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第2話
俺は、つれさられた日から、なに不自由なく生活を送っていた。
「おはようございます。季里さん、今日は社長は会議に出られましたので僭越ながら、私が朝食を作らせてもらいます。」
(えっ⁉二ノ宮さんって料理とか作れたんだ。)と俺は少し書き慣れたペンで二冊目のノーとに書いて見せた。
「はい。…クスクス。 私は一応何でもできるように育てられてきたものですから。」
(へぇ~。)
俺の目の前にふんわりとしたフレンチトーストが置かれた。
「お熱いですので火傷に注意してくださいね。」(コクコク)
一口食べると口のなかにふんわりジューシーで甘い味と食感が感じられた。
(美味しい!美味しいです‼二ノ宮さん。)
ノートに書こうとするが、
「もう表情と口の動きでわかりますよ」と笑った。
午後はテレビを見ながら、ゴロゴロした。
(獅子堂さんまだかな…。)
そう思っていると、ガチャッとドアの開く音がした。
「ただいま、季里。良い子にしてた?」
(うん。おかえりなさい。)
獅子堂さんは頭を優しく撫でてくれた。
「今夜は何食べたい?」
(魚‼最近食べてないから久しぶりに食べたい。)
「じゃあ、鮭のグリルで良い?」
(わーい‼)
「ほんとに、季里を美味しそうに食べるねぇ。」
(だって、本当に美味しいんですから。)
「ははっ。」
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