのある神津の取り巻き達は多目的室のテーブルに座って神津と高宮を見ている。
「・・・いや。素だろ。いやらしい身体してんだよ」
「乳首だけでイケんじゃね」
「段階踏まないとだけどな」
そんなことしてる時間ないから、と神津は高宮の後ろに手を伸ばす。
「んん・・・・・あぁ!」
もう片方の手で高宮自身を扱いていく。半勃ちから完勃ちになったところで神津は手を止めた。
「え・・・・」
眉間に皺を寄せた。
「イカせるつもりはないよ。別にこれは愛あるセックスじゃないんだから」
今日何度目か分からない苦笑を神津は浮かべた。
「それは客から教えてもらえばいいさ」
神津は高宮の後孔に指を宛てがった。
熱く硬くなった性器の上に冷たいローションを垂らされ身体を捩った。性器からローションが後孔へと流れてくる。
「昨日、柳瀬川に抜いてもらったんだろう?どうなんだよ」
神津の視線が柳瀬川に向く。柳瀬川は俯いて、神津やその取り巻き、高宮から距離をとった場所で立ち尽くすだけだった。
「そんな・・・・・こと・・・・・っ」
存在を主張しているかのような高宮の性器をピンっと指で弾いた。その衝撃で白濁が放物線を描く。
「今のでイッたのか」
「ああああ・・・・いや・・・・抜いて・・・・・・・・」
意地悪く体内に侵入してくる神津の二本の指。ローションによりいきなり二本を易々と呑み込んでいく。
「キツいな・・・・この前解したのにな・・・・・。力を抜けっ!」
ひくひくと卑猥に神津の指を締め付ける。
「あ゛ぁ…気持ち悪い……」
「黙れ」
高宮の首筋が仰け反る。妖艶で淫らだ。不覚にも神津の下腹部が熱く疼いた。
「はぁん…抜いて……やめて…放して……」
クチュクチュと卑猥な湿った音が聞こえる。羞恥に身体が火照る。顔を隠したいのにそれもかなわない。
「気持ちよくしてやるよ」
神津の指が妖しいポイントを掠めた。
「ああっ・・・・ゃぁっ・・・・!」
「お、イイ反応」
取り巻きが神津から身体を捩って逃れようとする高宮を押さえつけた。
「ここだろ。ここがイイんだろ!?」
にやにやとしながら神津は高宮の前立腺を二本の指で摘まんだ。
「ぅああっ!あ、あああああ」
背を弓なりに反らす。性器はまた固さと熱を取り戻している。
「ケツだけでイケますってか?ガマン汁出てるぜ高宮」
「ドライオーガズム。精液はまだ出すなよ」
固く熱い高宮自身を神津は扱き上げたが、放出に至らせてはくれなかった。
「ある程度拡がったな」
神津はポケットから紐とローターを取り出した。ある程度拡がった後孔にローターを押し込んだ。そして高宮の性器に紐を巻き付けていく。
「いや…いやだ…いやだ!紐取って……出したい…!」
高宮の瞳から涙が溢れる。
「いきなりおねだりがくるとは思わなかったな」
神津が笑った。とても残酷そうに、そして愉快そうに。
「ついこの前捕まえたやつ、男の処女好きなんだ。電話番号ももらったし、迎えに来てもらうか。OBだ」
神津は携帯電話を出した。
取り巻き達は高宮に制服を着せ始めた。拘束を解かれても、逃げようなどという考えは思いつかなかった。
電源の入っていないローターが内臓を圧迫しているようで気持ちが悪い。それよりもぎちぎちに固く縛ってある性器が苦しかった。
「この世のものとは思えない快楽だってよ。よかったな」
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