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第23話 真実
「ところでさ、なんで僕にほんとうのこといわなかったの?」
母さんにそう訊くと母さんはこういうのだ。
「だってアンタ、あの儘星玻と一緒に暮らしていたら星玻のこと襲ってたでしょう?」
「なっ!!そんなことしないよ!!」
僕が掠れた声で叫ぶと母さんも額に手を当てて、そうなのよ、ソコよ、ソコが間違っていたのよとぶつぶつと呟くのだ。
意味が解らない僕は父さんをみた。
「もしかして、僕が星玻を襲うかもっていう理由で別居したとか?」
「ああ、母さんはな」
父さんは含みがあるいい方をして、星玻をみる。もしかして、父さんは星玻が僕を襲うかもって母さんと別居したのかと父さんをもう一度みたら、母さんが嘆き始めた。
「星玻がこんなにも異常だったとは母さんまったく思わなかったのよ。アンタが色くんにメロメロならって、そう思ったから………」
「………あの、母さん、僕にはまったく話がみえてこないんですけど………?」
僕が間髪いれずにそういうと、痺れを切らした星玻がこういうのだ。
「母さんはボクが月坡のことを愛してるってこと知らなかったんだよ」
と。
「いや、そんなのこのひとつきで………」
解ることじゃないの?といおうとして、母さんと父さんをみたら、父さんが物凄く申し訳ない顔をするのだった。
「………そのな、月坡、父さんが母さんにちゃんといわなかったのが悪かったんだ……」
歯切れの悪い父さんの言葉はさらに僕を混乱にもたらしていく。
「だから、どうしてふたりとも僕にも解るように話をしてくれないかな?」
話がまったくみえない僕は父さんと母さんにそういうと、母さんがはっきりと口にする。
「星玻はね、アンタのこと愛してるっていうけどソレは違うのよ!」
「違うってなにが?もうほんとう勘弁して。星玻の愛してるは僕の好きと違うっていうの?」
僕が痺れを切らせてそういうと、星玻はけらけらと笑いながら「月坡は可愛いね♪まだ気がついていないんだ」というのだ。
なにに気がついてないというのだ。星玻はアレほど僕の好きなところをいってくれたじゃないか?アレは嘘だったの?
僕がそんな目で星玻をみると星玻はまたけらけらと笑って、「月坡、ほんとう馬鹿だよね♪ボクが好きなのはボクの身体だよ♪瓜ふたつのその姿とその身体♪」と応じてくる。
どういう意味?と星玻に喰らいつこうしたら、色にソレを制止させられた。後ろからぎゅっと抱きしめられて、僕を引き寄せる。バランスを崩した僕はその儘色の腕に倒れ込んでしまった。
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