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第29話 闇
「──────は、…………つき、……………は」
めをさましてという言葉とともに頭が覚醒した。ぼんやりとした視界の中、色の泣き顔がみえて、僕は色に手を伸ばそうとする。するが、鉛のように重たくって、指ひとつ動かせれなかった。
だから、透明な容器みたいなモノが口元にあって色まで届いたのか解らないけど、僕は「色、泣かないで」といってやった。色が僕になにかをいっていたようだったけど、僕の意識はまたソコで深い闇に呑まれて途絶えてしまった。
深い眠りだったのか、その後、僕の周りは闇一色でなにもなかった。
僕の姿も意識もなく、タダ暗い暗い闇がソコに佇んでいた。
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