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第33話 み
潤んだ瞳で見つめてくる高宮からさっと視線を逸らして、柳瀬川は床を見た。
高宮は力を込めた。羞恥で頬が赤く染まった。
「あ、来た、来た。はい」
柳瀬川の指がローターを摘まんで出そうとした。
「ありが・・・・・・ひゃぁあ」
柳瀬川に摘ままれたローターが一点を掠めて、甘い痺れが下半身を襲う。
「・・・・・・・大丈夫か」
ころんと音がした。柳瀬川がローターを床に置いた音だ。
「・・・・ふぅ」
柳瀬川は溜め息をつくと、高宮を起こした。そして後ろから抱きすくめる。
「・・・や・・・・・なせ・・・が・・・・わ・・・・?」
「また勃ってるぞ」
高宮の熱に手を伸ばし、握り込むと上下に扱く。
「2回目だな・・・・」
ふっと笑った。
「ちょっと腰上げろ」
「・・・ん・・・・」
高宮が言われたとおりに何の抵抗もなく腰を上げた。柳瀬川はまだ他の男達の精液を垂れ流している後孔に指を入れた。
「掻き出さないと、つらくなるぞ」
高宮の悦いところを攻めながらぐちょぐちょと音を立てる精液を掻き出していく。
「あ・・・あはっ・・・・そこっやめっ!」
はぁはぁと赤い顔で熱い吐息の高宮は淫靡だった。
「あ・・・・やだ・・・・・もぉ・・・だめ・・・・・」
「いいよ、出して」
「あ、あぁ・・・ん・・・・んんっ・・・」
勢いのない白濁が柳瀬川の手を汚した。
「ごめんなさい・・・!ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・・・」
高宮が俯いて何度も謝りだす。
「いいよ、大丈夫」
柳瀬川は笑った。
「ほら、制服」
柳瀬川は散らかっていたスラックスや靴下、ベストを掴んで高宮に投げた。
「柳瀬川君・・・・・ありがとう」
「・・・・・・・別に」
急に柳瀬川の声が低くなった。
――これ以上一緒にいられない。理性が崩壊しちまう。
柳瀬川はそう思い、噛みそうに、慌てそうに、高くなりそうな声を低くなるように努めた。
「もう大丈夫だろ」
吐き捨てた言葉に高宮の表情が歪んだ。胸が締め付けられる。
「じゃぁな」
「柳瀬川君・・・・・・」
「何?」
「オレ、ここどこだか分からないから・・・・一緒に帰ってもいい?」
制服を着ながら高宮が訊いた。
「・・・・・好きにすれば」
距離を置かなければ、きっと自分は高宮を今にでも押し倒してしまうだろう。
「・・・・・・・ごめん」
高宮は俯いてそう言った。
「着替え終わったらなら、帰るぞ」
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