52 / 109
第52話 J
――嘘・・・・・・・・・。
ビデオカメラを確かに荻堂はベッドの近くの引き出しからだしていたのを見ていたのに、何故だかそれに意識が向かなかった。
「撮らないでっ――・・・」
叫ぼうとする声を阻むように顔を横の向けさせられて口付けられる。
「ふぅんっ・・・・ふ・・・・」
口付けは初めた。高宮はおかしな安心感を覚える。撮られているということも忘れた。荻堂は動きは止まらないまま高宮の内部を擦った。
「はぁああああ!・・・んんっ!」
僅かだか確かな快感が身体を走る。一際甲高い声を上げて、上体の力が抜けた。
「ここ・・・・?」
再び同じところを突かれる。
「ああああああっ・・・・もっと・・・・!」
荻堂の摂取した媚薬が移ったかのように高宮も喘ぎ、乱れ、呻いた。
「もっと・・・・・・!突いて・・・・・っ!イカ・・・・・せて・・・・・っ!」
意識のある内は荻堂の3度の射精に付き合わされ、膝を震わせながら高宮は果てた。
視界の奥で、ビニールを潰すような音がした。靄がかかった視界を取り戻す。青臭く苦いような匂いで夢ではなかったことを実感した。
そうですね。もう学校には慣れたんじゃないんですかね。
ホントか~?まぁクラスメイトがそう思うんじゃ、そうなんだろうな。
カーテン越しに会話が聞こえる。柳瀬川と、保健の先生。高宮は足で自分のサンダルを探す。同じことを1日に2度してしまうことを滑稽に思った。
ともだちにシェアしよう!