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第17話 好きなところ

  「星玻の好きなところ………?」 「そうだよ。なんでもきっかけっていうモノがあるでしょう?」 友人のひとりにそういわれて、確かにそうだと僕は思った。色にしても、僕のココが好きとかいっていた気がして、僕は星玻の好きなところを思い浮かべるが思い当たるところがなにひとつない。 「………アレ?僕って、星玻のどこが好き………なんだろう………?」 頭を抱えて、唸る僕は疑問系で答える。友人のふたりは声を合わせて、「俺らに聞いても仕方がないだろう?」と呆れた顔で応えた。 「もしかして、ぜんぶとか?」 片方の友人がそう呟いて、もう片方がソレを訝しい顔で諌める。 「いくらなんでもソレはないだろう?兄弟だからってぜんぶ知ってるワケないんだし」 確かに双子だっていっても、僕と星玻の性格はまったく違う。十年も離れていたからなおさら星玻の性格など知らない。 「解んない………。あ、でも、星玻は僕のこと愛してるって………」 いってくれるといいかけて、好きだといわれたことがないことにも気がつく。そして、どうして、星玻は愛してるなんだろうと首を傾げた。愛してるの前は好きだよねとさらに首を捻る。 「………ねぇ、好きって、愛してるよりもいいにくいモノなの?」 思わず、疑念が声になってでていた。ソレを聞いていた友人ふたりは言葉を失う。 「………」 「………」 そして、驚いたという顔で互いに顔を見合わせるのだが、そういうこともあるだろうと何度か頷きあっていた。暫くの間沈黙が続いて、片方の友人が俺からいおうと一歩前にでる。 「まぁ、愛情表現は人ソレゾレだからいいにくいヤツも中にはいるんじゃないの?」 「…………そうなの……?」 だが、僕の中の疑念はまったく晴れずもう片方の方に訊くとこうもつけ加えてきた。 「ほらぁ、愛してるはいってくれるんだろう?好きより上じゃないか」 「そうだけど………」 渋るように声をだすと後ろからぎゅっと抱きしめられる。ソレが星玻だとすぐに解った。 顧みながら上に顔を上げると開きかけた唇にキスをされる。なにを話してたの?という顔で覗き込まれて、僕は素直に応えた。 「僕が星玻の好きなところ………」 「ボクの?」 「うん。でも、みつからないんだ………」 困った顔でそういうと、星玻はクスリと笑って「じゃさ、ぜんぶでイイじゃん♪」と即決で答える。 「ぜんぶって………、でも……」 「解らないんならぜんぶ?月坡はボクのことがすきなんでしょう?」 「………好きだよ……」 「じゃ、ぜんぶでイイじゃん♪」 コレで解決と簡単に切り返して星玻はまた僕の唇にキスを落とす。僕はそんな簡単なモノなんだろうかとキスをしながら、考えた。星玻は僕が星玻のどこを好きで、星玻のことが好きになったのか気にならないんだろうか、と。  

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