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第5話 僕と色

  言葉というモノは不思議なモノで、大好きや愛してるを繰り返されると好きでもないヤツでもそう錯覚してしまうらしい。 「………や、………動かないで!」 突き上げられる腰に痙攣したように身体を大きく震わせれば、白濁したモノが僕の先っぽから勢いよく飛び出した。肩をがくがくと震わせ、余韻が残った頭ではなにも考えれず、いろ、………いろ、………大好き………とキスをねだる僕。 無意識に星玻と口にでないか不安になるのに、僕の口は確りと色の名を口にしていた。眉を潜める色に愛してるといえばさらに眉根が深く沈むが、旋回する腰は激しさを増す。 とろとろに蕩けさせて湯だった身体は素直に色を向かい入れる。向かい入れるが、僕の口はやぁらと否定する言葉ばかりを口にしていた。 「……つ、………き………は……」 ごめんと、でない声を絞り出して色は僕に謝る。色のゴメンが聞きたくって、僕は何度もやぁらと口にする。相当な矛盾ぷり。でたらめな背徳感に、もう一度射精をしたときには西の空には紅い流星が降り注いでいた。 風が吹き、冷たくない穏やかな空気が室内に入ってくる。連続の射精に身体はくたくたで瞼が鉛のように重たかった。 その儘意識を手放せば聞かずにすんだ母さんの愚痴が諸に耳に入ってきた。 「ほんと、いうこと聞かないわよね。床も服も精子でどろどろじゃないの。ココの掃除はイイからさっさとお風呂入ってらっしゃい」 いっても無駄だと思うけど、湯船の中ではしないでよ。後から母さんも入るんだから。 母さんは薄目を開けている僕にそういうと、色には僕のこと頼んだわよと怒らない。色ひいきはいまに始まったことじゃないけど、面白くない。 僕は唇を尖らせて、色、抱っこと手を伸ばす。足腰が立たないこともあるが、お風呂でもう一戦するとなると少しでも体力を温存しておきたい。 色は僕の服と自分の服を拾い上げると、僕を抱っこして風呂場に移動する。その間、無言なのは僕が色の唇を塞いでいるからだろう。 もう確定事項のように浴室に入ったとたん、僕の身体は浴室の壁に押し付けられて、色の反り立った元気な息子を再び向かい入れた。頭上から霧のようなお湯が降り注ぎ、僕は色の首に腕を廻してコレから始まる行為に備える。  

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