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第20話 逆鱗
なん日ぶりの安らかな眠りの中、突如脇腹に痛みが走った。幸せな気分が、一気に激痛に変わる。
胸元を掴まれて無理矢理起こされた僕は、痛みを堪えつつ片目を開く。開いた先には、怖い顔の星玻が僕を睨んでいた。
「………星玻……?」
「ねぇ、なにしてんの?ボク、いったよね?ボク以外には触れさすなってさ!!」
僕が握っている色の手を足で踏みつけ、さらに僕の胸元を引き上げる。その痛みで色も起きたのか、慌てて僕の手から手を離す。
「………ちが、う………」
これはおれからたのんだんだ!と色は僕を庇うのだが、星玻は色ではなく、僕の腹を蹴った。グッと鳩尾に入って、胃液が逆流する。ゲホゲホと噎せながら、僕が星玻をみたら、星玻はこういうのだ。
「ほんとう、いうこと聞かないよね?ボクが大目にみてあげていたのが、悪かったのかな?」
がしがしと僕の手を何度も踏んで、踏みつけて、捩るように踏みつけて、腹を何度も蹴り上げる。その度、僕は胃液を吐いて星玻の顔を直視した。色はそんな僕を助けようとするが、星玻に「もっと酷いことしてもイイの?」といって色を脅す。
色は僕の顔をみて、星玻の顔をみる。いま星玻を怒らせたら、もっと僕が痛めつけられると思ったのだろう。色は僕と星玻から少し離れて星玻の顔を伺っている。
「ああ、ほんとう、兄さんは聞き分けがよくって助かるよ♪なのに、なに?月坡はどうしてボクのいうことが聞けないの?」
馬鹿なの?ソレとも、ボクをわざと怒らせて楽しんでんの?と僕をなじり、腹を蹴る。僕は恐くって息ができなくって、はくはくと肩を大きく揺らしていた。星玻はまったく気にせず僕を何度も蹴ると、僕にこういった。
「ねぇ、月坡、ボクになんかいうことは?」
僕の謝罪を要求するその目は冷たくって、残忍だった。とても昼間のあの星玻と同一人物だとは思えなかった。
「…………ご、………め、ん………なさ……い……」
僕が星玻を怒らせるようなことをしたからそう謝るのだが、星玻は冷たく、当然のようにいうのだ。
「うん、そうだよね♪月坡が悪いってちゃんと解ってるよね♪だったらさ、なんでボクのいうことちゃんと聞かないの?」
そんな星玻は何度も蹴って、僕の顔を上から眺めみる。眼光が光って、物凄く恐ろしく感じた。できるなら、この場から逃げだしたかった。怯える色をつれてこの場から逃げだしたかった。が。
「………ご、………め、ん………なさ……い、…もう、し、……ないから、……ゆる……して、く、ださい……」
星玻に蹴られて身体が自由に動けない僕は、兎に角この状況をコレ以上悪化させないように星玻のご機嫌をとる。色が不安で泣き出さないように僕は星玻に何度も許しを請うた。
敷かれたシーツが僕の胃液と冷や汗でグジャグジャになった頃、少しは気が晴れたのか星玻は僕の胸元から手を離した。だが、ソレも束の間だった。
「月坡、仲直りの代わりにココで抱いて上げる。アナルがボクによくみえるようにだして?」
コレまで一度も色の前で抱かれたことがない僕は一瞬固まるが、星玻が色に手をだそうとするのがみえて、僕はいわれるが儘ズボンと下着を脱いで星玻にみえるようにお尻をつきだした。四つん這いになった姿は、色にもみせたことがない格好だ。
「ねぇ、ソレじゃ、ボクから月坡の顔がみえないでしょう?馬鹿なの?」
仰向けに寝ろとばかりに、星玻は僕の行動を顎だけでしゃくった。無理矢理されるなら、後ろからの方が楽だと聞いたことがあったけど、星玻は頑としてソレを譲らなかった。いや、この場合は脅迫だったのかもしれない。だから。
「うーん、イイ眺め。じゃ、いまから挿れるからお尻動かさないでよ?」
星玻はジッパーを下げて自身を引っ張りだすとその儘僕のアナルに押し当てても、準備されていないソコが狭くってキツいことも、滑りがまったくないことも理解しているのに僕は星玻を拒めなかった。
星玻は上機嫌でこういう。
「ボクが挿れたら、三秒でイってね?でないと、今日はイイっていうまでイカせてあげないから♪」
と。さらに。
「早漏だからできるよね♪」といわれたら、もうやるしかない。痛みを必死に堪えて、僕は星玻を向かい入れた。
星玻のぜんぶが入った瞬間、僕はゆっくりと数を数える。星玻は「さあ、イって♪」と僕の腰を掴んでグリグリと中をかき混ぜ始める。
ちょうど三秒後に僕は白濁した液体を吐きだし、小さく肩を揺らした。
「ふふ、上出来。で、月坡は誰とヤってるとこ想像してだしたの?」
ボクじゃないでしょう?と囁かれて、なのに、腰の旋回は止まない儘で僕はのたうち廻る。イってる最中にこうされると、またイキそうでしょう?ともいわれても、身体は痛みと快楽がない混ぜになっていてソレどころではない。
「………はぁ、………や、………ぁら……!!」
色の顔がチラチラして、さらに星玻の腰の動きが加速すればもうなにをいっているのか、さっぱり解らなかった。呂律が廻らないどころの話ではない。
「ふふ、今日はよく絞まるね♪視姦されて興奮するなんて変態さんだね♪コレからもこうする♪ボクはみられなくっても興奮できるけど♪」
星玻がえげつないことをいう度に身体が反応して白濁したモノを吐きだす。ココまで僕を辱しめる星玻に、色がとうとう泣きだした。「ああ、色、泣かないで」と遠目で僕は色に手を差しだしていた。
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