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第7話 狭間
目を覚ましたら、ソコはもうベッドの中で母さんが呆れていた。色くんに迷惑かけちゃダメでしょうという目付きは相当、怒っている証拠である。
色はなかなか意識を取り戻さない僕を心配して、メソメソと泣いていた。
「色、大丈夫だよ。心配かけてゴメン………」
僕がそう謝ると、あやまるのはおれのほうだとまた泣きだした。心配性だなと色の頭を撫でていたら、十年ぶりの星玻がソコにいて僕は酷く驚いた。
「………どうして?………母さん………?」
わけが解らず、母さんに問い詰めようと起き上がろうとしたら、目眩がしてベッドに崩れ落ちる。遣りすぎと貧血だとすぐに解ったが、色がわんわんと泣くモノだから母さんはなにも言わず、星玻をつれて部屋からでていってしまった。
「……星、玻……」
待ってといっても、その声は色の泣き声にかき消されて、星玻まで届かなかった。母さんは星玻になにかいっていたような気がしたが、ソレも色の泣き声でまったく聞こえなかった。タダ、星玻の顔色が雲ってやるせない感情を含んだ視線を僕に突き刺していたことは確かだった。
動かない身体に無理矢理力を入れて起き上がろうとすると、ソレを色が必死に止めた。いかないで、おれだけをみて。そういう言葉ばかりを繰り返し終いには僕を組み敷きだした。
「……つ、きは、…すき………あいしてる………」
「……や、めて……いろ、…!」
塞がれる唇に鋭い痛みを感じた。いままで一度もそういうことがなかったから、怒鳴る前に驚いて色の顔を直視してしまう。
片や、色の口から謝罪の言葉もなく、色は僕を犯し始めた。今日三回目の行為に身体も心も困憊で僕の意識はソコで潰えてしまった。
その間の色との行為はまったく記憶になく、朝目覚めたときには声がでず、足腰がまったく立たなくなっていた。
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