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第49話 星と色

  「ところでさ?」 「ん?」 キスの合間に僕は色にさっきのことを聞く。星玻よりかは喋ってくれそうで。 「さっき、星玻とふたりだけの秘密っていってた話って、なに?」 「ああ、つきはをだけたかって、はなし」 色はもう簡単にそう話す。星玻が聞いていたらふたりだけの秘密の話でしょう!と怒鳴っているだろうが、いまはその星玻はいない。 「え?そう簡単に話してイイの?」 僕がそう驚くと、色は瞬きをして「つきはがきいてきたから、はなしただけだよ?」と首を傾げる。 色としては、なんで僕を抱けた話がでるの!と怒るだろうと思っていたらしい。そして、僕が聞いてこなかったら、話さなかったというのだ。どういう基準なんだと僕まで首を傾げた。 「そ、まあ、僕を抱くっていう話はコレ以上聞かないでおくよ」 僕はソレ以上聞いたらいけない気がして、色にそう切り返す。自分から聞いておいてアレだけど、僕としては色の口の軽さの方が今後問題があると思ったのだ。 「じゃさ、色は僕がコレは色とふたりだけの秘密の話っていったら、母さんや父さん、星玻とかに聞かれたら色は答えるの?」 「ん?こたえないよ?つきはとのふたりだけのひみつのはなしだもん」 どうしてほかのひとにはなさないといけないの?と逆に聞かれる。 「あ、ん、そうだね………、………ゴメン、なんか変なこと聞いて……」 「うんうん、かまわないよ」 つきはとおれのなかでしょう?となぜか当たり前だというようにいわれてなんだか照れた。ソレで、思いだしたかのように僕は尋ねる。 「聞いたついでだからもうひとつ聞くけど、色って星玻と一緒に暮らす前から知り合いだったの?」 僕の傍から片時も離れたことがなかった色にそう聞くのは、星玻の物言いからして以前から色のことを知っているようだったからだ。 「う~ん、しりあいっていうか、ほしはがつきはのことすとーかーしてたからしってただけ」 色いわく、星玻は七年前から僕のことをストーカーしていたという。 「な、七年前?」 「そう、ななねんまえから」 なんで色がそんなこと知っているのかと聞くと、色はソレはもう当然のようにこういうのだ。 「ああ~、おれはそれいぜんからつきはのことすとーかーしてたから、すぐわかった♪」 「ちょ、色、どうして、そういう大事なこと言わないの!」 僕が語尾を強調したら、色は怒ったと思って小声で弁解する。 「だって、つきは、そのころおれじゃなくってほしはのことすきだったじゃん……」 「そうかもだけど、色はその頃まだ小学生だったでしょう!そんなでストーカーしてたら、物凄く危ないじゃん!なにかあってたらどうすんの!」 ダメだよ!と僕は星玻がストーカーしていた事実よりも色がストーカーしていたことに心痛める。そして、いまよりももっと色を甘やかしてあげようと心に誓うのだった。 「……ごめん、もうしない……」 「うん、解ればイイよ。じゃ、今度、ストーカーするときはちゃんと僕も呼んで!」 手伝うからと僕は色の手を握った。色は困惑の顔をしたが、取り敢えず、頷くだけ頷いていた。 ストーカーの対象の僕は自分がストーカーされることをまったく理解してなくって、呑気に顎に親指をついて唸る。 「ソレにしても、星玻がストーカーしてたなんてまったく気がつかなかったよ」 星玻には可哀想なことをしたなと呟くと、色が「うん、つきはにきがつかれないようにがんばった」というのだ。もしかして、必要以上に色がベタベタしてきたのって、そういう理由もあるのかなと思うとなんだか可愛くなって、僕は「色、大好き♪」といって色にキスをするのだった。  

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